まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【カラダ探し】など

進撃の巨人 19巻 77話-1 「彼らが見た世界----ライナーとベルトルトの記憶」

2016年10月31日 | 進撃の巨人
ライナーが『雷槍』の攻撃を浴びている頃、ベルトルトは『四足歩行の巨人』の背の樽の中で、ライナーからの合図を固唾を飲んで待っていた。


思い出すのは、自分達が同期を殺した時の事・・・。



ライナーとベルトルトは、巨人襲来のシガンシナ区に調査兵団の訓練終わりの新兵として派遣された時。
二人は、穴から離れた家屋の屋根の上で、エレンが巨人化して壁の穴を巨石を積んで塞ごうとしている様子を見ていた。
「あれで穴を塞ぐなんて・・・無茶な作戦だ。エレンが喰われるかもしれない」
[もしそうなれば、何もわからないままだ]
「ああ、いざとなったら俺の巨人で何とかするしかなさそうだ」
[でも・・・作戦が成功したら、せっかく開けた穴が塞がれてしまう]
「構わねぇさ、俺達がこの5年間ずっと探していた手掛かりを、ようやく見つける事ができたんだ」


その無防備な会話を、マルコに聞かれてしまったのだ。
「一体・・・何の話をしてるんだ?『俺の巨人』って何だよライナー。『せっかく開けた穴』って言ったのか?ベルトルト?」






 
ライナーは焦って、「今の話は冗談だ・・・」と言うのが精一杯だった。
マルコも「こんな状況じゃバカ言いたくなる気持ちもわからなくないけど、作戦に集中しろよ!」と言って飛び立ったが、その顔はひきつっていた。

マルコは頭がいい。
飛びながら、エレンが巨人化したという事は、人間は巨人になれるという事だ。
突然現われて突然消える超大型巨人の正体も恐らく人間・・・ということになる。
つまり、どこかに人の姿をした敵の巨人がいるって事で・・・それは・・・・。

マルコは、この時点ですでに核心に迫っていた。この情報を誰かに伝えていたなら、人類の未来は違ったかも知れない。
だが、マルコはそこでライナーに捕まり、取り押さえられてしまう。
「マルコ・・・、お前は察しがいいからダメなんだよ」



マルコが人を呼ぼうとした時、そこにアニが現われた。
マルコは目に涙を溜めて「アニ!!助けてくれ!!!」と同期を頼った。



「どういう事?」と聞くアニに、マルコが「ライナー達がおかしいんだ!」と答えたとき、ほぼ同時にライナーがその質問に答えていた。 「俺達の会話を聞かれた。生かしてはおけない」

マルコは混乱したが、ライナーはお構いなしに話し続けた。
「アニ!!マルコの立体機動装置を外せ!!お前、さっきコニーを命張って助けてたよな?なぜそんな危険を冒した!?この悪の民族に情が移っちまったからか!?違うってんなら、ここで証明してみせろよ!!」

アニは、だくだくと汗をかき、顔面蒼白になって拒んだが、ライナーは許さなかった。
「お前と!!お前の帰りを待つ親父が!!穢れた民族と違うって言うんなら!!今すぐ証明しろ!!!」


4人のすぐ近くに巨人が迫ってきていた。
今、立体軌道装置を外されたなら、マルコは巨人のエサになる。

アニは、悲壮な顔でマルコの立体機動装置を外した。
マルコは悲鳴に近い声で叫び続けた。
「やめろおおおおお!!!アニ!?やめてくれよ!!なんで?なんで?なんで?なんでだよ!!!?」その問いにアニは何も答えられなかったが、ライナーが言った。
「それでこそ戦士だ。アニ・・・よくやった」




マルコはそこで悟った。そうか・・・アニもライナー、ベルトルト同様、巨人側の人間なのだ。
3人はマルコを屋根の上に残して急いで飛び立ち、入れ替わりに巨人がマルコに手を伸ばした。




3人は、マルコが巨人に喰われていくのを少し離れた所から見ていた。
泣き叫び、抵抗し、それも虚しくペキン!と骨が噛み砕かれる乾いた音と共に、マルコが死んだ。



3人は、覚悟してきたはずだった。
それでも、3人は目に涙を溜め、そうした張本人であるライナーが「・・・おい、何でマルコが・・・喰われてる・・」と茫然とつぶやいた。

