a tempo

演劇の事など書きたいと思います。たぶん。

小泉地区の防潮堤

2014-05-22 02:25:31 | Weblog
書いてなかったかもしれないので。
けっど書くと長くなってしまうので、なるべく簡単に。。

気仙沼市南部に位置する小泉地区では、高台移転して平地には誰も住まないことになっている土地に、
宮城県で最大の高さ14.7メートルの巨大コンクリート防潮堤が計画されています。



気仙沼土木事務所
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/ks-doboku/siminsetumeikai.html
より、
昨年11月27日に行われた”説明会”の公開されている資料です。
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/241567.pdf
この会の説明会は、いろいろな意味で、特に「住民合意」という意味でブツギになってる会ですが…その話はちょっとおいといて、、
このリンクのPDF見て、、内容分かるでしょうか…?


まずはひっくり返して見ます。
だいたいこのくらいで地図の方位と合うかと。。
コメントを足してみました。(何か指摘あればお願いします。)



う~。
どうしてもぐちゃごちゃになってしまって分かり難い。。どうか察して下さい。
でかすぎる建造物で、沢山の要素がからんでしまうんです。。


google。



CGで表したのがこちら。
(以前、行政が製作したと書いてアップしてしまいましたが、首都大学の横山先生によるものだそうです。大変失礼致しました)(コメント加筆させていただいてます。)



よく、「3重堤防」って呼んでます。
一番海側の防潮堤を第1堤防。
国道45号を第2堤防。
三陸道を第3堤防。
ってぐあいに。
やりすぎ?


防潮堤の話をするとたまに、「進撃の巨人みたい」というコメントがあったりします。(このアニメは私にはちょとグロいのですが…)



こんなふうに家を守っている壁なら良いんですけどね。
小泉地区は、防潮堤の内側に人が住まない、「誰の命も守らない防潮堤」なんですよ。。



この計画への指摘は、列挙すればキリがないんです。
・必要性…なぜ作るのか。見合った投資なのか。
・安全性…津谷地区まで遡上しないという説明がある一方、津谷地区は1~2メートル浸水するという発言もある。海岸からの避難ができるのか。海が見えなくなることによる危険は。等等!
・経年破壊と維持管理費の負担…コンクリートは50年と持たない。維持費用は地元負担。人口が減少傾向にあり、将来に負担を残す。
・自然環境について…地下水を遮断して海が痩せる。干潟を潰す。せっかく戻った砂浜を破壊する。サケの遡上は大丈夫か。天然日本うなぎは育ち難くなる。近海のイワシが捕れなくなるのでは。等等!!
・景観について…威圧的で景色に溶け込まない誰がどう見ても酷いセンスの建造物になる。観光には適さないであろう。東京の一級河川堤防の方が美しいのでは。
・まちの将来像、持続可能な社会について…小学校の生徒数が100人を割り、将来の町の存続が危惧される。そうした観点から復興を考えるべき。
・「住民合意」のありかたについて…一部の建設を望む住人の発言だけが行政に届くしくみになってしまっている。年配の男性の声しか反映されない。若者の声や女性の意見が反映されない。「意見を言うとそのせいで復興が遅れると言われてしまうから言えない」と萎縮する空気ができあがっている。説明会での数名の拍手で「圧倒的多数が建設を望んでいる」という扱いになる「拍手による合意」。説明会でマイクを持って大勢の前で発言しなければ「計画に合意した」と見なされる。そもそもこの計画を知って理解してる人が少ない。等等等!!
・予算の使い方として…東日本沿岸部における最大の復興予算の無駄遣いなんて指摘もある。(私が言ってるんじゃないですよ。言わないだけですけど。)
etc.
あとは、、、思い出したときにでも。。


いずれにしても、議論が足りていないんです。



どうしても作るのなら、コンクリートはやめにして、せめて石垣にしませんか?
日本一の天然うなぎの産地になると思いますよ#^O^#




国道45号から海側は、そのまま保全して野生生物のサンクチュアリにしてはどうでしょう。
素晴らしい環境だと私は思うんですけど。コンクリートで潰すなんてクレージーですよ。




いずれにしても、もっと議論を。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
小泉 (メガネポンチ)
2014-05-22 12:11:28
ちょっと、違った視点から一石。
もしかすると、住むべき住人も居ないから、逆に大きな反対や生活への支障が無いだろうって、思ってないでしょうか?
まずは、既成事実として、巨大堤防を作り上げる。作ってしまえば、そのうち議論は萎んでしまって、これを前例としてしまう・・・ちょっと、穿った考え方かなぁ~

貴重な生物生息域として考えると、よっぽど観光・生活資源に変身できる要素が有りますね。

津波や、高潮被害には、貯水池or遊水地的に機能させて、地区の浸水被害のバッファーゾーンとしてやるのも、環境共生になるのでは、と思います。
こいずみ (a tempo)
2014-05-22 22:04:40
いやいや。それほど違った視点ではないですよ。

おっしゃる通り、小泉地区の防潮堤はまったくもって「必要とされていない」というもので、
(「土地を買って欲しい」という人はものすごく多いんですけど、「防潮堤が必要」という人はごく一握りだと思います。)
一方で、「作ったからといって、生活に支障が出るとか損害を被ることが無い」というものです。

