「むさしのっ子」たちの日々徒然

むさしの幼稚園での出来事を気ままに紹介しているブログです。

エンゼルフーズさん訪問

2008年06月23日 | Weblog
 さて、どこか見覚えのある交差点!?ここは、平塚・湘南方面と、16号は横浜方面への分岐となる、かの有名な橋本五差路。6月のとある昼下がり、そこからほど近いところにある、エンゼルフーズさんの相模原工場を訪問してきました。

 今年度より園の給食をお願いしているエンゼルフーズグループは、東京・埼玉・神奈川・千葉 幼稚園給食1日5万食、幼稚園をメインとした学校給食ナンバー1の会社。本社は池袋。主な工場は池袋・横浜・相模原・さいたま市にありますが、むさしの幼稚園の給食は、この相模原工場で作られ、配送されてきます。子どもたちの食べている給食が、どのような場所で、どのような環境で、どのような方々の手で作られているのだろうと、私自身の目で確かめたく、少々意地悪ではありますが、突然アポなしにて、訪問してきました。

 幼稚園を出て、日中若干の混雑もありながら1時間弱にて相模原の工場へ到着。玄関へは、「安全管理のため外部者進入禁止」「営業禁止」の張り紙など。そこへ、何の約束もないまま、スーツ姿の私が「ピンポ~ン」と訪問してしまった訳です。
 「???」最初は、社員の皆様はてなマークでしたが、「え~っと、これこれこういう者ですが、子どもたちが食べている給食…見せていただきたく…」等と伝えると…、「え~っ、それはそれは\(゜ロ\)(/ロ゜)/!」と驚きの表情を隠せない様でしたが、笑顔にて快く工場長さんのもとへお招きいただき、施設見学をさせていただける事になりました(^_-)v

 すぐさま、白衣に着替え、キャップをかぶり、長靴を履き、まず通されたのが、エアシャワー室。厨房・盛付室に入る際、白衣などに付着した毛髪や異物を除去するための部屋。上からは何らかの光も照射もされていて、殺菌などもしていたのでしょうか?それは聞き忘れてしまいました(^^;

 早速、内部に入るや否や、「次は手を消毒してください。」と。そして、それに負けず劣らずの、興味津々の園長先生の質問攻め(笑) まず一つ目は、左の手洗い場でした。
 「何ですか?この長い取っ手は!?」コレは、最近の媒体となりやすい「手」そのもので蛇口を触らず、肘で操作できるよう工夫された取っ手なのだそうです。そして、見よう見まねで私も肘で動かしたところ、「ぶしゅ~っ!!!」ものすごい勢いで水が噴出すではありませんか!
 「なんですかこれは~(>_<)!!!」そう、口につけてあるノズルは節水のためのノズル。少量の水量でも勢いよく水が噴出すようになっているとのこと。これも節約のひとつだそうで、「なるほど~」と、感心させられる工夫だと思いました。
 【水に関して】…厨房では、強酸性水と強アルカリ性水という特殊な水を使用しています。一般的に使用している水道水を電気分解したもので、強酸性水は殺菌作用が非常に強いのですが、一般薬品のような残留性はありません。強アルカリ性水は洗浄作用や酸化防止作用に優れています。いずれも電気分解された後は、電位が放電され中性になるため、体内に入っても全く害はありません。

その後、アルコールで更なる消毒をした後、調理場へ潜入です!

さて、ちょっと駆け足で…

【写真-左上から2枚目】
 炊飯関係の機材です。右のタワーみたいなのが、お米を研ぐ機械。真ん中と左にあるのが、炊く機械です。
洗米から炊飯し上がるまで、一切お米には手を触れずに炊き上げることができるそうです。
【写真-中上から2枚目】
 自慢の品、水蒸気のみで煮炊きできる鍋だそうです。大きさ比較にと、掃除中の社員さんが照れながらモデルになってくれました。これが何台も並んでいました。水蒸気での調理は、直接火にかけるよりも、若干発色は悪くなりますが、水で煮たり焚いたりするのに比べ、栄養分の流失も防げ、部分的にムラの出てしまう火の通り具合や焦げも避けられ、また、なんと言っても、調理温度が通常より高い温度で行えるために、殺菌効果も上がるとのことでした。
 【写真-右上から2枚目】
 自動にて回転する炒め機だそうです。こちらも炒め物も欠かせない中、上下に回転することで、ムラなく焦がさず、炒めることができる、自慢の調理器具第2弾!とのことでした。

