まんがパウチ (レビュー・ネタバレ)

漫画の絵とストーリーを、真空パウチするように書きとめました。
【ファイアパンチ】【進撃の巨人】【カラダ探】【東京喰種】

進撃の巨人 20巻 82話-1 「勇者---アルミンの作戦」

2016年11月15日 | 進撃の巨人



【シガンシナ区】

シガンシナ区では、僅かに残った104期のアルミン、ミカサ、ジャン、コニー、サシャ、そして巨人化して伸びているエレンの6人だけで『超大型巨人』と『鋼の巨人』の2体を相手にせねばならなかった。

先ほどまで威勢よく奮闘していたジャンも、さすがに気力が付きて、エレンを逃がすことに全てを賭ける他ないと思っていた。

敗走の準備に入る事をアルミンに伝えるが、アルミンはじっと『超大型巨人』を見つめたまま「痩せてる・・・」とつぶやいた。
振り返ったアルミンの目には、光が戻っていた。
「超大型巨人が少し細くなってる。ハンジさんの言った通りだ!!やっぱり『超大型巨人』は消耗戦に弱い。
エレンの実験を思い出して。続けて巨人化できるのは3回まで。全身を硬質化できるのは2回が限度。
限度を越えた後は、力が先細りするだけで、有効な力は発揮できなかった。
15メートル級でそれなら、60メートル級ではもっと効率が悪いはずだ。
熱風を出す攻撃は、多分骨格以外のすべての肉を消費する事で、熱を生み出していたんだ。
筋繊維を失った後は、もうそこから動けない、ただの巨大な骸骨だ。」


ジャンとミカサにはその説明がよくわからなかった。ただ、アルミンの頭脳が復活した事だけがわかった。
「つまり、なんだよ?」


「作戦がある。みんなでライナーを引き付けてくれ。ベルトルトは僕とエレンで倒す!僕達二人で勝ってみせるから」

ミカサは立ち上がって「わかった。ライナーは私達に任せて」と応えた。
ジャンは「遅ぇよバカ・・・本当にもうダメかと思ったぞ・・」と声をかけてから、アルミンと別れた。
たった二人で『超大型巨人』を倒せるなんて想像もつかない、だけど、ミカサとジャンはアルミンを信じた。



アルミンはまず、エレンの元に飛んで、失神しているエレンを起した。

この自分で考えた作戦が上手くいけば、僕は・・・もう・・海を見には行けないな。
そう思うと、刃を持つ手がガタガタと震えた。
だけど、エレンの声が聞こえる。
エレンはここに来る時言っていた。「オレは自由を取り返すためなら力が沸いてくるんだ」と。
アルミンはエレンの真似をして「僕はなぜか、外の世界の事を考えると勇気が沸いてくるんだ」と口に出すと、不思議に震えが止まった。

手の震えが止まった瞬間、アルミンは手にした刃をエレンの巨人の喉元に突き刺した。
アルミンにはエレンがどこに居るのかは、わかる。
「エレン!起きろ!海を見に行くよ!」
エレンは目を覚まし、アルミンはエレンに作戦を伝えた。
「あとは全て実行に移し、ベルトルトを騙すことが出来れば、この勝負、僕達の勝ちだ」



ミカサとジャンの方も、コニーとサシャにアルミンの作戦を伝えていた。
詳しいことはわからない。ただ、二人を信じて、二人がベルトルトを撃つために、自分達はライナーをベルトルトから遠ざけることに集中する。









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進撃の巨人 20巻 81話 「約束」

2016年11月15日 | 進撃の巨人
【内門側】
エルヴィン調査兵団団長を先頭に、馬に乗った兵士達が一斉に『獣の巨人』めがけて突撃を開始した。
死を覚悟した兵士達の怒涛の声が戦場に響き、『獣の巨人』の耳にも届いた。

