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宝探しのOL、厳寒のファーゴまでやってきて……「トレジャーハンター・クミコ」2014年制作 劇場未公開

2017-06-28 15:58:57 | 映画

               
 OLのクミコ(菊池凜子)は宝探しが趣味。海岸の洞窟で掘り出したものは、今はほとんど見かけないヴィデオ・テープだった。自宅のアパートで再生してみると経年の劣化と埃で画面がチラチラするばかり。取り出して息を吹きかけて埃飛ばしを何度かするうちに画面がなんとか安定する。

 ジョエル・コーエンの代表作の「FARGO」のタイトルに続いて「これは実話である」という字幕が出る。物語を追っていって終盤、札束の入った大きなカバンを雪の中に埋めるシーンがある。実話であると言う断りがあったことからクミコはカバンの存在を信じるようになる。

 クミコはいつも赤いコートと黒いスカートという出で立ちで恋人もいない。可愛がっているのはうさぎのブンゾーだけ。母親へも滅多に電話をしない。29歳のネクラなクミコには嫌味な上司がいて、ある日「女の子は25歳までに結婚するよ」と暗にクミコを責めるようなことを言い、さらにクミコの後釜に新しく採用した女性を紹介したりする。

 嫌気がさしたクミコは、無断で会社用のクレジットカードを持ってウサギのブンゾーを地下鉄の車内に放ち、涙の別れをして日本を飛び出して宝探しのノースダコタ州ファーゴへ。言葉の壁にぶち当たりながら「ファーゴに行きたいI want go to FARGO」を連発して、老齢の婦人の家に招かれるが夜中に窓から逃げ出したり、モーテルでは会社が手配してクレジットカードが使えなくなっていて花模様の毛布を重ね着してこっそり逃げ出す。

 あてどもなく歩き目撃した人からの通報で警官がやってくる。やってきた保安官代理(この映画を監督するデヴィッド・ゼルナー)のダウンジャケットとブーツを買ってくれた親切心に思わず唇にキスした。驚いた保安官代理、僕には妻と子供があるという困惑の表情。クミコはどう解釈したのか、突然走り出した。タクシーに乗ってまた「ファーゴに行きたい」クレジットカードは使えない。ここは乗り逃げしかない。雪原の奥深くに姿を消した。

 この映画のベースになったのは、ある日本人女性にまつわる都市伝説といわれる。「2001年、コニシタカコさんという東京在住の女性が、前述の映画の舞台の街、ノース・ダコタ州ファーゴから60キロ東に位置する地点で凍死しているのが発見された。
 この事件が都市伝説と化したきっかけは、事件関係者による証言。タカコさんの遺体が発見される6日前にタカコさんを保護したという地元警官が、タカコさんは映画『ファーゴ』の一場面にて同映画の主役が地面に埋めた、ブリーフケースいっぱいのお金を探していた、と証言したことから、このニュースは爆発的に広まった。

 が、実際はタカコさんの宝探しの物語は、のちに米国人ジャーナリストのポール・バークゼラー氏の調査によって真実でないことが明らかになった。その事件の真相は、仕事や、アメリカ人の既婚男性である恋人との破局に悩んだ末の自殺だったことが判明。タカコさんは、元恋人との思い出の場所であるミネソタ州を訪ねたのち、好きな映画だった『ファーゴ』の舞台であるノース・ダコタ州を訪れたのだという。タカコさんが自死の前日に元恋人にかけた40分の電話と、家族に送った遺書から明らかになった。(ウィキペディア)」

 映画は都市伝説の方を追う。クミコは札束の詰まったカバンを発見する。キレイに化粧をして唇に紅をさして今まで見せたことのない満面の笑みを浮かべる。そしてウサギのブンゾーを抱いて雪原の彼方へと去っていく
。多分、凍死寸前の心地よい満ち足りた気分の中で見た幻想をクミコへのはなむけとしたのだろう。
 
監督
デヴィッド・ゼルナー出自不詳

キャスト
菊池凜子1981年1月神奈川県生まれ。
うさぎのブンゾー日本生まれ。

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