ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

41巻-392話 デレシ (ロビンの過去-2)

2016年08月02日 | エニエス・ロビー編




ロビンは、オハラ図書館館長で考古学の権威、クローバー博士から、"学者の証"を授かった。








同時に、ロビンは学者として、考古学がなんたるかを叩きこまれた。
クローバー博士は、僅か8歳の新人考古学者に向って力説する。
「『知識』とは!!!すなわち『過去』である!!!
樹齢5000年、この「全治の樹」に永きに渡り、世界中から運び込まれた膨大な量の文献の数々!!
これらは我々、全人類にとってかけがえのない財産である!!!
世界最大最古の「知識」を誇る図書館、この「全知の樹」の下にあらゆる海から名乗りをあげて集まった、優秀な考古学者達!!我々がこの書物を使うことで、解き明かせん歴史の謎など、ありはしないのだ!!」





そう言って、小さな考古学者の頭を優しくなでて言った。
「よいな、この程の土地で考古学を学べる幸せを誇りに思い、この先もあらゆる文化の研究で世界に対し、貢献することを期待している。」

ロビンはその期待に対して、笑顔で志を述べた。
「博士!私は"空白の歴史"の謎を解き明かしたいの!!"歴史の本文(ポーネグリフ)を研究すれば、空白の100年に何が起こったかわかるんでしょ?」

博士は、その無邪気な言葉に、後ろの壁に激突するほどの勢いでびっくりして後ずさった。
「ぬおーーーー!!!!お前、なぜそんな事まで!!!"歴史の本文(ポールグリフ)を解読しようとする行為は犯罪だと承知のハズだぞっ!!!」

しかし、天才少女に大人達の立ち前は通用しなかった。
「だけど!みんな夜遅くに地下室で、"歴史の本文(ポーネグリフ)を研究してるじゃないっ!!!」
ロビンは、自身の持つ悪魔の実の能力を駆使して、地下室を覗き見ていたのである。
「だから・・・ちゃんと考古学者になれたら、みんなの研究の仲間に入れて貰えると思って、私、頑張ったのに!!!」




その一途な思いと努力に、学者達は黙り込んだ。
だけど、いくら不憫であったとしても、理不尽であったとしても、小さなロビンを危険に巻き込むことは、大人として決してできる事ではなかった。
それに・・・差し迫る不安もある。

クローバー博士が、辛い役を買って出た。
「確かに・・・学者と呼ばれる知識をお前は身につけたが・・・・・ロビン!お前はまだ子供だ!!!!我々とて、命掛けでやっている事なのだ・・・800年前、これが世界の"法"となってから、現実に命を落とした学者達は星の数ほどおる・・・・!
いい機会だ、教えておくが・・・・歴史上、古代文字の解読にこぎつけたのは唯一ここ「オハラ」だけだ。
踏み込むところまで踏みこんだ我々は、もう戻れない。
「全智の樹」に誓え・・!!!!今度地下室に近づいたら、お前の研究所と図書館への出入りを禁ずる!!!!いいな!!!!」



ロビンは、ショックで図書館を走って後にした。
博士達も、自分が言っていることがどんなに理不尽で、辛いことかはわかっていた。
それでも、心を鬼にしてでも、小さなロビンは守らねばならない立場でもあった。
だが、今の今までロビンが秘かにしていた”勉強”に気付かなかったことは、ロビンのその後の人生を過酷極まりないものにした。

ロビンのいなくなった研究所では、ロビンが、無意識に母親であるオルビアの影を追っていることに気付いていた。
クローバー博士は、重く暗い顔で言った。
「先日の事件を・・・あの子は知らない。ロビンの母オルビアはもう捕まった、運命はもう見えておる・・・・。」







その言葉通り、ロビンの運命の針は、刻一刻と運命の日に向けて動いていた。





翌日、一人で海岸を歩いていたロビンは、波打ち際に大きな人が倒れているのを見つけて近寄った。
その大きな人は生きていて、自分を脅したが、ロビンはまったく動じることがなかった。








ロビンは、その巨大な漂流者に水のみ場を案内し、二人は次第に仲良くなったいった。
巨人の男は、巨人といっても自分は「エルバフ」の巨人族のような野蛮な一族ではなく、穏やかな一族出身だと説明したが、ロビンはその話に興味なく「ふうん」と言うだけだった。

巨人は、少女に自分の事を親や大人には黙っていてくれと頼んだ、が、子供がそんな事は出来ないだろうと半ば諦めていた。
だけどロビンは「わかった、言わないよ。だって私、あなたにそんなに興味ないもん」と表情一つ変えずに言った。

そのロビンの言葉と態度に、また、自分の心配がバカらしくなって、巨人は思いっきり吹き出して笑った。
「ぷーーーっデレシ!!!デレシシシ!!!デレシ!!!」




ロビンも、巨人の笑い方が可笑しくて「ふふっ、あはははは変な笑い方っ」と笑った。




そのロビンの笑顔を見て、巨人はもっと笑った。
一通り笑ってから、サウロは「おめぇ、笑うとかわいいねェか、もっと笑った方がええど」と言って、また笑った。

それから巨人の男は、この小さな友に自分の名前を告げた。
「ワシはサウロという名だ!ハグワール・D・サウロだ」ロビンは名前についている「D」が気になって聞き返したが、サウロ自身も、ただサウロの家系はみんなくっついているというだけで、深い事は何も知らなかった。




巨人漂流から4日目。
ロビンは、世話になっている叔母さんが怒ることも厭わず、叔母さんの家からサウロの為にパンなどの食料を盗んできたりと、一日中サウロの元に居るようになっていた。

親が心配するだろう、というサウロに対して、ロビンは淡々と自分の身の上を話した。
親は、自分が小さい頃に仕事で海に出たきり戻ってこなくて、顔も覚えていないこと。
考古学者のみんなは好きだけど、子供の自分を研究にまぜてくれなくて、仲間はずれになっていること。
町の子供達は、自分の悪魔の実の能力を気味悪がって近づかないこと。


ロビンは、サウロの前で「手」をたくさん出して見せたが「ああ、能力者だったのか」と言うだけで驚きもせず、「ワシはグランドラインにおった事があるで、すげェ能力者いっぱい見たでよ、便利そうだなー」と言って笑ったので、ロビンもつられて「やっぱり変な笑い方」と言って笑った。

サウロはロビンに、「変でも何でも笑ってると幸せになれんだでよ!」と教えた。
「どうして?」と聞くロビンに「どうしてって、楽しかったら笑うでよ。という事は笑ってたら楽しくなってくるわけだで。
お前、チビのくせに色々苦しそうだで、笑ったらええでよ!苦しいときは笑ったらええ」
と笑いながら教えてくれた。

それからロビンは、笑い方の練習をした。サウロ直伝の「デレシ!!!」という笑い方。
ロビンが笑うと、サウロは「うめーうめー」と言って涙を流してデレシシシシシ!!!!と笑うのだった。




そんな二人に、危険が迫っていた。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