むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

関係ない韓国に八つ当たり、中国に沈黙する国民党系の醜悪 アジア大会テコンド失格問題

2010-11-22 17:34:11 | 台湾政治
11月17日、広州アジア大会の女子テコンドー49kg級予選で、台湾のテコンドー選手・楊淑君とベトナムの選手が対戦、楊が優勢にあったところ、中国籍審判員趙磊と韓国系フィリピン籍審判員洪性天が「規定外のかかとソックスの使用」を理由に楊淑君に失格を判定した。これに対して、台湾では国民党系メディアを中心に、「世界テコンドー連盟を支配する韓国が意図的に台湾を失格にさせた」として反韓国キャンペーンを張り、主に国民党系の人間が韓国国旗を燃やしたり、韓国製品ボイコット、レストランの韓国観光客拒否など反韓国感情が広がった。

ここで問題は、審判員が「韓国系だから」とか、世界やアジアテコンドー連盟は韓国がコントロールしているという理由で、韓国に八つ当たりする国民党系の情報操作に問題がある。
これはどうみても醜く無意味な八つ当たりのようにしか見えない。
判定の問題だというなら、そもそも今回のアジア大会の運営は中国なんだから、中国に文句を言うのが筋だろう。

李登輝は18日夜の年代テレビ討論番組「新聞面対面」で「韓国政府が関与しているわけじゃなし、韓国を攻撃するのは間違っている」と指摘しているし、自由時報の投書欄や知人の民進党系はいずれも「これは韓国じゃなくて中国に抗議するべき問題」と指摘している。

もちろん、台湾選手に事前に「かかとソックス禁止」が知らされていなかったり、対戦前のスキャンでかかとソックスを指摘していなかったりと、世界連盟に問題がないわけではないし、韓国は1990年代の国際競技で台湾に不利な扱いをしてきた前科はある。
かといって、テコンドーがいくら韓国のお家芸だといっても、ほかの国で開かれたテコンドーの対戦で問題が起こったことはないのだから、これは韓国は関係ない話だ。

国民党系の大中国意識にたった媚中、韓国蔑視の思想が垣間見えるようだ。

そもそも韓国はいろいろと偏狭なところがあっても、それでも台湾とともにアジアで民主化に成功させた数少ない国であり、安全保障上は台湾と利害が一致している。
これは深読みだが、国民党は韓国バッシングをすることで、間接的にアジアにおける自由陣営にひびを入れて、中国との融合に有利にしようと考えているのではないか。

そういえば、日本の右よりの人間にも、中国と韓国を同列に置いて、中国が一党独裁で韓国が民主化した国であるという事実に目をふさごうとしているアホがいる。
中には中国よりも韓国をより敵視している人間もいる。
これほど戦略的に愚かな主張はない。

韓国はアジアの民主主義陣営にとっては不可欠の存在であり、これを離間させようとする国民党と日本の右翼は、はっきりいって中国に対して利敵行為を行っているとしかいえない。

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