足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

    No.894   ~ 不運なセスジスズメ幼虫 ~

2010年09月09日 | 昆虫




     観 日  2010829 晴 33℃ 

     観 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)


       「暑いのに、イモムシが可愛そうだわ」 

         Rさんが突然立ち止まった。

      今日も、朝から肌を刺すような日光がギラギラと輝き、朝の10時だ
     というのにセンター玄関前の路面からはかげろうが立っている。イモ
     ムシを見ると、体側に黄色と赤の七個の目玉模様を持つセスジスズメ
     の幼虫であった。

      「私が、日陰に持って行きましょう」

     と指で摘まんだ瞬間 「これは!」と思わず声を上げてしまった。そ
     れは、イモムシの体から異常な程の熱さを感じたからである。

      普通、イモムシの体に触れると冷たく感じる。彼らは自分で体温を
     作るしくみを持ち合わせず、外気に依存しているからだ。このイモム
     シの血液は沸騰しそうな程の温度に晒されたのであろう。

      温度計を取り出し、イモムシに添うように置いて見ると48℃を指し
     た。路面に手を置くと、焼けどをしそうな熱さだ。

      イモムシの体は、張りがあるものの動きはなかった。今しがた死ん
     だものだろう。蛹化の場所を求めて歩き出した場所が悪く不運だった
     のである。

 


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