【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

悩みたいか悩みたくないか

2017-07-13 20:36:29 | Weblog

 同じ問題にぶつかっても、悩みたい人は悩みますが、悩みたくない人は悩みません。

【ただいま読書中】『おろしや間諜伝説』船戸与一 著、 さいとう・たかを 原案、小学館、2011年、1300円(税別)

 劇画「ゴルゴ13」の「おろしや間諜伝説」(「ビッグ・コミック」に1977〜78年連載)のノヴェライゼーションです。
 ゴルゴ13の弱みを握って脅迫することで日本政府の専属契約を受け入れさせ、日本政府の意向に従った暗殺を実行させる、というプロジェクトが防衛相と内閣情報調査室で極秘に始まりました。
 いや、この時点ですでに話に無理がありすぎです。プロジェクトの「目的」は「日本政府の意向に従った暗殺」であって「手段」は「脅迫」。だけどゴルゴ13は金で動くのですから、スーパーテロリストを脅迫する、なんて危ない橋を渡らなくても金で雇えば済むことでしょう。ところが日本政府のプロジェクトチームの面々は、まるで「目的」が「ゴルゴ13を脅迫すること」であるかのように嬉々として動き始めてしまいます。
 ただ、原案者の「目的」は「DNA鑑定」という(1970年代には)“新しい技術”について述べることにあったのだ、と仮定したら、このストーリー展開は頷けます。ゴルゴ13は、「ゴルゴ13」を“狂言回し”にして、国際情勢とかダイヤモンド取り引きについてとか新しいテクノロジーについてとかを饒舌に語る作品がときどき混じっているので、「DNA鑑定(親子鑑定)」が70年代のゴルゴ13に登場してもおかしくはない、というか、おかしくないストーリー展開を考えるのが脚本家の腕の見せ所、ということでしょう。おっと、読んでいくと、本書の時代設定は21世紀初めでした。するとDNA鑑定は“メインキャラクター”ではないことになりそうです。するとこの作品のノヴェライゼーションの「目的」は何?
 ゴルゴ13の出自を求めて、自衛隊の情報官がハノイやオデッサを訪れますが、彼らは次々狙撃されて殺されていきます。全員、一発で前額部を撃ち抜いて即死させる、という「ゴルゴ13の手口」で殺されるのですが、ではゴルゴ13が日本政府の動きを嗅ぎつけて先回りして動いているのでしょうか?
 結局「陰謀」は別の陰謀をカバーするためのもので、人々は殺されるために舞台に登場し、殺されて引っ込んでいき、結局謎は解明されないままとなってしまいます。というか、本書にゴルゴ13本人が顔を出したことがありましたっけ?


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