まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【進撃の巨人】【カラダ探】【東京喰種】

進撃の巨人 17巻 69話-2 「友人---ウーリーの死後」

2016年10月13日 | 進撃の巨人
ウーリーの死後、壁の外にいた巨人がウォール・マリアに侵入し、人々の価値観は大きく変わった。
人類の居住区が狭まる中、人が人を殺す必要がでてきて、中央憲兵に対人立体機動部隊が新設された時、そのボスにケニーが就いた。

「切り裂きケニー」の名で憲兵達の喉を切裂いてきた殺し屋が、中央憲兵のボスとは気の毒だと部下の前で言うと、憲兵のエリートは死んだような目で「構いません」と言った。

「巨人の相手は諦めて、人間同士領土を巡り争いあう。それが我々の存在意義ですよね?構いませんよ、すべては無意味です」と。
無理もない。兵となって日々人を救うために巨人相手に戦ってきた、今までの”存在意義”が根底から覆されたのだ。

エリート憲兵達の虚無を知ったケニーは、大いに笑った。
そして、自分の大いなる”夢”を部下に語ってきかせると、生きる糧を失った彼らはその夢を自分の生きる糧としていった。



ケニーの夢は、真の王の力を手に入れること。

真の王の持つ、神にも等しい力を手に入れたなら、人は皆慈悲深くなるらしい。
知りてぇ、一体どんな気分なんだ?そこから一体どんな景色が見える?
俺のようなクズにも・・・本当にお前と対等な景色を見る事ができるのか?
なぁ・・・・?ウーリ



その為に人を裏切り、人を殺し、慈悲とは正反対の感情と行動で”力”を求め、求め、求め続けた。
親友の兄であるロッド・レイスを殺してでも、自分が育てたリヴァイを殺してでも”力”の中を見てみたかった。

だから、それがレイス家の血を引く者でないと"力"は発揮できないと知った時は落胆した。
家系、血・・・、それはアッカーマン家の血をひく者として呪わしい呪縛であった。
アッカーマンではダメなのか・・・。

今まで求め続けていたものが、消えた。

ウーリの事を考えながら、一人死を待つケニーを見つけたのは、もう一人のアッカーマンであるリヴァイだった。



「あんたはもう助からないな」と冷たく言い放つリヴァイに、ケニーは「いいや」と言って、ある物を見せた。
それはロッド・レイスの鞄から盗んだ巨人化する薬だった。
これを打てば、巨人にはなってしまうが、延命は出来る。




リヴァイは聞いた。
「それを打つ時間も体力もあったはずだ、なぜやらなかった?」

ケニーはゆっくりと考えて、ゆっくり答えた。今にも息が切れてしまいそうだった。
「ああ・・・俺は死にたくねぇし、力が欲しかった・・・でも・・・そうか。
今から奴のやったこと・・・・わかる・・気がする・・」




ケニーは笑った。夢が途絶え、死ぬ間際になってやっとわかったのだ。
「ククク・・俺が見てきた奴みんなそうだった。酒、女、神、一族、王様、夢、子ども、力・・・みんな何かに酔っ払ってねぇとやってらんなかったんだな・・・、みんな何かの奴隷だった・・・あいつでさえも・・・・。」

ここまで喋るだけでケニーは限界だった。激しく吐血しながらケニーはリヴァイに聞いた。
「お前は何だ?英雄か!?」


ケニーの意識がどこにあり、何を言っているのかはわからなかったが、時間がないと悟ったリヴァイは「知ってることをすべて話せ!初代王はなぜ人類の存続を望まない!?」と問い詰めたが、ケニーは知らなかった。
変わりに「だが俺らアッカーマンが対立した理由はそれだ」と告げた。

”俺ら”、アッカーマン・・・。
リヴァイは人類の未来ではなく、母さんとケニーの関係を聞いた。
すると瀕死のケニー可笑しそうに笑いながら「バカが・・ただの兄貴だ」と答えた。叔父・・・。



リヴァイは、一生聞けないだろうと思っていた事を、聞いた。
「あの時・・・何で・・・俺から去って行った?」

ケニーは体をガクガクさせながら「俺・・は・人の親には・・・なれねぇよ」と言うと、最期の力で巨人の注射をリヴァイに押し付けて、死んだ。それがケニーの最期だった。



リヴァイは暫くケニーの死に顔を見つめていた。








それから日は経ち、民衆の目前でロッド・レイスの巨人を倒してみせたヒストリアは女王となった。
名ばかりの王ではなく、影の王である父親の暴走を自らの手で止め、民衆を守った名実共に真の女王となった。
壁の中で生きるすべての民が、敬愛と感謝の気持ちを込めてその名を呼んだ。
「ヒストリア女王!!!」








ここまでの事はエルヴィンにも予想はできていなかった。あの時、自分の作戦通りにヒストリアを安全な場所に匿っていたなら、こうはなっていなかっただろう。
ヒストリアの提案だった。調査兵団の功績を、自分の功績として人々の求心力とすることは。だが、本当にヒストリアが巨人の本体を仕留めてしまうとは、ヒストリアでさえも予想はしていなかっただろう。

そんな女王様も、同期達友人の前ではいつもの小さなヒストリアだった。
そのヒストリアが、女王になったらやりたかった事を実行すると言って聞かない。
リーブス商会の会長が言っていたこと・・・女王になったら奴をぶん殴ってこう言いな、「殴り返してみろ!」って。


廊下の先にリヴァイ兵長を見つけたヒストリアは、エレンが止めるのも聞かず、ガタガタと奮えながら、あの!リヴァイ兵長を殴って言った。
「どうだ!私は女王様だぞー!?文句あればー・・・」



皆は驚いた。ヒストリアの行動にではなく、ヒストリアに叩かれたリヴァイ兵長がふふ・・と笑ったから。
「お前ら、ありがとうな」
そう言ったリヴァイ兵長の顔は、穏やかだった。



リヴァイもまた、家族の呪縛に縛られて生きていたのかもしれない。
























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