 次々と案内されていく中で、またもや私の目に留まったものは、青い蛍光灯。コンビニの軒下にもあったり、もちろんご存知の方も多いと思われますが、調理場の中にも数多く設置してありました。そこでも、ただ設置するだけでは、「バチン」と虫が飛んでしまうので、全ての機械は強力なテープで捕獲できるような作りになっているそうです。また、場内の虫を捕獲する目的ではありますが、少しでも屋外から見えてしまうと、屋外の虫まで呼び寄せてしまうので、設置する場所が大変難しく、その辺りの計算も重々に行った上、設置してあるとのことでした。

 さらに進んでいくと、今日の役目を終えた食器洗浄機の洗浄をしている場へ。(写真-中上から3枚目)機械の中には洗浄のための水が噴出するパイプが沢山あるそうですが、そのパイプ1本1本を取り外し、内部を洗浄する光景を拝見できました。

 また、各所に衛生管理のための張り紙なども。これは「手を洗う」事についての張り紙ですが、このように「基本的なところからの注意勧告や意識付け、とても大切な事なんだよなぁ~」と、あらためて寒心させられる面も随所に見受けられました。

 入荷してくる素材のスペースなども見せていただいたり、一連の案内をしていただきながら、あらためてもう一回り見渡してみて聞きたくなったことが・・・。

 「ここは、何年に開所したんですか?」
 「え~っと、2001年なので、7年以上経ちます。」

 そう、私がそれを聞こうとした理由は、天井や換気扇回り。そこが、とても綺麗なんです。飲食店や調理施設のココ、空気中を飛散する油や蒸気などが多々充満する場所なので止むを得ないところもあるのでしょうが、飛び込みで拝見させていただいたのもかかわらず、とても綺麗だと感じました。
 また、そこだけでなく、他の場所も。7年も経っていれば、色々モノは増えていきがちと感じてしまうのですが、調理器具や鍋、かご、床、机、全てにわたって整然としつつ綺麗な状態が見受けられました。

 そして、なんと言っても、見学中に出会う社員の方々、みな笑顔で気さくに「こんにちは~!」と、元気よく、どこの若僧かとも知らぬ私に挨拶をしてくれたんです!こんな環境で、子どもたちの食べる給食が作られているんだと思うと、何かとても安心させられる一面を感じることさえできました。

 最後に玄関先で見送ってくださった工場長の後ろには、沢山の幼稚園などから届いた感謝の作品が沢山!私は思いました。
 「このような子どもからのメッセージを見ながらですもの。きっと子どもたちのお弁当にも沢山の気持ちが込められているのだろうな」と(^_-)

 子どもたちにも、いつも言っている言葉なのですが、「≪生き物≫には命があり、≪物≫にも心があるんだよ」…そんな一端が、お弁当を作ってくださっている工場と、そこで働いている人々の姿を見て、私自身、そんな気持ちも膨らませる事ができました。

 見学をしながら、「量について」…以前は厚生省の指針である1,500kcalを3で割った500kcalで作っていた時期もあったそうです。ただ、現状を考えると、3食以外にも、おやつや間食を摂取する子もいたり、夕食が高カロリーに傾いている事、そして、どちらかというと摂取過多で、幼少期の肥満傾向も増えている現状など考えた上で、少々少なめの400kcalにての1食となっていること。

 「彩の良い生野菜」…仕出し形体での生ものは、いかなる媒体であってもその危険性の度合いが高まってしまう事、リスクとマネージメント、食育は幼稚園の給食だけではないはず。「温かいままの配送をあえて行わない」…細菌の繁殖に危険な温度、その温度での時間をなるべく減らすため、あえて冷却機を通してまで温度を下げて配送していること。などもお聞きできました。