つまり「有っても無くても生活に困るほどのものじゃない」んです。ものすごくデカイ建造物なんですけど。。

だからなんでしょうかね。。
日本 (メガネポンチ)
2014-05-26 13:12:49
日記の中にありました「進撃の巨人」、私も未だ少ししか読んでないですが、ある日突然現れた巨人を防ぐために、50mの城壁を作り、人類の生存権は、その城壁の中になってしまう。ある日、予想を超え、50m以上の身長の巨人が1体現れ、城壁の一部が破壊され、他の巨人共々、侵入されて人類が捕食されていく訳です。

宮崎駿アニメ「風の谷のナウシカ」でも、自然の惨威を組みしこうとする文明国家と、自然共生を願う「風の谷」との構造が有りますが、それぞれの立場で考える事は、一致しない。でもより多くの人が納得できる事の努力と、その道のりはたいせつと思う。
すまないコメント気付かなかった(汗) (a tempo)
2014-05-30 20:55:44
5月26日宮城県知事記者会見
http://www.pref.miyagi.jp/site/chiji-kaiken/#05
(リンクはれないかもしれないので、URLコピペしてください。。)

小泉地区の防潮堤について、
5月24日仙台のフォーラムをふまえての知事さんのコメント。。

建設する理由は「地元の合意も得られまして」。
(その合意が問題なんですけどね。)
「必要だから作る」という話では無いようです。

これ読むと、「知事さんが”作りたいから作る”」じゃないの?っと思えてしまいます。

自然に対しては文明は無力なのを知ってるはずなのにねぇ。。
記者会見コメントを読んで (メガネポンチ)
2014-06-02 13:51:18
政治家さんとは、いとも口述が上手く、また都合の良いいいとこどりの生き物なんだと、正直、被災地を背負う長として、少し残念に思いました。
一番引っかかったのは、
①「登壇した人が反対派が主流で、集まった人もおのずと反対派多い」→だから、会としては否定定期な低減となっている。
②「参加者には地域住民以外の聴衆が多く、会の提言は住民の総意ではない
とい下りです。
①については、今まで逆の理論で、あたかも賛成が総意みたいに演出してきたのは、自らの県では? と、思えます。②だって、それだけ多くに人の関心事なんですよって事でしょう。それにこの工事自体に、多大な国民の税金が注ぎ込まれているんですよ。言葉の端々にも、ともかく「前に進める」の繰り返し。目的を失っても一度
決めたら作り続けるダム工事と一緒じゃないかなぁ~ 長文失礼いたしました。
訂正 (メガネポンチ)
2014-06-02 13:52:42
先の文中にて、「否定的な低減」は「提言」の誤りです。
同意 (a tempo)
2014-06-07 04:06:29
「行政は聞かない」
「行政は聞く耳を持っていない」
「行政は建設ありき」
防潮堤をめぐり議論があるところで必ず出てくる感想です。

批判するわけじゃないけど、
どうやら問題は、国よりも県知事さんにあるようです。

5月26日記者会見(リンクがかわったみたいなので再アップ)
http://www.pref.miyagi.jp/site/chiji-kaiken/kk-140526.html#05
にも出てきます。「ワーキンググループ」については、
第1回が開かれましたが、住民からのプランを検討してほしいという提案は、却下されたとのこと。
どんなプランかというのは、NHKスペシャル「防潮堤400キロ~命と暮らしを守れるか~」の中で、地元小学校教諭の阿部正人さんが手にもって紹介されていたものです。

検討もしてもらえないんだって。。
Nスペも、見ました (メガネポンチ)
2014-06-08 14:59:18
国営放送ながら、切り込んだ内容という印象でしたが、問題が国より自治体って構図なら、解る気もしますね。
100年先でも住民を守りたい、悲惨な現場を繰り返したくない って議論、田老地区の話がその根本を覆すと考えました。
元々堤防があっても、地震があったら逃げろ という当初の理念が、時とともに堤防があれば安心 に人々の意識が変わってしまったこと。 例えば1000年後に、現在想定以上の津波が押し寄せた時に、どうなるの?
防災の原点ですよね。
しかも、もはや防災には限界があって、いかに被害を少なくするかの減災+住民の心構え って風潮になろうとしている事への、逆行と思います。
阿部さんの提言は、かなり前向きでしたね。
それが、防波堤推進派に、黙殺されたのは残念です。

仙台では、東部道路が、津波の被害を減少させてくれましたし、海側に近い国道のかさ上げ工事が始まって、防波堤の一翼を担います。
いち早く東部道路に上がる為の、避難用の階段を設置したことも、まずは何をすべきかが、明白だったと思います。

時間と巨費を投じ続ける行政に、もっと勉強して欲しいです。
NHK東北さんは、長期に渡ってずっと東日本を取材されてます。 (a tempo)
2014-06-13 00:00:11
「何が何でも命を守る」のが行政の責任なら、
「何が何でも避難できる環境を整備する」とか、
「何が何でも大丈夫な高台移転を実施する」とかが、行政の責任ですよねぇ。。

防潮堤を全否定するつもりは無いですが、
防潮堤では命を完全に守り切ることはできないのは、今回の震災でハッキリした事のはずなのに。

全てを高台移転することは不可能なので、
「避難さえすれば命は助かる」ということを後世に残して行くべき。
「防潮堤があるから大丈夫」と考えたり、
「海が見えなければ、何世代後かには震災の記憶が風化し、誰も避難しなくなる」というのが一番危険なはずなのに、
なぜか知事さんには届いていない…。。

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