ご無沙汰しております・・
すっかり、忘れられてしまったであろう頃に、ノコノコと記事を書きます…
今日は、ヨモギに人生を染められた一人の若くない女性の話です…
ヨモギ、ってご存知ですか? 変換すると『蓬』…こんなムツカシイ文字がでてきます。
↓ ヨモギ

で、ちょっと、
大辞泉から引用させていただくと(勉強しよう〜っと
)
・・↓
キク科ヨモギ属の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。
よく分枝し、特有の匂いがある。
羽状に切れ込みのある葉が互生し、裏面に白い毛が密生。
夏から秋、淡褐色の小花を多数つける。
若葉を摘み、草餅(くさもち)などを作り、餅草(もちぐさ)ともよぶ。
漢方では艾葉(がいよう)といい止血などに用い、葉の裏の毛をもぐさにする。
・・↑
ですって
餅草(もちぐさ) とは、まさに、そのとおり
と、
いうのは・・
お店の人気商品『かから団子』は、いわゆる『よもぎ団子』なのです。
天然ヨモギ、と、黒砂糖、と、餅粉、で作っています。
『かから団子』は、九州各地で作られている郷土菓子だそうですが、
「麦生(むぎお)のバアチャンが作る団子がいちばんおいしい!」と言ってくださる方がおられるので、うれしくって、自信満々で、作っています
↓ かから団子

が
モンダイは、そのメイン原料の、ヨモギなのです
そうそう、簡単には手に入らないのです
いくら、自然満載の屋久島でも、そこらじゅうに生えているわけではありません
歩いて、探して、集めてくるのです
ベテランの婆でも、新米のわたくしでも、「探して集める」作業はおんなじなのです

そのへんは平等〜
まあ、婆たちは、毎年ヨモギ採りをしているので、生えている場所を知っているという得な面はありますが…。
が、しかし
わたくしは、まったくの素人
都会の奥様出身(…とは、あまりにもずうずうしいか…)のわたくしが、天然物を見つけるのは、そりゃ〜難題なのです
「あんたも、ヨモギ、とってこないとダメだよ
」と、強制はされませんでしたが
、なんとなく、雰囲気で、わたくしも集めてこないとダメだろうナァ
、と、察したわけです
それからというもの、
犬の散歩に行くときは、犬に負けないように下を向いて歩く人生が始まりました

以前の「かからの葉=団子を包む葉っぱ」探しのときは、上を向いていましたけど、ね
こんどは、下ですね…
。
ですが・・・
ないのですよ、これが・・・
見つけても、10本程度。
ぜんぜんダメです
、お話になりません・・・
だってね、
婆はいうのです、
「チリ袋(町指定のゴミ袋)に、ぱんぱんに詰めるくらい採ってこないとダメだよ
」と
すごい量です
サンタさんが背負っているプレゼント袋、くらいのもんです
ですが
これが、あとでわかるんですが、・・・ゆでると、ほんの少しになるのです
牛乳パック2本分くらいに…。
まあ、とにかく半端じゃない量を採らないと、お店の人気商品を一年中、お出しできなくなるのです。
で
わたくしも、探すわけです。
でも
ないのです
ときおり、婆たちは、こんなにも採ってきた、という話を、仕事の達成感を伝えるように、わたくしに聞かせてくれるわけですが、それが、だんだんとプレッシャーになってきて…
ある日、
犬の散歩で出会った人と立ち話をしていて、
わたくし 「ヨモギが見つけられないのよねぇ
・・・泣きたくなるわ・・
」
その人 「泣いちゃダメ
そんなの、いっぱいあるわ
うちのまわりに
じゃまだから刈ったくらい」(…要約するとこのような会話だった、と…)
わおー
刈るなんて、そんな
あるところにはあったんだ
と、いうわけで、
その人のおうちの周りで、採らせてもらうことになったのです
ああ、よかった〜
うれしかったです〜
ほんとによかったです〜
1、2時間がんばって、チリ袋いっぱいくらい採ることができました
ノルマを果たせた営業マンの気分でしょうね。
やったー
で、
経験してわかったことは、
ヨモギは深山幽谷には無い、ってこと。
人の暮らしのそばに生えている、ってこと。
明るくて、草刈されている場所が好きだ、ってこと
手入れされた農地によく生えてくるんですね
↓ 採ってきたヨモギ

