音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Pictures of Lily

2007年09月14日 | 歌詞・訳詞
朝起きると いつもひどい気分だった 
夜眠れないのには もううんざりだ
そう父さんに泣きつくと 父さんは言った
「息子よ いいものをやろう」
そしてそれを壁に張り付けてくれた

それ以来まったく 夜も寂しくなくなった
ほんとに ひどい気分を感じなくなったんだ 

リリーの写真が 僕の人生を素晴らしいものにしてくれた
リリーの写真が ぐっすりと眠らせてくれた
リリーの写真が 少年時代の問題を解決してくれた
リリーの写真が いい気分になる手助けをしてくれた

しかし そのうちうまくゆかなくなった
僕はリリーに恋をしてしまったんだ 
僕は父さんに訊ねた 「どこにいけばリリーに会えるんだろう?」 
「息子よ 馬鹿を言うんじゃないよ。彼女は1929年に死んでしまったんだから」
ああ その晩はひどく泣いたよ
リリーの時代に生まれていれば すべてはうまくいったのに 

リリーの写真が 僕の人生を素晴らしいものにしてくれた 
リリーの写真が ぐっすりと眠らせてくれた 

夢の中で リリーは僕のそばにいてくれる 
ヘイ、ミスター リリーの写真を見たことがあるかい?

- The Who「Pictures of Lily」(1967)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 邦題「リリーのおもかげ」。ポップ・ロック史上、初めてマスターベーションをテーマにした歌(ほんとかどうかは知らない)とも評されるザ・フー初期の名曲だが、僕にはこれ、すごくせつない歌に思えるのだ。

 だって、恋した相手がとっくの昔に死んだ女性だというんだから。この世では絶対にかなえられることのない恋愛。せつなくないすか?
 
 原詞はここ

 1967年4月、ドイツのTV番組「Beat Club」出演時の映像。
  

  


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6 コメント

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Unknown (サリンジャー)
2007-09-14 09:31:07
ついにWhoキター!って感じで・・・

ジミーも壁に写真張りまくってたし、ナニを題材にした曲ですよ。
少年の視点はほんとに切ないよね。
まさにピートにしか作れない世界観。

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やっぱり。 (Andy@音楽観察者)
2007-09-14 10:23:19
サリンジャーさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

やっぱそうなんでしょうね、この歌は。これ以前にそういう題材のポップソングがあったかどうか知らないんですけど、さすがピートという感じです。単純なラヴソングは少ないですもんね。そういうところも当時支持されたんでしょう。

おっしゃるとおり「四重人格」ブックレットでも「さらば青春の光」でも、ジミー君は壁に大量の写真貼ってましたね。あれはこの曲への自己言及だったんだなあ。

それでは、今後ともどうぞよろしくお願いします。
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Unknown (サリンジャー)
2007-09-14 12:41:31
僕はAndyさんと同じ年です。
AndyさんのHP発見したのはつい最近ですが、
70年代音楽や80年代音楽を読んでいると、イギリス物はかぶりまくりです(笑)

僕のモストはビートルズですが、フーも大好きです。
紙ジャケはBOXを買おうかと迷っていたら、売り切れてしまって、かなりうらやましぃぃです。

こちらこそ今後ともよろしくです。
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おおそれは。 (Andy@音楽観察者)
2007-09-14 13:53:57
サリンジャーさんは同い年でいらっしゃいましたか。
同世代的親近感がぐぐっときましたです。
僕もビートルズ大好きですよ。怪しいロシア盤紙ジャケ集めてるくらいですから。

今後もコメント期待しております。では。
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英国ロックの伝統芸? (タイコウチ)
2007-09-14 23:56:47
この手の曲といえば、だいぶ時代は下がって、スクィーズやXTCを思いつきますが、英国ロックの伝統芸なのでしょうか(笑)。

スクィーズは、「Cool For Cat」のなかの「Touching Me, Touching You」、XTCは、「Oranges & Lemons」に収録の「Pink Thing」など。グレン・ティルブルックの最近のソロでも、「Reinventing The Wheel」という傑作(?)があります。こちらは、拙訳がありますので、よろしければご参考まで。
http://songbysong.exblog.jp/4586901/
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はーなるほど。 (Andy@音楽観察者)
2007-09-15 09:43:02
この手の曲、たしかに英国音楽の伝統芸なのかもしれませんね。比喩の仕方にある種の品があるというか。

米国だとザッパにもお下品ソングはありますけど、もっとダイレクトですもんね。それ比喩やないやろ、そのままやろ、って感じで。

ご教示いただいた曲、すべて耳にしているはずですが、あんまり本気で詞を読んでいませんでした。さっそく確認してみます。
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