ついに始まった生活保護基準引き下げ
見直し・阻止するために残された“最後の手段”とは
――政策ウォッチ編・第34回
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筆者も会員である生活保護問題対策全国会議では、「生活保護基準引き下げ、ガマンするしかないの?~審査請求やってみよう!(一万人審査請求運動)」として、前例のない生活保護基準引き下げに対する、前例のない異議申立てを開始しようとしている。審査請求の手続き自体は容易だ。
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しかし、訴訟の手前で、当事者たちが声を上げてみることくらいしてみることには、価値があるのではないだろうか?当事者たちが黙っていたら、今後も経済的に・社会的に追い詰められていくだけだ。
声を上げれば、叩かれるかもしれない。それでも、
「こんなのはイヤだ」
「辛い」
「悲しい」
という一言でも、声を上げないよりは、上げたほうがよい。少なくとも、筆者はそう思う。
「リスク」というほどのリスクは、ない。担当ケースワーカーが意地悪な性格だったら、イヤミの1つくらいは言われるかもしれない。でも、それ以上のことはないし、あってはならない。万が一にも、「生活保護廃止」というペナルティを与えられるということはない。心配ならば、何かあった時に相談できる相手を確保してから、声を上げればいい。
そして筆者は、今のところはまだ生活保護当事者になったことのない者として、今のところはまだ生活保護当事者でない読者の方々に、心からお願いをしたい。どうか、勇気をふるって声をあげる生活保護当事者たちに、中傷や揶揄を加えないでほしい。応援したくないとしても、黙って見守ってほしい。できれば、さまざまな形で、気持ちの中でだけでも応援してほしい。筆者も応援したいので、「生活保護問題対策会議」の審査請求アクションの呼びかけ人となっている。
次回は、現在、レディース・コミック誌に生活保護をテーマとした連載を行なっている漫画家のインタビューを紹介する予定だ。「生活保護」という重く大きなテーマと取り組み始めたきっかけは何だったのだろうか?作品化するにあたっての思いは、どのようなものだろうか?
<お知らせ>
本連載に大幅な加筆を加えて再編集した書籍『生活保護リアル』(日本評論社)が、7月5日より、全国の書店で好評発売中です。
本田由紀氏推薦文
「この本が差し出す様々な『リアル』は、生活保護への憎悪という濃霧を吹き払う一陣の風となるだろう