『獣の巨人』は正直がっくりした。
このまま終わるとは思ってなかったが、最後の策が捨て身の特攻とは・・・。
ジーク戦士長の目に、その兵士達の姿は哀れだった。
「哀れだ・・、歴史の過ちを学んでいないとは・・・。
レイス王によって『世界の記憶』が奪われたのは悲劇だ。だから何度も過ちを繰り返す。しまいには壁の中の全員、年寄りから子どもまで特攻させるんだろうな・・・、どうせ誇り高き死がどうとか言い出すぞ。
発想が貧困でワンパターンなヤツラの事だ・・・・、ふざけやがって」



ジークは、怒りで、思わず手にしていた岩を粉々に砕いてしまい、それを見て我に返った。
「あ、ハハ・・・何やってんで俺。何マジになってんだよ?お前は父親とは違うだろう?
何事も楽しまなくちゃ、みんなを誇り高き肉片にしてあげようぜ」
と、再び岩を手に取ると、向かってくる誇り高き特攻戦士達めがけて投げつけた。


岩片は、先頭を走っていたエルヴィン団長の腹をえぐり、エルヴィンは地面に転がった。
団長の死に動揺する新兵達に「振り返るな!!進め!!!」と指示を出したのはマルロだった。

マルロは、自分に向かってくる石の塊を避ける術なく見つめていた。
いろんな想いが頭を駆け巡る。
ほんの数日前に、新兵達の集まる食堂で”自己犠牲の精神”なんてものを説いていた自分はなんだったのか。
なぜ自分は、安全な憲兵の地位を捨てて、調査兵団を志願したのだろう。
わからない・・・・何で・・・俺は・・・今頃・・・



それで全滅したかと思ったが、まだあと3人残っていた。
3人は悲壮な顔で、半泣きで、死にたくない顔をしてそれでも叫びながら信煙弾を撃ちながら突撃をやめなかった。
ジークは再び怒りを覚えて、力任せに3人の兵に対して岩を投げつけた。
「そんなに叫んで何の意味があるってんだよ!!!」


若い兵士は、泣きそうな顔で体をバラバラにして死んでいた。
「あーあ・・・かわいそうに」


信煙弾には意味があったし、彼らの叫びには意味があった。
それらに意味をつける者が他にいた、と言った方が正しいのか、自分達の命を、死の意味をある男に託す為に撃ち、叫んでいた。
信煙弾を撃つために、突撃した死んだと言っても過言ではない。
それがたとえ囮であったとしても、『獣の巨人』を討ち取ったのならば、そこに大きな意味を成すと信じて。


『獣の巨人』が信煙弾で視界を奪われながら、突撃兵達に気を取られている隙に、リヴァイが一人で『獣の巨人』に接近していた。円陣を組んで立つ巨人達の周りは、立体軌道装置が使えない更地であり、驚くリヴァイにエルヴィンが指示した。
「丁度いい高さの立体物が並んで突っ立っているだろう?巨人を伝って忍び寄り、『獣の巨人』を奇襲しろ」

この作戦は、この被害は、この命はリヴァイの奇襲の為のものであり、その成功だけガ"死んでいく意味" であった。
リヴァイは、巨人を斬り進みながら、岩に打ち砕かれて死んでいく者達を見ていた。
「すまない・・・・」それ以上の言葉は探し出せない。
あとは実行してみせるのみ。



『獣の巨人』の周辺の煙が収まってきた時、ふと気付くと、周囲に立たせていた巨人達がなぜか倒れていた。
その煙の中から、立体軌道装置のアンカーが飛び出したと同時に、一人の兵士が飛び出してきて、一瞬の間に『獣の巨人』の腕をズタズタに切り落とした。

そういえば、ライナーとベルトルトから、リヴァイ兵長という名の一人の兵士に気をつけろと言われていた・・・。
マズイ!!!咄嗟に『獣の巨人』は自分のうなじを残った片方の手でガードした。

次の瞬間には両目をやられ、両脚を切断され、一人の小さな兵になすすべもなく『獣の巨人』は地面に叩きつけられた。
そのあまりの速さにジークは対応を取るのが遅れ、体を硬質化でガードする前に、リヴァイの刃が『獣の巨人』を八つ裂きにして、そのうなじからジークを引きずり出していた。


