ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

78話 ベルメールさん  (アーロンパーク-10)

2015年09月18日 | 東の海編
(1)東の海編--→⑥アーロンパーク--→[ベルメールさんの記憶.2]







突如現れたグランドラインから来た海賊”アーロン一味”は、種族差別主義を掲げ、逆らった人間を容赦なく殺戮する魚人の海賊団だった。
「ココヤシ村」を拠点として、将来「アーロン帝国」を築いて「東の海」を支配すると言う。
ココヤシ村へのアーロンの支配条件は、≪大人一匹10万ベリー、子供一匹5万ベリーを毎月奉貢すること、支払えない奴のみを殺す≫というものだった。




ココヤシ村以外の周辺の村は、一人でも奉貢を支払えない者がいれば、村を全滅させるという、より厳しい支配を受けた。
その無茶苦茶で理不尽な条件も、無条件でのまねば殺されるだけのこと、魚人の前に人間はなす術も、選択肢もなかった。
金で事足りるなら安いと思える程、アーロンは逆らった村々を次々に壊滅、人々を惨殺していた。


ココヤシ村の人達は、村はずれの山中にあるベルメールの家が見つからずに、このまま魚人達が帰ってくれることを祈った。
食うにも困る程貧しいベルメールに、毎月3人分20万ベリーが支払えるとは到底思えないからだ。魚人達が村を回って引き返そうとしたとき、ベルメールの家から煙が立ち上った。

ベルメールが、今日は特別だからと、ナミと仲直りのご馳走を料理し始めたのだ。
鶏肉のオーブン焼きにベルメール特製みかんソースをかけて、シチューにオムライス。家計に大打撃だけど、打撃ついでにあの二人にお酒を飲ませてやるか、ととっておきのお酒を開けてナミとノジコの帰りを待っていた。
ベルメールは村で起こっていることを、まだ知らない。そして、ノジコとナミはアーロンの出した条件をしらない。


ゲンゾウは、ベルメールの元に向かったナミとノジコを魚人に見つかる前に捕まえて足止めするよう、親友である村のドクターに頼んだ。なんとしてでも、この村から犠牲者を出さずに済ましたい。なんとしてでも、子供達を生かしたい。

ベルメールの家の裏で、ドクターはナミとノジコを捉まえて説得した。 「わかるな、ノジコ、ナミ。ベルメールとお前達には親子である証拠がない。お前達の存在が気付かれぬうちに島を出て、どこか遠くへ逃げるんじゃ。」

「私やだ!!私この島に住んでいたいよ・・、貧乏だから?もうベルメールさんの子でいちゃダメなの!?」と泣くナミに、ドクターは歯を食いしばって言葉を続けた。
「家族の縁か命か!!"こんな時代"に甘えは無用じゃ!!」




ノジコは、僅か3才で戦場を生き抜き、残酷な世界を目に焼き付けて生き延びた子供だ。
ドクターの提案が、唯一ベルメールさんの命を救うことが出来る案だと悟ると、ナミを連れて村を出る決心をした。だが、幼いナミはベルメールさんと離れることに納得できなかった。


子供達の事をドクターに託したゲンゾウは、ベルメールの家へと急いだが間に合わなかった。
ベルメールは元海軍だ。アーロンの奇襲に対抗したが、銃すら効かないその圧倒的な力差の前にベルメールの腕の骨は砕け散った。
ベルメールは腕を潰されながらも、ナミとノジコを心配した。




ゲンゾウは叫んだ。
「つまらん正義感で命を無駄にするな!!!意義のない戦いもある!!!さぁベルメール、さっさと"一人分"払ってしまいなさい。」

ベルメールは、ゲンゾウが何を伝えたいのかはわかっていた、その上でアーロンに言った。
「子供二人で10万ベリー、これで助けてもらえるのね。それは私の娘達の分。私の分は足りないわ。」




「ゲンさんごめんなさい・・・私家族がいないなんて言えないや。たとえ命を落としても・・・・!!口先だけでも親になりたい。あいつら・・・私の子でしょ?」





家の裏で息をひそめてそのやり取りを聞いていたノジコとナミは、はじかれたようにベルメールの元に駆け寄った。
ナミは、今日ベルメールさんに言ってしまったひどい事を嘘だと伝えてなければ、と必死だった。




駆け寄ってきた二人を、ベルメールはしっかりと抱きしめた。
片方の腕は骨が砕けていたが、最後の気力で二人を両手でしっかと抱きしめた。
「もっといろいろ・・本でも!!洋服でも!!いっぱい買ってあげたかった・・・!!ごめんね・・・!!私・・母親らしいこと何もしてあげられなかったね・・」





ノジコは涙をボロボロ流して「そんなことない!!!何もいらないから死なないで!!!ずっと私達と一緒にいて!!!」と叫び、ナミは「私が世界地図描いたら、見てくれなきゃやだよ!!?死んじゃやだ!!!」と叫んだ。
二人はベルメールさんを失いたくなくて、必死だった。




ベルメールさんを失くす恐怖にナミは怯えて、「誰か助けてェ!!!」と助けを呼んだ。
ナミの叫び声に、ゲンゾウは魚人相手に銃をぬいた。
魚人に銃がきくはずもないことはわかっていた。ゲンゾウは魚人に無残に体中を切り裂かれ、全身から血を噴いて地面に倒れた。

村人達が無理を承知で武器を手に、次々とベルメールを助けようとするも、皆、血を流して倒れていくばかりだった。

幼いナミは、その残酷な光景に愕然とした。
自分が助けを呼んだばかりに、大勢の大切な人達が倒れていく・・・。


そんな惨劇の中、アーロンはベルメールの額に銃をつけて、引き金をひいた。
「くだらねェ愛に死ね」


ベルメールは死を恐れることなく、凛と胸を張り、銃声が鳴り響くより一瞬早く最後の言葉を娘達に伝えた。
「ノジコ!!ナミ!! 大好き」




それがノジコとナミの育ての母、ベルメールさんの最期だった。









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