ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

291話 ここにいる   (カルガラとノーランドの物語-5)

2016年04月21日 | 空島編






ノーランドは出発の前日、ある日を境に姿を現さなくなったカルガラに呼びかけた。
「いるんだろう?カルガラ!!!理由を言ってくれ!!何に怒っているのか話してくれ!!!」

だが、カルガラは何も答えず、ノーランドに向けて弓を引き、弓はノーランドを僅かに外した。
カルガラは、ノーランド達を殺したい気持ちを抑えることが、精一杯だったのだ。



語られなかった理由をノーランド達に伝えたのは、カルガラの娘ムースだった。
ムースは、ノーランド達が村の人達に何の断わりもなく伐採した森の木が、"身縒木(みよりぎ)"と言って、鐘の実に導かれて帰ってきた先祖の魂が、その身を宿す神聖な木々であること、シャンドラの時代からずっと、この島の人々が命と同等のものとして大事に守り、引き継がれてきた、本当に大切な木々であったことを説明した。

先祖の魂の木を奪われた村人達が、殺したい程の憎しみと、命を救われた恩義の間で、ぶつけようのない怒りに身を焦がしている辛さを伝えた。



ムースは、逆にノーランド達が木を伐採した理由を、ノーランドの部下から聞いた。
「樹熱」の本当の怖ろしさは、その病が植物にも感染し、感染拡大したが最後、そこに住む全ての生き物を呑み込んで、やがて島そのものを滅亡させていくことにある。ノーランド達は、それを食い止めるために、樹熱に犯された木々を伐採していたのだった。


ムースは、この”真実”をカルガラや村の人達に伝えた。
真実を知ったカルガラや村人達は驚き、そして悔いた。
彼らは、神や仏が嫌いなわけではない。ただ”一番大切なもの”を知っているのだ。
彼らはいつでも、村人の事を思い、そして守ってくれていたのに、自分達は彼らを信じきることが出来なかった。




カルガラは走った。出航するノーランドを追って走った。
だが、ノーランド達は一言の言い訳もせずに、全ての黄金を島に残して、ジャヤの地を静かに離れていた。

どう言い訳しようとも、大切にしてきた先祖の身縒木を倒した罪は消えない。村人達の心を深く傷つけたことは事実であるのだから、言い訳のしようがないとノーランド達は考えていた。


傷心で島を離れたノーランド達の耳に、鐘の音が届いた。
村人達が、ノーランド達に届けたい”言葉”を鐘の音に乗せて鳴り響かせたのだ。
届け!届け!友に、恩人に想いよ届け!!!!





カルガラは、海岸でノーランド達の船に向かって張り裂けんばかりの大声で叫んだ。
「ノーランドォー!!!また来いっ!!!この地でおれはお前を待っている!!!
また来る日のお前の船が、海で迷わないように!!!嵐の中でもこの島を見失わないように!!!
おれ達はここにいると、鐘を鳴らして君を待つ!!!!親友よ!!!!!」



ノーランドも叫んだ。
「またいつの日か、必ず会おう、親友よ!!!!!」












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