無教会全国集会2015

2015年度 無教会全国集会ブログ

沖縄からの報告

2016-01-24 14:08:36 |  3沖縄から

                          友寄隆房

(その1)沖縄からの報告

プロフィル
 全国集会には、1996年以来参加しています。いろんな人に会えるのが楽しみです。みなさんから、たくさん教えられます。準備委員会の皆様に感謝します。

 「ハイサイグスーヨー チュウウガナビラ」これは沖縄の方言で「皆さんこんにちは ご機嫌いかがですか」という意味ですが、稲嶺進名護市長や翁長雄志沖縄県知事があいさつの始めに用いていますので聞かれた方もあると思います。
 さて本日は沖縄からの報告という事になっていますが、こんにち今日沖縄からというとどうしても辺野古新基地問題という事になります。現状は毎日のようにテレビ・新聞等で放映されていますので御承知と思いますが国側は沖縄県民の大多数の反対にもかかわらず新基地建設のためボーリング調査を続けています。それに対して県内、県外からも多くの人たちが反対の声を上げ抗議活動をしています。昨年までは海岸にテントを建てたいわゆるテント村で抗議をしていましたがボーリング調査が始まるや抗議活動の拠点をキャンプシュワブゲート前に移し連日100~200人、多い時は300人近くの人が駆け付けて早朝から深夜まで抗議をしています。抗議に参加する人たちは各市町村にできた「島ぐるみ会議」のメンバーがローテーションで参加したり退職した公務員や教職員等ありとあらゆる階層の人たちが参加しています。その中には石原昌武さんが倒れた時すぐそばにいて適切な処置をしてくれた奥田さん(愛楽園を定年退職した)や東京近郊の大学で教鞭をとりながら名護でアパートを借りて折につけ駆け付けて支援して下さる鎌ケ江さん等、ユニークな人もたくさんいます。翁長知事はありとあらゆる手段を用いて新基地建設を阻止すると言っていますし、沖縄県民は政府のどんな強行な姿勢にも不撓不屈の精神で絶対あきらめないと頑張っています。ただ残念なのは抗議するのも警備会社に雇われて警備するのも大多数が沖縄県民という事です。ここに「霞が関からの厳命心痛む」「板挟みの総合事務局職員」と題する7月10日(金)付けの沖縄タイムスの記事がありますが、道路を管理する沖縄総合事務局の職員には大変な圧力がかけられています。上層部の締め付けの一方、職員はゲート前で市民に取り囲まれ罵声を浴びることが少なくない、板挟み状態に疲れ現場職員33人のうち3分の1が心療内科を受診2人は1カ月休職すべきだと診断を受けたとあります。また定年間際の国道事務所の所長があまりの心労に定年を半年以上残して早期退職という記事もありました。立場の違いとはいえ同じ県民同士が争うのは悲しいことです。
 ここで新基地問題をおさらいしますと1995年の米兵による少女暴行事件でこれに抗議して8万5000人の県民が抗議集会を開くと反基地運動が広がるのを恐れた日米両政府は翌96年4月の橋本・モンデール会談で普天間基地の5~7年以内の返還を発表しました。沖縄県民が喜んだのも束の間これは辺野古に代替基地を造るが条件でした。建築家の真喜志好一さんによれば1965年頃すでに沖縄本島東海岸に基地を作るための図面があったとの事ですが、いずれにしても1996年から辺野古新基地問題が沖縄の政治問題の中心になって来ました。これに対して地元名護市民は1997年12月に市民投票を実施ヘリ基地反対の意思を示しました。ところが比嘉鉄也名護市長が基地受け入れを表明して辞任。この問題は泥沼に入ってしまいました。その後、紆余曲折がありましたが2010年に海にも陸にも基地は造らせないという稲嶺進市長が誕生して以来、県民世論が圧倒的に基地反対に傾き、昨年は名護市長選、名護市会議員選、那覇市長選、県知事選、県会議員名護市補欠選、国会議員選(4選挙区)と総べてにおいて新基地に反対する候補が当選しました。前知事の仲井真弘多氏は2010年に新基地の県外国外移設を公約として当選しましたが、これを翻して2013年に埋め立てを承認しましたが、この前知事の裏切りと悲惨な沖縄戦の体験から戦争や軍事基地は絶対ダメだという大多数の県民の心が結集して今、政府の圧力に立ち向かっています。翁長知事は時折方言で「ウチナーンチュウセーテナイビランドー」と言っています。直訳すると「沖縄人をバカにしたり軽んじてはいけませんよ」という事になりますがこの共通語では表現できない力強さ、強さを感じとる事が出来ます。
 次にこれまでの選挙は保守対革新という構図でしたが最近ではこれまで保守側にいた人達、衆議院選挙第4選挙区で当選した仲里利信さんもその1人ですがその他経済界の中からも平良朝敬さん率いるかりゆしグループ、呉屋守将さん率いる金秀グループ、沖ハム会長の長浜徳松さん率いる沖ハムグループ等たくさんの人々が新基地反対で協力しています。これは保革を乗り越えた「オール沖縄」と称しています。それから受付にも置いてありますが新基地に反対するための経済基盤として昨年「辺野古基金」が作られましたが瞬く間に目標の3億5千万円を達成しました。多くは県外からとのことで協力してくれた皆さんに厚くお礼申し上げます。皆さんの中で関心のある人は是非読んで協力をお願いします。
 今沖縄はイチャディバチョーデー(出会えば兄弟)という県民性とおもてなしの心をもって観光産業に力を入れています。昨年の来沖者は700万人を超えましたが基地と観光産業は両立しません。武力によって紛争を解決するのでなく、外交により話し合いよって解決してほしいと思います。翁長知事の言葉ですが、沖縄は紛争の緩衝地帯でありたいと願っております。
さる10月13日(火)に翁長知事は埋め立て承認の取り消しを発表しました。これにより国は埋め立ての根拠を失いました。直ちに工事を停止すべきですが防衛省は私人の立場で国土交通省に取消しの効力停止を求めて提訴し法定闘争に突入しましたが、ウチナーンチュ(沖縄人)は絶対基地を造らせないと頑張っています。

