まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【進撃の巨人】【カラダ探】【東京喰種】

進撃の巨人 17巻 68話-2 「壁の王---私はヒストリア・レイス」

2016年10月13日 | 進撃の巨人
壁上固定砲弾は、ひっきりなしに砲撃を続けていた。
とうとう巨人が壁の直下に到着し、真上からそのうなじを狙える角度になった!と思った時、風向きがかわった。
巨人の発する熱風がまともに壁上をなぞり、その高熱の煙に兵士達はなすすべがなくなってしまった。


次の瞬間、オルブド区の子供達は、生まれて初めて巨人の姿を見る。
それはエレン達がかつて見た衝撃をはるかに越える大きさ、おぞましさ、そして絶望だった。




人々は、そこでようやく事態の深刻さを知り、我先にと逃げ惑い、パニックとなった。
あの日の光景を、その恐怖をエレン達は忘れることはない。
今、逃げ出さずに巨人と戦っているのは、あの日の記憶があるからだろう。

だから、自分達が食い止めるのだ。
「終わりだ・・・」自分達の無力さで、自分達の家族や街を守れなかったことに絶望する駐屯兵長にリヴァイが声をかけた。
「下がってろ、駐屯兵団。あとは俺達が引き受ける」



そう、あの日とは違う。
無力に打ちひしがれていたあの日から、今は武器も知恵も仲間もいる。

まぶしい閃光が空を切裂いた次の瞬間、子供達はあの日と違って、もう一体の巨人を目にした。
「!?あれは・・・巨人?」
それはエレンの巨人だった。



アルミンが叫ぶ。 「いつでも行けます!!」
調査兵団はすでに全員戦闘態勢に入っていた。
エルヴィン団長が合図の銃を撃った。 「今だ!!!戦闘開始!!!」

作戦はこうだ。

その1、砲撃が効果ない時、巨人は壁を越える為に立ち上がってくるはず。
あの巨体を支えて立ち上がるためには、壁にかけた手に体重がのる、その手を爆撃して巨人の体制を崩す。




その2、次に巨人化したエレンが、爆弾の詰め合わせプレゼントを巨人の口めがけて放り込み、うなじごと中から吹き飛ばす。
ただしこの時、巨人があんぐりと都合よく、大きく口を開けてくれていることがこの作戦の賭けであった。
口を閉じていたなら、爆弾は放り込めない。



賭けは当たった。巨人はその自重ゆえ、顔を大地で削りながら進んでいた為、閉じるための口がなくなっていた。
エレンは、そのぽっかりと開ききった口に、皆で丁寧に包んだ爆薬を放り込むと、目標は自分の熱で爆薬を爆破させ、大気を揺さぶりながら上半身を木っ端微塵に粉砕させた。



だがこれでは巨人は倒れない。
エルヴィンは「総員!!!立体軌道でトドメを刺せ!!!」と叫ぶと、リヴァイを先頭にその熱気の中に飛び出して行った。

その3、どんな巨体であれ、本体は縦1メートル幅10センチの大きさでしかなく、それを確実に切裂かねばまた再生し高熱の盾を生み出す。チャンスは再生までの僅かな時間のみ。
爆破によって宙を舞う高熱の肉片を利用し、別の肉片を避けながら、この大量に粉砕した肉片の中から”うなじであったはずの肉片”を探し出して"本体のロット・レイス"を斬ることが、この作戦の一番肝心な部分だった。

空中で肉片を探す兵士達の中にヒストリアの姿があった。
(団長、わがままを言って申し訳ありません。でも私、これが初めてなんです、親に逆らったの・・・。
私が始めた親子喧嘩なんです)




ヒストリアがある肉片を斬った時、彼女の脳に別の誰かの記憶がなだれこんできた。
それは黒髪の少年で、檻に入れられた少年は父親に歯向かって叫んでいた。
「話を聞いてよ父さん!巨人を一匹残らず殺せばいいんだよ!!なんでわかってくれないんだ!!?」

次の記憶は、その少年と金髪の少年との会話だった。
金髪の少年は「僕ならきっと大丈夫だよ、兄さん」と、黒髪の少年に笑いかけていた。

次の記憶は、姉さんが「私に任せて、父さん。先祖の亡霊なんかに負けないから」と話しかける記憶。

それから、父さんが若かりし頃の母に「君だけだ、わかってくれるのは・・」とすがって泣いている記憶。

そして家族皆が死に、父が「・・・神よ」と神にすがっている記憶・・・。





それらの記憶をヒストリアが走馬灯のように見た次の瞬間、小さな肉片は大爆発を起し、ヒストリアは爆風で壁の内側に吹き飛ばされた。落ちた場所は、やわらかな荷馬車の荷台の上だった。




ヒストリアは少し混乱した。
あの記憶は自分の妄想なのか何なのかは、わからない。
自分が自分の意志で動いているのか、何かに操られるようにつき動かされているのかも、もうわからない。
けど、こうやって流されやすいのは、間違いなく私。

ヒストリアはゆっくりと立ち上がり、心配して集まってきた人々の前で燐と胸を張って言った。
「私はヒストリア・レイス。この壁の真の王です。」




いつかその名前を胸を張って言えるようにと、ユミルに励まされ、約束した名前だった。


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