足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1223 ~ フサザクラの花が 春を告げる ~

2014年03月23日 | 植物

観 察 月 日  2014.3.19.曇 14℃

観 察 場 所  厚木市 弁天の森

 「不動尻は残雪が深く、野の草は雪の下でした」つい先日

Yさんから聞いた話だ。

 昨年の冬は、何度となくその方面の山も含めて歩いて見た

が、今年は何故か一度も入っていない。「今年の雪でフサザ

クラは花を開いたか。他の生き物はどうだろうか」急に歩いて

みたくなった。

 七沢温泉を過ぎ、広沢寺温泉の里山に入ると、梅の花が盛

りで、道端にはヨモギが緑濃く、ツルボも新芽を伸ばし、早春の

景色に溢れていた。

 鹿柵の戸を開け、今日は弁天の森へと向かうと、大窯弁財天

を過ぎた辺りから、山の谷筋には雪があり、林道の片隅にも枯

葉を巻き込んだ雪が残っている。

急な冬の気配に、それでも春を探そうと南面の斜面を見たが、

タチツボスミレの蕾をもたげた一株だけであった。

 ところが、枯葉色の山を背に、谷川から伸びあがって来た木々

が淡い紅色の霞を掛けている。花の色は葯の色で、葯は暗紅

色だが花糸の色が白色なので色を薄める役目をしているのだ

ろう。

 他の木々はまだ冬の眠りの最中だろうに、フサザクラの目覚

まし時計はベルではなく花を開いて、自然の生き物達に「春が来

た!」と呼びかけている様に見えた。

里山は ウメの花の盛りだ。

ツルボ が芽を出した。

ホトケノザが 春を歌う。 

弁天の森は向かう林道を行くと 道端に・・・

山の谷筋にも・・・

南面の斜面でやっと見つけた。

淡い紅色の霞が。    パイオニア植物だ。

短枝の先に 花が5~12個付ける。 去年の実が残って付いている。

花弁や蕚はない。垂れ下がった雄蕊は多数。葯は7㎜程で暗紅色、花糸は白色。

雌蕊は多数、柱頭は広がる。花粉の付いているのが見える。

鋭い爪跡が幹に付いているのがあった。付けたのは誰だ!