ベルトルトは、ゾワッと全身を悪寒が走るのを覚えた。
共に訓練兵として辛い訓練を受け、語り明かし、笑いあった友を殺すということがどういう事かを知った。
だけど・・・、それでも・・・・。




--------------
次の記憶は、すぐ最近のものだった。
壁の上で調査兵団らが来るのを、ライナー、ベルトルト、そしてジーク戦士長の3人で待っていた時の記憶。
ライナーとベルトルトは、エレンから座標を奪還するより先に、囚われている可能性の高いアニの救出を優先したかったが、ジーク戦士長はそれを許さなかった。

二人にとっては、リヴァイ兵長よりジーク戦士長の方が畏れる存在だった。
ジーク戦士長が、アニの事にこだわる二人に「へぇー、まだ決意が固まっていないってこと?そーですか。じゃあこの間決定したことは一体なんだったのでしょうか?もう一度やってもいいんだぞライナー?
ただし、次お前がまけたら、『鎧』は他の戦士に譲ってもらう。」
との言葉に、二人の心臓はドクンドクンと音を立てて、冷や汗が流れた。



「じゃあしっかりしようよ。目標は一つだろ、ここで『座標』を奪還し、この呪われた歴史に終止符を打つ。
・・・もう終わらせよう。終わりにしたいんだよ、俺達で」




ジーク戦士長のその言葉に、二人は同意だった。
そしてベルトルトは決心した。
「わかりました。アニの事は一旦頭から外します。こんな地獄はもう僕達だけで十分だ。もう終わらせましょう」



友人を裏切り、殺したかったわけではない。
何も知らない人々に、地獄を味わわせたかったわけではない。
好きな人を、手の届かない敵地に放っておきたいわけじゃない。
仕方がなかったんだ、全部、仕方のない事だった。
こんな思いは、もう誰にも味わわせたくはない。
それを全部終わりにしてしまえるのなら・・・。


その時、偵察に出ていた『四足歩行型巨人』が、調査兵団が近づいていることを知らせに来た。
いざ、決戦の火蓋が開く。3人は熱いコーヒーで乾杯した。
「勇敢なる戦士達よ、ここで決着をつけ、我々の使命を果たそうじゃないか」




それから、焚き火やコーヒーセットを壁から下に投げ捨てて、各自調査兵団を待ち構える準備に入った。
後で、アルミンが見つけた3つの鉄のカップはその時使用された物だった。



ジーク戦士長と別れて二人きりになると、ライナーはベルトルトに語りかけた。
「ベルトルト、散々言ってきたことだが・・・俺とはこれから離れた位置につくわけだ。少しは自分で考えて行動しろよ。俺の指示を仰ぐばかりじゃなくてな。
本当は誰よりも高い能力を持っているはずなのに、肝心な所で人任せだ。正直今まで頼りにならなかったぜ」


ベルトルトは、小さく「・・・わかっているよ」と答えた。

ライナーはその答えを聞いてから「今まではな。終わらせるんだろ?ここで」と聞いた。
ベルトルトは、ライナーの言いたい事がわかっていた。
「そうさ、ここで勝って終わらせてやる」と力強く答えた、ベルトルトの顔には決意がみなぎっていて、ライナーは満足そうだった。




ライナーは、その後の事に言及した。
「その調子で愛しのアニの元まで頑張ろうぜ、アニだって絶対絶命のピンチに駆けつける野郎を王子様だと誤認するはずだ。
そして・・・クリスタだ。ユミルとの約束だ。絶対に救い出してやるぞ」
と言って、自分の心臓をドンと叩いた。
心臓を捧げる・・。それは調査兵団の習わしだった。

ライナーは、クリスタ救出はユミルの為だと言ったが、自分の為だった。



二人が別れる地点で、ライナーは前を向いたまま、後ろにいるベルトルトの背をドンと叩いた。
「じゃあな、頼んだぞ相棒」

ベルトルトと前を向いたまま、ライナーの背をドンと叩いた。
「任せろ」



戦いに絶対はない。
いくら絶対的な力や武器を有し、作戦を練っても、何が起きるかはわからない。
不安がまったくないわけではないが、こ最終局面を生きて乗り越える事を互いに信じてライナーとベルトルトは別れた。
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