「さっきは随分と楽しそうだったな、もっと楽しんでくれよ」
そう言って刃を奮うリヴァイは、かつてない程に鬼気迫っていた。

ジークがうなじから吐き出された瞬間には、その口の中にリヴァイの刃が突っ込まれていた。
「巨人化直後、体を激しく損傷し、回復に手一杯なうちは巨人化できない、そうだったよな?」


リヴァイはそのまま刃をジークの口から頬を貫通させたが、これでこいつらが死なないことはわかっている。
こいつはまだ殺せない。
誰か一人でもいい、瀕死でもいい、生きている奴がいたならそいつに『巨人化』の注射を打って巨人化させ、そいつにこの男を喰わせて『獣の巨人』の力を奪うまでは殺せない。
誰か・・・・生きていないのか、誰か一人だけ生き返らせることができたなら・・・・エルヴィン・・。



リヴァイは背後に殺気を感じて振り向くと、『四足歩行型巨人』が巨大な口を開いて迫ってきていた。
リヴァイがそいつを避けると、そいつは躊躇なく瀕死の男を口に咥えて走り去った。


リヴァイは、立ち上がってそいつを追いかけたが、間に合うはずもない。
このまま、エルヴィン達大勢が命を賭けてくれたこの作戦を無に返していいはずがない・・・!!

だが、ジークは逃げながら突っ立っている巨人達に指令を出した。
「お前ら!!あいつを殺せ!!」
それまでただ突っ立っているだけだった大型巨人が一斉にリヴァイめがけて走ってきた。

リヴァイは迫り来る大量の大型巨人に対してひるまなかった。
「待てよ・・・俺はあいつに誓ったんだ。必ずお前を殺すと・・・・俺は、誓った!!!」


死につくしたと思っていた調査兵団の死体の中、一人無傷で生きていた者がいた。








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進撃の巨人 20巻 80話-2 「名も無き兵士---内門の兵士達」

2016年11月15日 | 進撃の巨人
【内門】
かつてない窮地だが策がないのは、壁を隔てた向こう、内門付近にいるリヴァイ側も同じだった。
『獣の巨人』の石礫攻撃は、もうすぐ家屋を全て破壊して、内門の兵達を穴だらけにするだろう。


リヴァイは、エルヴィンに「反撃の手数が何も残されてねぇって言うんなら、敗走の準備をするぞ・・。
壁の上で伸びてるエレンを起して、エレンにお前と何人かを乗せて逃げろ。少しでも生存者を残す。」
と言った。
ここまで来て、成す術がないのだ。



後ろでは、新兵達がこの残酷な現実を実感して喚いていた。
「理屈じゃわかっていたさ、人類がただ壁の中にいるだけじゃ、いつか突然襲ってくる巨人に喰い滅ぼされる。誰かが危険を冒してでも行動しなくちゃいけない事・・・誰かを犠牲者にさせない為に、自分を犠牲に出来る奴が必要なんだってな・・・。勇敢な兵士は誰だ?と聞かれた時、それは俺だって・・・思っちまったんだ・・・。
でも・・まさか・・・そうやって死んでいくことが、こんな無意味なことだなんて思いもしなかったんだ・・・。
何で自分だけは違うって、思っちまったんだろう・・・」




エルヴィンとリヴァイにとって、その新兵の言い分は嫌と言うほど見聞きした事だった。
ずっとそうやって、人が無意味に死んでいくのをその目で見続けてきた。


リヴァイは、エルヴィンに敗走の決意を促し続けた。
自分が『獣の巨人』の相手をし、生き残った兵が巨人の囮になっている間に、エレンとエルヴィンを生きて帰らせることができれば、まだ望みがある。
いや本当のところは、この大敗北の中、もはや誰も生きて帰れないと考えた方が現実的である事はわかっていた。

