宮崎県教育委員会刊行の報告書
『宮崎県文化財調査報告書』
第一輯が昭和三十一年三月に刊行されている。
〈民俗資料〉に関しては、田中熊雄「椎葉山村の民俗資料」がある。田中熊雄の椎葉村調査は、昭和二十九年に尾向・十根川・不土野・松尾で行われた調査報告である。生産・狩猟・運搬・信仰関係の民具中心の調査であった。
また、日高正晴「東米良の民俗資料(狩猟用具)」は、昭和二十九年十一月十一日から十五日まで、 . . . 本文を読む
宮崎県の県民性について
1 浅野建二校注『人国記・新人国記』岩波文庫
日向─当国の風俗は、無躰無法の事のみ多く、只気の尖なるに任せて、
己が理とみる時は、非と云ふ人ありといへども、曽て用ひず。
只その理非は第二にして、その談ずる人と口論に及び、終に討ち果すの類なる風なり。
誠に偏卑の浅ましき事、人倫の道理を知らざること、歎くべき所なり。
唯死するを以て善とする事、 . . . 本文を読む
神楽の入門書
・『宮崎県史 資料編 民俗2』、平成4年、宮崎県、5000円、※県史資料整備事務室(TEL0985-26-7027)で購入できる。
山口保明氏による県内の神楽の概観がまとめられている。
・『椎葉神楽 アジア民族写真叢書⑯』、写真・渡辺良正 文・渡辺伸夫、平河出版社、3811円
解説・写真共に豊富。
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日向史学会
日向史学会は、日高重孝を会長に、昭和二十七年八月に発足された会である。日高は、創刊号の「発刊の辞」で「吾が日向は、文献資料には乏しいが、伝承と遺跡とは、実に豊富な国である。例えば前者では肇国以来の神話伝説の類、後者では先史時代から、原史時代に亘り、特に国内各所に累々たる三千の古墳群と夥しい出土品がある。」と、宮崎という土地が歴史学よりも考古学や民俗学が主体ですすめるべきであることを述べ . . . 本文を読む
『日向民俗』の足跡
宮崎県で唯一の民俗専門の研究会として、昭和二十九年に発足した「日向民俗学会」は四〇年以上の歴史を持ち、後の宮崎県民俗学会へと引き継がれている。
日向民俗学会の活動の足跡をたどるに当たって、現在のところ、会誌の編集方針によって大きく五期に区分することができる。
第一期(創刊号~三〇号まで)
日向民俗学会の初代会長は田中熊雄であった。田中は宮崎大学教授(後名誉教授)であり、 . . . 本文を読む