 また、現代社会全般への主観ではありますが、様々な箇所において、「大人の観点から」捉えてしまうケースが往々にして存在している事を感じます。食に対する観点にしても、味付けや見た目の色合いなども。カラフルにしようとすれば、発色剤や着色料に頼ってしまったり。また、合成調味料や味付けを濃くすれば大人にとっては美味しいと感じ易くなり得ます。味覚が未完成で、逆に言えば敏感であり純粋な子どもは、時に味など何もないようにさえ思う「水」や「白米」を、好きなものの例としてあげたりすることもあるように、素材に秘められたそのものの味を感じ取る本能が大人より鈍っていません。味覚音痴にならないためには、過度の視覚や味覚への飾りは、避けるべき事なのかもしれないと、あらためて自分の中でも考えさせられるべき点がありました。

 さて、「突撃となりの晩御飯!」…ではありませんが、正直、決算や都庁や市町村への数々の調査書、事業の報告、説明会、研修会などと、新年度が始まるや否や、次々と襲い掛かってくる日常の合間の時間を割いてまでなかなか迫られた業務外のことで実現しにくい部分ではありましたが、先日頂いた数々の声、そして、私自身の疑問などもあったため、自ら今回の訪問を試みたわけですが、「工場まで行ったの?物好きだねぇ~」と、言われようが!あらためて、今回、自分の目を通して見たり聞いたり確認できた事は、とても貴重な時間だった事と感じることができた訪問となりました。
 希望があれば、教員のみならず、保護者の皆様とも、「工場見学」なんていうツアーでも組んだら面白いだろうなと、思いました(笑)



【資料】

エンゼルフーズグループ
http://www.angel-foods.com/

エンゼルブログ
http://angelfoods.exblog.jp/
毎日のお弁当メニューや、一口コメントなど

キッズページ
http://www.angel-foods.com/hiroba/kids.html
子供向け食育関連のサイト

【雑誌】
先見経済(2006年6月号)株式会社清話コミュニケーションズ
先見経済(2006年7月号)
先見経済(2006年10月号)
経営者会報(2007年 臨時増刊号)日本実業出版社

【叙勲・褒章】
1998年 経営改善賞 農林水産省
2004年 社会文化功労賞 日本文化振興会
2005年 先見社会貢献賞 清話会

【講演歴】
2002年 フードケイタリングシンポジウム 東京ビッグサイト
「これからの食事サービスの対応」
2005年 先見社会貢献賞受賞 受賞記念講演 清話会
「理想の幼稚園給食は熱い人づくりから始まった」
2008年 中小企業の理論と実践コラボレーション・セミナー 東京商工会議所
「幹部を鍛え、強い会社に変革するカリスマ経営法の極意とは」
他多数

【書籍】
「子どもを元気にする おべんとうのおかず」  朝日新聞出版

平成20年4月4日発売開始

ついに出た!幼稚園児のお母さん必見!幼稚園給食のプロが書いた一冊!
おべんとうの本というと、料理研究家の皆様が数多くの本を出版しているが、この本は巷に出回っている料理研究家の人たちが出している本とは訳が違う。首都圏において、毎日、5万名の幼稚園児に給食としておべんとうを提供している、日本一の幼稚園給食企業の社長が書いた本である。幼稚園児のおべんとう作りのプロが書いた本なので、幼稚園児を持つお母さんたちにとっては、まさに「目から鱗」である。
例えば、「いたまない工夫」。一般的には、いたみ易い食材は使用しないでおかずを工夫するところだが、そこは、おべんとうのプロならではのテクニックがある。「ふりかけ」も、子どものおべんとう作りには欠かせないものだが、この本では、家庭で簡単に出来るプロのテクニックが紹介されている。更に、カレーやシチューなどのおべんとうの工夫や「常備菜」の作り方。「薬膳」や「アレルギー対応」まで、この本一冊あれば、おべんとう作りには困らなくなること間違いなしである。

【コラム執筆】
「月刊朝礼」  コミニケ出版