エルヴィンは敗走の指示を出そうとはせず、「ああ・・・反撃の手立てが何もなければな」と淡々と答えたことに、リヴァイは少し驚いたように「あるのか?なぜそれをすぐに言わない?」とエルヴィンの顔をまじまじと見た。



そんな会話の最中も石礫は飛び続け、エルヴィン達の頭上をかすめるほどに迫ってきていた。
だがエルヴィンはそれには動じることなく、淡々と話し始めた。
「この作戦がうまくいけば、お前は獣を仕留めることが出来るかもしれない。ここにいる新兵と、私の命を捧げればな。
・・お前の言うとおり、我々は全滅する可能性が高い。ならば玉砕覚悟で勝機に賭ける戦法もやむなしなのだが・・・。
その為には若者達に死んでくれと、一流の詐欺師のように体のいい方便を並べ、私が先頭を走らねば誰も続かないだろう。
そして私は真っ先に死ぬ。
地下室に何があるのか、知ることもなく・・・な」







窮地を脱し、命を繋ぐ重要な作戦だと思って真剣に聞いていたリヴァイは、最後の言葉に「は?」と聞き返した。


エルヴィンは、「ハァ」とため息をつくと、今までの毅然とした団長とは思えない足取りでよろよろと近くにあった台に腰掛けて下を向き、あとはまるで独り言のように一人で喋っていた。
もう、本音を隠す必要もない。


「俺は・・・このまま・・・、地下室に行きたい・・・。
俺が今までやってこれたのも、いつか『答え合わせ』が出来ると思っていたからだ。
何度も・・・死んだ方が楽だと思った。それでも・・・父との夢が頭にチラつくんだ。
そして今、手を伸ばせば届く所に”答え”がある。すぐ・・・そこにあるんだ。



・・・だがリヴァイ、見えるか?俺達の仲間が・・・。仲間達は俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったかを知りたいんだ、まだ戦いは終わっていないからな。
全ては俺の頭の中の・・・子どもじみた妄想に過ぎない・・・のか?」




それがエルヴィンという男だった。
父親のたてた、この世界の秘密を知りたい、その仮説の答えを知りたかった。その為ならどんなこともしてこれた。
それを知ったならば、死も構わなかった。
だが、ずっと死んだ同胞達の亡霊をその背に感じつつ、彼等の視線を感じて生きてきた。

リヴァイは黙って聞いていたが、下を向くエルヴィンの視界に入るようにしゃがみむと、険しい顔で口を開いた。
「お前はよく戦った。おかげで俺達はここまで辿り着くことができた・・・。俺は選ぶぞ」
そう言うと、リヴァイはエルヴィンの目を見た。見たというより、にらみつけた。
「夢を諦めて死んでくれ。新兵達を地獄へ導け。『獣の巨人』は俺が仕留める」


エルヴィンはその言葉に、力なく、だけど開放されたような穏やかな表情を見せた。



死を覚悟したエルヴィンは、力強く新兵達を召集して叫んだ。これが最後の団長の仕事だ。
「これより最終作戦を告げる!!総員整列!!!
総員による騎馬突撃を目標『獣の巨人』に仕掛ける!!
当然!!目標にとっては格好の的だ!!
我々は目標の投石のタイミングを見て、一斉に信煙弾を放ち!投石の命中率を少しでも下げる!!
我々が囮になる間に、リヴァイ兵長が『獣の巨人』を討ち取る!!以上が作戦だ!!!」


この片道通行の作戦を聞いて「では」と従う兵などいない。
ガタガタを体を奮わせるもの、吐き気をもよおす者・・・皆顔面蒼白で立ち尽くしていたし、彼らがこの反応を示すことはわかっていた。
エルヴィンは「ここにいても投石の犠牲になるだけだ!すぐに準備に取り掛かれ!!」準備とし指示を出した。準備とは自分が巨人に殺される準備のこと。

新兵の一人がエルヴィンに質問した。
「俺達は今から・・・死ぬんですか?」
「そうだ」
「どうせ死ぬなら、戦って死ねという事ですか?」
「そうだ」
「どうせ死ぬなら、どうやって死のうと、命令に背いて死のうと意味なんかないですよね?」
「まったくその通りだ」

