ミャンマー視覚障害者医療マッサージトレーニングセンターの日々の記録 「未来に向かって」

NPO法人「ジャパンハート」が、ミャンマーの視覚障害者の社会的自立を目指して立ち上げた新たなプロジェクト

International White Cane Day

2012年10月17日 | 日記

10月15日は、「International White Cane Day(国際白杖の日)」。
視覚障害者のシンボルであると同時に視覚障害者の歩行に欠かせない白杖。そんな白杖と視覚障害者への理解啓発を目的として、ミャンマーでは毎年この日に全国から大勢の関係者が集い大きなイベントが行われる。

このイベントのメインと生るのが一斉ウォーキング。これは、ミャンマーのシンボルであるシュエダゴンパゴダからヤンゴン市役所までの道を前面通行止めにして視覚障害者が白杖を持って歩くもの。
当日ヤンゴンのスタート地点には、今年も早朝6時前から既に多くの人たちが集まり熱気に包まれていた。そして、6時半、スタートの合図と共に力強く一斉に歩き出した。昨年同様、沿道では主催者の行政関係者が交通整備などを行い、歩いている視覚障害者には多くの一般の方々が声援を送っていた。
本センターからも参加し、学生のガイドとしてジャパンハートスタッフの方々もたくさんお手伝い下さった。皆、センターロゴの入ったジャパンハートオリジナルシャツを着て、視覚障害者と健常者がペアを組み、汗をかきながら会話をし共にゴールを目指した。

その後、ゴール地点で行われたセレモニーでは、ミャンマー政府関係者も参列し、終盤では視覚障害者によるコンサートで会場を盛り上げた。因みに今回数百人の参加者を代表してお礼の言葉を述べたのは、本センターの1年生。
私は3回目の参加だったが、行政・教育機関・民間企業・NGO・一般市民が一体となって行われるこのイベントは大変すばらしいと感じている。このように全ての関係者が一体となってアプローチし、視覚障害者を受け入れるためのキャパシティーを社会全体で上げていくことがとても重要だ。

今後もミャンマー社会において視覚障害者理解が更に促進することを願っている。そして、近い将来この日に限らず、マッサージによって職業的・経済的に自立した視覚障害者が白杖を持ち胸を張って街中を歩き回る姿が日常的に見られるようになればと思う。そのためにも、視覚障害者自信が自立の未来を創造し、社会の一員として自分が社会に貢献できることを一つでも二つでも見つけて努力することは言うまでもない。


    塩崎