2008年度予算案をめぐる衆院予算委員会の質疑が始まった。
この中でも、自民党の谷垣政調会長や民主党の岡田元代表の質疑の様子は見応えがあり、昨夜のNHKやテレビ朝日のニュースでも可なり詳細に放送していた。
[なんとかなりそうな国会審議]
確かに、谷垣さんのガソリン税などの暫定税率が廃止されれば、国民生活は各方面で混乱し、地方自治体では巨額の財源不足が生じると言うのも説得力があった。
また岡田さんの質疑での
・小泉、安倍両内閣が打ち出した道路特定財源の一般財源化の方針の後退、
・道路公団の設立の際小泉さんが、1万4000キロ整備計画を9342キロにすると岡田さんに言った約束がいつの間に生き返ったのか、
など迫力十分で、福田さんのとってつけたような答弁から見ても、明らかに岡田さんが勝っていた。
福田さんの唯一の反攻は審議を進めるために民主党に対案を出せと言う位だった。
素人の眼から見ると、これらの質疑で主な問題点は明らかになったし、与党と民主の対案を比較しながら審議を進めて行けば、道路を具体的にどれだけどの優先順位で造れば良いか、その財源として暫定税率からどれたけ利用するか、その残りの財源を一般財源化するか否かなど、曲がりなりにも何とか国会も回って行きそうな気がするのだが。
[国会審議を妨げるもの]
然し事実は、自民党には強硬な道路族がいるし、福田さんのまあまあ主義ではとても収まりが付かないようだし、質疑の様子から見てその道路族と組んでいる国土交通省を冬柴さんがどの程度コントロール出来るかなど、問題だらけだ。
一方の民主党必ずしも一枚岩ではないと言うややこしい問題を抱えている。
その民主党は政府、与党、マスコミの批判に応えて、6日に道路特定財源の暫定税率を廃止する法案の骨子を明らかにした。
その内容は読売新聞の報道によると、
・ガソリンにかかる国税の揮発油税などに本来の税率に上乗せしている暫定税率を定めた租税特別措置法の規定を廃止し、道路整備に限らない一般財源とすること
(これで民主主張のガソリンは安くなるのかな?)
・道路整備事業費を現在の約3・4兆円から約1・7兆円に半減する。
地方独自の道路整備に支障は出ないように財源を地方に手厚く配分する。
・暫定税率を廃止に伴う、地方の税収などの歳入が約1兆円以上の減収は、他の財源から賄う。
(詰まり地方には負担は掛けないが国としてはその分の増税だ。)
民主党案は個々に示したように問題はあるような気がするが、一応国会審議のたたき台にはなるし、この案と与党の案(これも岡田さんが追求したような問題だらけ)の突き合わせで審議は進んで行きそうな気がする。
ただ大きな問題は報道によれば、
民主党は今後、法案提出に向けて党内調整を進めるが、道路特定財源を巡る与野党の「修正協議」の行方を見極めるべきだとの慎重論もある。
ことだ。
[民主党の二つの対案]
これを見て思い出すのは、海上給油への民主党の対案だ。
民主党は出す出すと言いながら結局は国会の末期にやっと出し、然もそれを審議未了で闇に葬ろうとした。
そして、海上給油は衆議院での再可決で何とか実施の運びとなった。
それでも小沢さんの狙った国会解散、総選挙も起こらなかった。
小沢さんは「海上給油など民主党にとっても、国にとっても大した問題じゃない」といった。
それではあれだけ大問題になった海上給油の論議はなんだったのか。
国会審議で残したものは何だったのか。
日本の国際的な信用と、海上自衛隊の士気と、国民の政治不信の低下だ。
これについて勿論外国も自衛隊の人もマスコミも取り立てて何も言わないから「大した問題でない」と言えるのか。
海上給油問題で、政府から対案を出せと言われて、民主党の議員は給油反対が対案だと言った。
暫定税率の時も、政府から対案を出せと言われて、民主党の議員は暫定税率反対が対案だと言った。
この様な不毛な質疑からは何も生れてこない。
そして、今度は遠いアフガニスタンの問題でなくて、国民生活に直結する問題だ。
つなぎ法案に関しての議長斡旋の直後から、民主党の小沢さん、鳩山さん、輿石さんなどからが「年度内採決を確約したものではない」といった発言が相次いでいる。
民主党は前回は海上給油を政争の道具に使った。
民主党の有力者の発言をみると、その失敗にも懲りずに今度は国民生活を党利党略の具にしようとしている。
もし小沢さんの政策が成功して、国会解散に持ち込んでも民主党が勝つ確率はそんなに高くない。
与党は選挙で、民主党は国民生活を党利党略の具に使ったと攻撃するのは確かだからだ。
もし勝って政権をとっても、今回の民主党の対案と同じように、そのマニフェストも欠陥だらけで、自民党の攻撃の餌になり三日天下に終わる確率が非常に高いと思う。
暫定税率の一般財源化の問題は、海上給油の問題と違ってマスコミの支持もあり、政府、与党の攻撃の材料に欠かない。
暫定税率の問題については、与党、民主党内の色々な考え方の人達も不満足ながらもどこかに落とし所がありそうな気がする。
それを敢えてごね廻って解散に持ち込んでも、それこそ「暫定税率の問題が民主党にとっとても、国民にとっとても大した問題」なくなると思う。
それを避ける為には、先ず民主党が実行可能な対案を作る事、それを元に政府、与党案と突き合わせて具体的な審議に入ることだ。
(それと民主党が勝利したときに備えて実行可能なマニフェストを整備して置く事だ。)
逐条審議が結果的に政府を助け国会解散に持ち込めなくても、いずれ衆議院総選挙の時が来る。
その時こそ信頼できる政党として、正々堂々と自民党と互角またはそれ以上にそ戦うことも出来る。
それが回り道の様でも、結局は民主党の政権獲得の早道のような気がする。
そして私の持論の持続可能な政権交代の時代が来る早道のような気がする。
海上給油反対のとき防衛庁汚職と言う民主党にとって神風が吹いた。(結果として小沢さんの言うように一見大した問題でないような結末になったが。)
今回も神風とまで行かぬが民主党にとって好材料がある。
それは自民党内の政府案の修正絶対反対の道路族の動きだ。
もし世論の支持のある政府案の修正へ福田さんの党内へのリーダーシップがないと判れば、その支持率の低下は明らかだ。
それも民主党が修正協議に応じた場合の話だ。
ここは民主党の考え時だと思うが。
参照:カテゴリー → 民主党
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