その清清しいほどに絶望的な答えに、新兵は言葉を失った。

「まったくもって無意味だ。どんなに夢や希望を持っていても、幸福な人生を送ることが出来たとしても、岩で体を打ち砕かれても同じだ。人はいずれ死ぬ。
ならば人生には意味はないのか?そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?
死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も・・・無意味だったのか?」



エルヴィンの前には、これから死にゆく生きている兵達がいて、背後には死んだ兵達がいた。
生きる者と死んだ者・・・・そして自分に向けて、エルヴィンは最後の言葉を発した。
その時のエルヴィンは鬼気迫るものがあり、誰よりも生と死を見つめてきた彼の真意があった。
「いや違う!!!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!!
あの勇敢な死者を!!哀れな死者を!!想うことが出来るのは!!生者である我々だ!!
我々はここに死に、次の生者に意味を託す!!
それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!兵士よ怒れ!!!兵士よ叫べ!!兵士よ戦え!!」






新兵達は、リヴァイ兵長が『獣の巨人』を撃つチャンスを作るために、その命を懸けて石礫の中に出撃した。
できるだけ長く生きること、それが今出来る、出来る限りその死に意味を持たせることであった。
大声を張り上げ、まさに決死の覚悟だ。






大勢の生き残った勇敢な兵士達の死が、無意味なのか、人類の未来の為に意味ある死になるのかは、リヴァイに掛かっていた。
エルヴィンは、どうやって草原にいる『獣の巨人』に近付けばいいのかと疑問に思っていると、エルヴィンは平原には都合よく立体物が立ち並んでいる、巨人達を伝って行けと指示した。
この男は、いつも人並み外れた視点で全体と未来を見ている。


巨人を殺しつつ進むリヴァイは、無残にも石礫の犠牲になっていく兵士達に「すまない・・・」とつぶやいた。


彼等にかける言葉などどこにもない。
ただ、実行してみせる事が、リヴァイに出来ることだ。







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進撃の巨人 20巻 80話-1 「名も無き兵士---シガンシナ区の兵士達」

2016年11月15日 | 進撃の巨人
【シガンシナ区】

「エレンの巨人」は、「超大型巨人」に蹴り飛ばされて、壁の上に激突してその動きを止めた。
エレンが生きてはいるが、窮地に立っていることは壁の向こう側のエルヴィン団長やリヴァイ兵長にも見て取れた。

ミカサは、エレンが動かないことに動揺するが、ジャンに叱責された。
「死んじゃいねぇよ!!目の前の怪物に集中しろ!!!」

ジャンは、アルミンの様子をチラリと横目で見ながら「あの巨体に無策で挑めばああなっちまう・・・、何か一発逆転の策でもない限り、この奪還作戦も、俺達の命も、人類の未来もすべておしまいだ・・・。」と言ったが、アルミンはまだ不安げに青い顔をしているところを見ると、良案は浮かんでいないようで、ならば引き続き無謀な策を試していくしかない。
「・・・だからってこのまま大人しく皆殺しにされてたまるか!!!攻撃をしかけるぞ!!!」と皆を鼓舞した。



超大型巨人は『雷砲』を知らない。
ジャンとコニーでベルトルトの気をひくので、その隙にミカサとサシャが後方からうなじに『雷砲』を撃つ。
それが、バレバレの陳腐な作戦であることは百も承知だったが、他に策がない以上、今は、やれることをするだけだ。


ミカサが『雷砲』を撃ち放った時、超大型巨人はその体から高熱を噴射し、104期達は高熱の熱波に吹き飛ばされた。
立体軌道装置のアンカーも吹き飛ぶが、撃ったはずの『雷砲』も吹き飛ばされ、ミカサの真後ろで2発が爆発した。


