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イラストで見るミュージカル劇の殺人方法

2017-09-29 00:03:35 | Musicals トリビア
昨年(2016)の4月のPlaybill.comの記事なんですが、殺人が登場する10のミュージカルにおける殺人方法を、イラストで紹介しています。(写真は、記事からのものです。)

この記事がアップされた時は、見逃していて、最近になって見つけて読んでみたら、なかなか面白かったので、ご紹介しますね~。 Playbill.comの記事は、こちらからどうぞ。内容は、以下の通りです。


噂によれば、ジェラルド・ショーンフェルド劇場で上演された「American Psycho」のベンジャミン・ウォーカーが、最も多く人を殺したようですが、グレート・ホワイト・ウェイを血まみれにした最初の殺人鬼というわけではありません。女性権力者から刃物を持つ男まで、ニューヨークのステージでは、様々な凶行を見ることができます。以下は、いくつかの殺人ミュージカルに見られる殺人方法です。


「Marie Christine」1999年ブロードウェイ
脚本・作詞作曲のマイケル・ジョン・ラチーサ氏は、さげすむべき女性、マリー・クリスティーンを、世紀末のニューオーリンズのヴードゥーの世界を舞台に描きました。恐怖を麻痺させる呪文やライバルを焼き殺す呪われた贈り物を武器に、マリー・クリスティーンは、行く先々で人を殺します。全ての被害者を直接殺したわけではありませんが、魔法をかけて、他の人間に殺させたりして、間違いなくミュージカルの中の全ての殺人にかかわっています。彼女が殺した数は、ブロードウェイに登場する他の悪名高い殺戮者よりも少ないかも知れませんが、最も邪悪だと言えるでしょう。理由は、彼女の子供達が知っています。

イラスト:「Marie Christine」の殺害方法
リゼット:恐怖を麻痺させる呪文  パリス:刺し殺した。
父親:娘に殺された。  ヘレナ:焼き殺された。
子供達:母親に殺された。


「Carrie」1988年ブロードウェイ
ホラーの第一人者、スティーブン・キング氏の描いたこの大量殺人は、ボックスオフィスでは大量というわけにはいきませんでした。キャリーの悪名は、被害者の数ではなく、ブロードウェイ・ミュージカル史上、最も上演期間の短い作品だったことによるものです。念動力を持つ少女が、プロム会場のドアを開かないようにして会場に火を放ち、出席者全員を殺害します。その原因は、彼らが、少女の新品のドレスにブタの血を少しかけたから・・・です。1988年のオリジナル公演は、16回のプレビュー公演のあと、5回上演されて終わりました。そして、2012年にオフ・ブロードウェイで息を吹き返したキャリーは、彼女の母親に刺し殺されてすぐに終わってしまいました。(プレビュー:34回、本公演:46回)

イラスト:「Carrie」の殺害方法
マーガレット:心臓を止める。  キャリー:刺される。
学校の全員(スーを除く):キャリーに殺される。


「Little Shop of Horrors」1982年オフ・ブロードウェイ
アラン・メンケン氏とハワード・アシュマン氏作のこのドゥーワップ・コメディに登場するのは、人食い宇宙植物を育てているオタクな花屋のシーモアです。確かに、最初の死は、ブロードウェイのお気に入りのサディスティックな歯医者が、笑気ガスを吸い過ぎて死ぬという事故でしたが、シーモアは、彼を止めることができませんでした。これも殺人なのでしょうか?シーモアは、彼の血に飢えた植物に、歯医者を食べさせてしまうのですから、たぶん・・・?シーモアが、彼の上司のマシュニクを殺したトリックは、間違いなく立派な殺人と言えるでしょう。たとえ、彼がいくらかの自責の念を見せていたとしても、人食いオードリーⅡの魔手から、彼とオードリーを救い出すのに充分とは言えません。最後の犠牲者達を平らげ、オードリーⅡは、家ほどの大きさになり、ラストでは、観客までもむさぼり食おうとしていることをほのめかします。

イラスト:「Little Shop of Horrors」の殺害方法
オリン・シュライヴェロ歯科医師:亜酸化窒素  
マシュニク:植物に食われる。  オードリー:植物に食われる。
シーモア:植物に食われる。  観客全員:植物に食われる。


