足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1279 ~ 玄倉は 秋祭りの季節 ~

2014年10月26日 | 昆虫

観 察 月 日  2014.10.12.曇 18℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

 山は緑だが、道路際のオオヤマザクラは一足早く色付き、その下

を白装束の男達が担ぐ神輿が丹沢湖へ向かう。玄倉は秋祭りの季

節だ。

 ススキの穂が招く草原に、虫たちの秋はないかと覗いて見ると、

ホシアワフキの2匹が向き合って止まっていた。2匹は雌雄なのだ

ろうか。

 頭部付近をルーペで拡大して見ると、植物の汁を吸う口などセミ

そのものだ。

 エゴマの葉上でセスジツユムシが眠っていた。アンテナを前へ伸

ばし、活動に重要な役目をする後足も、後ろへ投げ出す様に伸ばし、

リラックスしている状態だ。こうした姿勢は、周囲の植物に融け込む

優位さもある。腹部の尾端に、ナイフ状の産卵管が覗いている。これ

で植物の茎に傷を付け産卵するのだ。

 「ヤマトシリアゲがいますよ」と誰かの声。雌で、口の先に小さな虫

を捕まえ食事中の様だ。少し離れた所に、尾端に恐ろしげの鋏を上

げた雄のヤマトシリアゲがいた。初夏に出現するものの体色は黒い

が、秋型は体色が赤褐色だ。

 落ち葉の上に白い綿状の物に包まれた、ミンミンゼミが転がってい

た。元気に夏を謳歌していた頃、白きょう病菌に感染し、やがて体内

に菌が溢れ、生命を奪われて地上に落ちたのだろう。昆虫にも恐ろ

しい病気があるのだ。

 次代へと命を繋いだもの、繋げずに落ちたもの、ススキの穂が揺

れる秋の季節に、昆虫たちの生き行く姿があった。

玄倉は 秋祭りの季節だ。

ススキの草むらに 虫たちの秋を探す。

ススキの茎に、ホシアワフキの2匹が 向き合っていた。

雌雄なのだろうか。

ルーペで見ると まるでセミそのものだ。

セスジツユムシが眠っていた。

みんなで覗き 起こしてしまった。 ごめんなさい!

「ヤマトシリアゲが!」 雌が食事中。

鋏を上げた雄のヤマトシリアゲ。

白きょう病菌に侵された ミンミンゼミ。

丹沢湖に入った神輿。

                         ・・・・・・やがて、西丹沢 玄倉の秋は深まって行く・・・・・・

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