 次に基地問題の一方の当時者である「アメリカ」についてと「辺野古新基地問題について」の私見を述べます。

(その2)アメリカについて

 私は1997年3月と今年の2月にそれぞれ約10日間アメリカ西海岸付近を旅行しましたが、いろんな意味で巨大な国であるというのが私の感想です。しかし一方ではヘビのように狡猾で何でも自分の国が一番でなければ気が済まないという国です。もとはと言えば信仰の自由を求めてイギリスより渡ってきた人たちを先祖にもち、聖書を片手に大統領の就任式を行う国がなぜこうなってしまったのか不思議です。沖縄国際大学の佐藤学教授によればアメリカの国債の最大の所有国は中国であり中国の最大の貿易輸出国はアメリカとの事です。このように相互に依存している両国が真向から戦うという事はありえないと思われます。案外両国が裏で手をつないで日本を利用しているのではないかと思われます。日本に基地を作らせ軍備を増強させようと中国に依頼して尖閣列島を刺激しているような気がしてなりません。このような国と交渉していくにはそれこそヘビのごとく賢くなければいけません。
 私は聖書の知識や理解の深い人物が聖書を盾として交渉するならば道は開けていくと思います。

(その3)辺野古新基地問題と私

 私は武祐一郎先生や政池仁先生、堤道雄先生より絶対非戦平和論を教えられて1973年に日本友和会に入会して以来、戦争と戦争の準備に対して反対の立場をとってきました。内村先生や矢内原先生の平和思想も学んできました。それで勿論、新基地建設には絶対反対であります。ただまだ現役で職業に従事していますので普通の現地での抗議活動にはほとんど参加していませんが、名護市内での反対集会や県民大会等は殆ど参加しています。「枯れ木も山のにぎわい」と言いますが可能な限り集会には参加して意志表示をしなければと思っています。
またヘリ基地反対協の共同代表者である安次富浩さんとは1983年に一坪反戦地主会が出来た時に入会し、北部ブロックの定例会に毎月参加し意見を交換しています。現在は連絡係をしています。会社が建設業ですので辺野古のテント村や事務所等の設備に関して安次富さんから依頼があった時はただちに協力しています。
 普天間基地の移設先が県内、県外、国内、国外と騒いでいますが、どこであってもイヤなものはイヤです。どこにも造らないで欲しいものです。いつの日か沖縄から日本から全世界から総べての基地がなくなる事を願って日々祈っております。
御静聴ありがとうございました。