「Sweeney Todd」1979年ブロードウェイ
ソンドハイム氏は、ビクトリア朝時代の三文小説を基に、彼の「フリート街の悪魔の理髪師」を創作しました。15年間追放された後、スウィーニー・トッドは、彼を追放に追いやったいかがわしい判事に復讐するために、ロンドンに戻ってかつての仕事につきました。「友人達」のちょっとした助けを得て、スウィーニーは、客の喉を切り裂きます。共犯者のラヴェット夫人は、被害者の肉を使ってミートパイを焼き、それが評判を呼びます。悪人は、罰を逃れられません。最後には、全員が立て続けに報いを受け、カミソリの餌食となります。

イラスト:「Sweeney Todd」の殺害方法
鳥:首をねじられる。  アドルフォ・ピレリ:喉を切り裂かれる。
ビードル・バムフォード:喉を切り裂かれる。  ジョナス・フォグ:撃たれる。
乞食女:喉を切り裂かれる。  ターピン判事:喉を切り裂かれる。
ラヴェット夫人:オーブンに押し込まれる。 スウィーニー・トッド:喉を切り裂かれる。
スウィーニー・トッドの理髪店の客:喉を切り裂かれ、パイにされる。


「Eating Raoul」1992年オフ・ブロードウェイ
ポール・バーテル氏が、1982年に自分が作ったカルト・ムービーを、映画公開から10年を経て、不運な名ばかりの役にエイドリアン・ズメッド氏を迎えて、オフ・ブロードウェイ・ミュージカルとして上演しました。レストランを開こうと野心を燃やすブランド夫妻が、資金を集めるために、風来坊をフライパンで殴り殺して金を盗むというストーリーで、物語は、女が、夫と愛人のどっちを最後の一撃(「One Last Bop」)で殺すか決めるというところで終わります。(また犠牲者をドッグフードの缶詰めにするというのは、スウィーニーへのヒントなのでしょうか?)

イラスト:「Eating Raoul」の殺害方法
ハワード:フライパンで殴られる。  ボビー:フライパンで殴られる。
バスケットボール選手:フライパンで殴られる。  
太った食いしん坊:フライパンで殴られる。
ニワトリ男:フライパンで殴られる。  ジンジャー:フライパンで殴られる。
ラウル:フライパンで殴られ、シチューにされる。
その他大勢:フライパンで殴られ、ドッグフードにされる。


「Jekyll & Hyde」1997年ブロードウェイ
ジキルは、魅力的な医師で、ハイドは、糸のような髪の狂人です。もちろん彼らは、ロバート・ルイス・スティーヴンソン氏作の名作に登場する人物の善良な人格と邪悪な人格で、フランク・ワイルドホーン氏によって叙情的な命を吹き込まれました。父親の精神病を治そうと励むうちに、ジキル博士の心から邪悪な部分が分離し、邪悪な分身であるハイド氏が誕生します。仕込み杖(杖のように見えるが、中に剣が隠されている)を武器に、ジキルの研究費集めの邪魔をする存在に復讐していきます。プラスその他数名にも。最後には、ジキルは、自ら命を絶つことを決め、彼自身の結婚式の日に、自分と共にハイドを葬ります。タイトル・ロールを演じた有名俳優には、デヴィッド・ハッセルホフさん、ジャック・ワグナーさん、セバスチャン・バッハさん、コンスタンティン・マローリスさん等がいます。

イラスト:「Jekyll & Hyde」の殺害方法
ベイシングストークの司祭:殴られ、刺され、焼かれる。
グロソップ卿:仕込み杖で首を刺される。
レディ・ビーコンスフィールド:首を絞められ、折られる。
サベージ卿:首を折られる。  サー・アーチボルド・プループス:腹を刺される。
ルーシー:首を切り裂かれる。(ナイフで)  
サイモン・ストライド:杖で首を折られる。
ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド:剣の上に倒れる。


「Into the Woods」1987年ブロードウェイ
ソンドハイム氏(作詞作曲)とラパイン氏(脚本)は、「Into the Woods」に、本来の童話が持つ暴力性を取り入れるのを避けようとはしませんでした。作品に登場するパン屋とその妻は、隣人の魔女によってかけられた不妊の呪いを解こうとしていました。呪いを解くためには、森深く入って、薬の材料を集めなければなりません。その途中で、それぞれに各自の冒険をしているシンデレラや赤ずきん、ジャックに出会います。この物語で、誰か1人だけを悪人として挙げるのは難しいですが、いくつかの殺人が登場します。王子の家来がジャックの母親を殴り殺し、巨人女が王女を踏み殺し、パン屋が狼の腹を切り裂きます。実際のところ、責められるべき悪役はいないと言っていいでしょう。結局、「完全に黒いものも、完全に白いものもない」のですから。注目すべきは、魔女は、誰も殺さないというところでしょう。

