Les yeux et les oreilles de mya

音楽、映画、バレエなどなど

Killing Time/Irene

2005-03-09 23:28:12 | 音楽(日本)
ジャケットは重要です。夢のような音世界をつくる音楽家エバーハルト・ウェーバーの奥さん、マジャさんが描くこれまた夢のような絵がジャケットを飾っていなければ、僕はキリング・タイムに出会うことはなかったと思います。そして、中につまっている音も、ジャケットに劣らず夢のような世界を形作っていて、キリング・タイムは僕にとって一番大切なグループとなったのでした。

一昔前ならヒーリングという言葉で形容されそうな、一見ひとあたりのよさそうな音楽ですが、その実ひとくせもふたくせもあって、その混ざり具合が僕にとっては絶妙です。特に2曲目の“既知との遭遇”。この3分に満たないポップな小品は、そこに忍んでいるヒネリのために、何回聴いても不思議な感覚を覚えることができて、僕にとっての理想の音楽といっても過言ではありません。

このアルバムのハイライトは、サンディや小川美潮、ハムザ・エル・ディンなどの歌い手を配した組曲“アイリーン”で、これは音による架空の国々紀行です。坂田靖子のアジアっぽい作品との相性がよさそうな、心地よくてちょっと奇妙な世界は、ハマったらなかなか抜け出せないでしょう。

キリング・タイムのこの不思議な感覚、鍵は打楽器にあると思うのですが、どうでしょうか。