観 察 月 日 2010、10、23 快晴 0℃
観 察 場 所 群馬県 片品村
早朝気温7℃、木々が緑の藤原を出発、鳩待峠を目指し奥利根ゆ
けむり街道を車は走る。最高点は伸六峠、地図上では1600m余だ
ろうか。高度が上がるにつれて気温は下がり2℃、名所の照葉峡の
紅葉は今が盛りだ。
尚も峠に向けて走ると、温度計は0℃を指し、道端に降りた霜が
朝日に輝く。裸木が目立つ様になり、紅葉前線の山登りが目に見え、
伸六峠も間近になる。
「あれ!クマじゃないか」黒い塊が動く。車との距離30m程だ。
時計は7時30分、標高約1550m。此処は車の交通量も少なく間もな
く閉鎖、歩行者など無い奥山だ。“クマの行動は早朝と日没後が最
も活発だ”と聞いた事を思い出していた。
「仔グマだよ」「でも大きいね」「今年生まれでなく、2歳位か
な」
仔グマは、我らの車に気が付かない。何かを見付けたのか、草の
中の匂いを嗅いでいる。その間、30秒程だったろうか。仔グマは仔
イヌの様に跳ねながら右側の藪の中に消えた。母グマに呼ばれたの
だろう。
私は、望遠レンズのカメラを持っていたのを忘れ、無意識にシャ
ッターを押したコンパクトカメラに、仔グマらしい黒い塊が1コマ
写っていた。