イラスト:「Into the Woods」の殺害方法
狼:腹を裂かれる。  巨人:豆の木から落ちる。
ナレーター:巨人女に投げ落とされる。  ジャックの母親:棒で殴られる。
ラプンツェル:踏み殺される。  パン屋の妻:木の下敷きになる。
お婆さん:いなくなる。  巨人女:棒で殴られる。


「A Gentleman’s Guide to Love and Murder」2013年ブロードウェイ
タイトルにある通りです。母親の死後、哀れなモンティ・ナバロは、彼女が裕福なダイスクイス家の一員で、彼自身も、爵位継承の9番目であることを知ります。モンティ・ナバロが、第9代ハイハースト伯爵モンテギュー・ダイスクイス・ナバロ卿の地位を得るために一族を次々と殺していく中、観客は、2つのラブストーリーと8つの殺人を目撃することになります。モンティは、ブロードウェイ・ミュージカルの殺害方法としては・・・創造的な・・・いくつかの方法、ハチを使った大虐殺とバーベルを武器にします。また彼は、2人の恋人のおかげで、全ての罪を不問に付される数少ない殺人者の1人でもあります。

イラスト:「A Gentleman’s Guide to Love and Murder」の殺害方法
ロード・エゼキエル・ダイスクイス牧師:鐘楼から落ちる。
アスキス・ダイスクイス・ジュニアとフロロドーラ・ガール:氷の穴に落ちる。
ヘンリー・ダイスクイス:ハチ  レディ・ヒアシンス・ダイスクイス:溺れる。
ロード・バーソロミュー・ダイスクイス少佐:バーベルで首を切られる。
レディ・サロメ・ダイスクイス・パンフリー:頭を撃たれる。
ロード・亜ダルバート:毒殺  ヂョーンシー:毒殺


「Chicago」1975年ブロードウェイ
ジョン・カンダー氏とフレッド・エブ氏のミュージカルは、ロキシー・ハートが、華々しく彼女の愛人を撃つところから始まり(理由は、男が彼女のことを捨てようとしたから)、彼女は、クック郡刑務所に送られます。そこで彼女が出会ったのは、独房に収監されている、夫と妹を殺したヴェルマ・ケリーと5人の陽気な女殺人者達でした。どちらがより注目を集めるかを争う2人でしたが、2人よりも注目を集める殺人者が現れ、結局、ロキシーとヴェルマは手を組み、自分達のスキャンダルを、「殺人を切り抜けよう、浮かれ騒ぎながら」とばかりに、ヴォードヴィルのショーに仕立てるのでした。

イラスト:「Chicago」の殺害方法
チャーリーとヴェロニカ:ヴェルマは、「何があったか思い出せない。」
アルヴィン・リプシッツ:芸術的な相違  バーニー:撃たれる。
エゼキエル・ヤング:ヒ素  ウィルバー:刺される。
ハニャックの夫:首を切られる。  フレッド・ケイスリー:撃たれる。
ハリーと2人の女:撃たれる。


「Heathers」2014年オフ・ブロードウェイ
これも、カルト映画を基にした殺人ミュージカルで、2014年にオフ・ブロードウェイで上演されました。学校を牛耳るヘザーズ・グループにこき使われるヴェロニカを、バレット・ウィルバート・ウィードさんが演じました。ヴェロニカが、暗くて危険な転校生のJ.D.と出会い、彼らの生活をめちゃめちゃにするかっこいい連中を皆殺しにしてやろうと企みます。ミュージカルも、映画と同じ筋書きで進み、十代の自殺を装った、配水管洗浄剤カクテル、銃撃による二重殺人、大きな爆弾といった皆さんお気に入りの殺人シーンも同様です。映画ファンは、キャストレコーディングになじみがないでしょうが、「I love my dead gay son!」というナンバーが、実際に作られたんです。

イラスト:「Heathers」の殺害方法
ヘザー・チャンドラー:配水管洗浄剤  カート:撃たれる。
ラム:撃たれる。  J.D.:爆破される。


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