そして、
その日以後、数回にわたり、その人と、また別の人のおうちの周りで、ヨモギを集められたのです
めでたし

ところが
その集めたあと、集める以上に大変な作業が待っています
まあ、なんというか、地道な作業を積み重ねないと、団子は出来ない、ってことですネ。
集めた後、
茎から葉っぱを取ります
葉っぱだけ使うのです。
一枚ずつ、取るんですよ
チリ袋いっぱいのヨモギをすべて
いったい何本あるでしょうか
婆たちは指で千切っていましたが、
わたくしは、ハサミ
一枚ずつ、ちょんちょんと切り落としていきます。
ところが、やっても、やっても、よもぎの山は減りません
いつの間にか、わたくしの頭には、過去テレビで見たいろんな映像が流れていました
大量のカキ(牡蠣)の身を剥いている水産加工会社の人たち…
大量のサトイモの山の前で実をはずして選別している農家の人たち…
そこに、大量のヨモギの葉を千切っている自分の映像が重なります…
そして、悟ります
地道な作業をしてくれる人たちがいて、
「おいしいわぁ、これ〜」と、食べられるんですね、わたくしたちは
・・・と。
・・ヨモギの葉っぱを千切りながら、高尚な社会勉強をしました。
↓ 茎から千切った葉っぱ

そして、
この先も、まだまだ、いくつもの作業をこなさなければなりません
葉っぱだけにしたものを、洗う。
ゴミを取りながら、傷んだ葉を除きながら、何回も流水で洗います。
ゆでる。
湯を沸き立たせながらゆでます。
↓ ゆで始め

↓ アクがたくさん出てきます

そして、
湯から揚げます。
茹で上がりを見極める秘伝は・・・
。
婆は、わたくしにも、ちゃーんと教えてくれました
(よかったぁ〜 見捨てられずに…
)
で、
また、洗う。
アクを洗い出しながら、もう一度ゴミがないかよく見ながら・・・
数回、洗います。
味見も。
アクの苦味ではなくて、ヨモギの風味の苦味がちょっと残るように。
洗いを少なくして、流水にさらす人もいるようです。
そして、
ここまできて、
やっと、やっと、保存できます
しっかり絞ります。
↓ ゆでて絞ったヨモギ
これで、元の量は、サンタさんの背負っている袋一杯くらいです。

あんなに山積のヨモギが、たったコレだけに
というむなしさと、
やれやれ、やっとここまで出来たか、という安堵感が交差する時間ですね
すぐに使わない分は、量って、ジッパー付の袋に入れて冷凍庫へ。
わたくしが採ってきて、葉っぱを千切り、ゆでたヨモギを見て、婆が言いました・・
「これだけの量をよくやった
キレイにゆでてある
たいしたもんじゃ
」と

わたくしを褒めてくれることの無い婆が、言ってくれたのです

これは、最高の賛辞です

泣きながら(…って、こともないか…)ヨモギを採った、あの日々がよみがえります

苦労が報われる、とは、こんなときに使う言葉かしらん、と、思います
(シミジミ…と、余韻にひたる…
)
で
はい。
これからです
、かから団子の生地にするのは
。
↓ 絞ったヨモギに、粉と、黒砂糖をいれます

↓ あわせます

↑ 職人技
この時、少し入れる水の量が、ムツカシイ
。入れ過ぎると取り返しがつきません
。
この作業は、最重要事項なので、婆の培った感が、すべてです。
水の量は何CC、と伝えられないのです。
そして
このあとは、
こね機で、こねて、こねて、かから団子の生地が出来上がり

↓ 『かから団子』の生地をみんなで作っているところ(町の加工室で)

この生地を、丸めて、カカラの葉に包んで蒸せば、『かから団子』の完成〜
お店で召し上がっていただけます。
毎日、つくっています。
ヨモギをミキサーなどで粉砕していないから、あの絶妙な団子の固さ(柔らかさ)になっているのかなぁと、わたくしは感じています。
と、
いうことで、
ヨモギといい、包んでいるカカラの葉(サツマサンキライの葉)といい、天然物で作ろうとすると、自然相手なので、大変だなぁ、ということです…。
都会の和菓子屋さんはどうしてるんだろう?と、思ったら、「ヨモギの粉」があるんですね
でも、でも、その粉にするまでは、たぶん、わたくしがしてきたような作業があるんでしょう
。
たぶん、もっと、効率よく、ヨモギは栽培するとか、葉っぱを千切る機械や、洗う機械を使うとか、・・・〜。工場見学したら、感激するかも、です
はい、
今日は、『かから団子』に秘められた女性たちのお話でした

ありがとうございました
4月中にやっと1個、記事がかけてよかったナァ…