皆、全身や器官に軽いやけどを負っていた。それよりも何も撃つ策がない事の方が深刻だった。
雷砲の衝撃と超大型巨人の熱風を受けたミカサは、アルミンに「それより・・・どう?反撃の糸口は?」と聞くも、アルミンからは何も出て来ない。


アルミンはもとより、ジャンとミカサの顔が曇った。


だが、試練は立て続けにやってくる。
アルミン達の背後で、『鋼の巨人』が立ち上がったのだ。













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進撃の巨人 20巻 79話-2 「完全試合---内門側」

2016年11月14日 | 進撃の巨人

この最悪の状況で策を考えねばならないのは、アルミンだけではなかった。
壁の上に一人立つエルヴィン団長も、前方、後方共に窮地に立つこの状況を打破する策を考えていた。
後方、シガンシナ区側では『超大型巨人』が爆発ともに姿を現し、味方の兵がどれだけ残っているかは把握できそうもなかった。





「さぁどうする? 『獣の巨人』、すべては作戦通りか?」



リヴァイ達のいる前方、ウォールマリア内門の戦いは、一部のベテラン調査兵団が先に動いた小型の巨人の討伐を続けていた。
だが、不気味に後方に控える大型巨人群と『獣の巨人』への警戒も怠ることはできないし、新兵や馬を守らねばならない。

リヴァイは『獣の巨人』を斬る隙を見つける暇なく、シガンシナ区の爆発後の戦況を心配していた。
(さっきの爆発・・・あいつらはどうなっている・・・。ハンジ達は上手くかわしたのか・・・?とにかく俺も早くそっちに・・・)



と考えていた時、リヴァイ側の状況が『獣の巨人』の次の一手によって一変した。
『獣の巨人』は瓦礫をその手の中で粉々にし、巨大な石の礫を大量に投げつけて来たのだ。
その破壊力とコントロールは物凄く、前線で巨人と戦っていた者達は、巨人もろとも木っ端微塵に粉砕されていく。
「うーん、球1こ分高かったか・・。目指すは完全試合(パーフェクトゲーム)だ」







これは『獣の巨人』の作戦だった。
小型の巨人を街に向かわせることで、馬を守りたいために兵士達は街の前方で小型巨人と戦うはず。
兵達が前方に集まったところで、投石で殺す。計画通りに事は進んでいた。


内門側の調査兵達は、この一度に街を覆いつくす程の砲弾の雨に何が起こったのか理解できなかった。
壁の上からエルヴィン団長が叫ぶ。
「前方より砲撃!!!総員物陰に伏せろおおお!!!!」














リヴァイは前線の仲間を助けようと飛び出そうとするが、次々に飛んでくる石の礫に身動きがとれない。
前線はもう無理だと判断して、後方の馬を守っている新兵達を壁間際まで移動させた。


壁間際に集まったリヴァイや、生き残った兵達の中に、エルヴィン団長が合流して状況を伝えた。
「最悪だ。じきにここは更地になり、身を隠す場所はなくなる。
壁の向こうからは『超大型巨人』が炎を撒き散らしながらこちらに迫って来ている。
仮に兵士が投石を免れても、馬は死滅し、その先に勝利はないだろう。」



「ハンジ達は?エレンは無事か?」と聞くリヴァイに「わからないが、大半は爆風に巻き込まれたようだ」と淡々と即答した。

「内門側の前方にいたディルク・マレーネ・クラース班は全滅した。
つまり、内門側の残存兵力は新米調査兵団の諸君達と、リヴァイ兵長、そして私だ」
と言い切った。



降り止まない人智を越えた威力の投石、先輩兵達の全滅、生き残っても先がない・・・・新米兵達は「おしまいだ!」と自分の命がもうない事に、自分が死ぬという事を実感して口々に泣き叫び、喚きだした。

その中で冷静なのは、リヴァイとエルヴィンだけだった。
リヴァイはエルヴィンに聞いた。
「何か・・策はあるか?」


エルウィンがそれに答えるより先に、エルヴィン達の頭上の壁の上にエレンの巨人が激突した。
向こうの状況も最悪らしい・・・。
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