トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

新聞、ТVに出ている人だから… その②

2017-06-13 21:10:19 | マスコミ、ネット

その①の続き
 河北新報での内田樹の寄稿は先月が初めてだったが、気鋭のイスラム学者・池内恵氏は内田のように頻繁な新聞への寄稿もなく、ТV出演もあまりない。河北にはインタビューやコラムが未だに載ったことのない池内氏だが、2014年12月22日付のブログ記事「内田樹氏に対する池内恵氏の批判」は興味深い。
 2014年12月18日付東京新聞朝刊における内田のコラム「<衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時」への批判なのだが、実に手厳しく、批判というよりも、殆ど罵倒に近い。ちなみに河北は東京新聞の友好紙を自称しており、読者コーナー「声の交差点」には、河北購読者でもない東京新聞読者の声を時々載せている。次の青字は先のブログ記事からの引用。

やれやれ。こういうものを「思想」と呼んでいるうちは、日本のメディアは3流以下。「思想」というものを勉強している人間として、本当に許せない思いだ。大学で勉強している人は、こういう独りよがりのオッさんが実際に世の中を動かしている面はあるから、そういう人たちをどうにか出し抜いて生きて行くhow to liveを身につけるために頑張りましょう(ニコッ)。
 しかし国民は金儲けを選んだんだから、それなら国を株式会社すればいい、、、て論理が無茶苦茶でしょ。誰もそんなこと言っても考えてもいませんよこの人以外。でも、そういう浅ーく無茶なことを言うのが「思想」だということになっているのが日本スタンダードであることも確かだ。

 恥ずかしい。これではまともに考える能力がある人は「思想」家にはならんよ。だって一緒にされたら恥ずかしいもん。これでは 「文系学部は廃止」とか「新聞は読まない」と言う人が多数になるのも時間の問題、というかもうそうなっているんだろう。本人も記者も惰性でやっているんだろうけれどもね…

 池内氏に話を聞きに来た、若い雑誌記者の愚痴も面白い。しまいにはこの記者、「言い方は悪いが、『情弱のために紙の媒体は作られている面がある…」とつぶやいたという。そして記事はこう結ばれている。
「若者」の閉塞感はこういう自称反体制のオッさん言論権力者が作っているということを、こういう御仁と取り巻きは自覚することはないんだろうなあ。それで食っていけるから。まさに「カネ優先」はこの人たちだ。日本の若者は優しいから、社会のあらゆるところにいるこういう独善の権力者を叩き斬らないからな

 また池内氏は、2015年10月21日付facebookでも内田を辛辣に非難している。内田が編集した『日本の反知性主義』を冒頭から、「予想通りひどい本だった」と一蹴、「社会悪なので、きちんと指摘しないといけない」と、続けて書く。
念のため付け加えておけば、内田樹が「フランス思想家」だと思っているまともなフランス思想研究者はいない。出版業者が商売で煽っているのを横目に見ながら、奥ゆかしいから黙っているだけ。そもそも「フランス思想家」って何だ

 内田に特に好感のない人の中にも、池内氏の非難は行き過ぎだ、と感じた方もいるかもしれない。但し、池内氏は元から己と価値観や信念を共有しない者には、手厳しい傾向がある学者でもある。エドワード・サイードアヤーン・ヒルシ・アリなども批判されたほど。
 日本の一中東オタクのBBAは優しくないから、池内氏の主張は実に痛快だった。2015年2月18日付のブログ記事「地球に棲む日々」を読めば、内田に同情的な見方も変わるのではないか?何しろ彼は曾野綾子氏をボロクソにこう罵っていたのだから。
曾野綾子の知性が不調なのは…このように低調な知性の持ち主に定期的なコラムを掲載していた新聞が存在…個人の頭の悪いのは処罰ではなく教化の対象である

 教化の対象といえ相手は1931年生まれ、未成年の学生ではない。ちなみに内田の生年は1950年、池内氏は1973年である。20歳前後年少の者が年長者を謗る点では同じだ。「地球に棲む日々」で、内田と同じく60代の管理人が云ったことには共感した
「気に食わない人間が失言をしたので嬉々として飛びついた、という感じでしょうか。ですから、南アのアパルトヘイトの実態を知っている曽野さんがそれを奨励するはずがないでしょ、というだけのことなのに、何を煽っているんでしょうね。ちゃんと全文読んだのでしょうか

 人間は有名になればなるほど、叩かれる。昨年だったと思うが河北新報の第一面に、内田と福島瑞穂の共著『「意地悪」化する日本』(岩波書店)の広告が出ていた。著者名だけで読む気にもなれぬが、アマゾンレビューにあった一文、「表紙の帯の人たちの方がとても意地悪そうな顔していますね」は失笑させられた。年を経れば、その人の内面が人相に表れてくるものだから。
その③に続く

◆関連記事:「エドワード・サイード
 「虚言で国会議員を辞任した女

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2 コメント

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こんばんわ (robita)
2017-06-13 23:18:35
mugiさん、お久しぶりです。
引用していただき、恐縮です。
「サヨク(便宜的な呼称)」は追い詰められつつあるんでしょうね。内田氏等の最近の言動の激しさはその表れなのだと思います。
Re:こんばんわ (mugi)
2017-06-14 21:49:16
>robita さん、

 こちらこそご無沙汰しておりますが、貴女もご健筆そうで何よりです。

 日本には真の意味の左翼は存在せず、実態は中韓極右やそのシンパが殆どでしょう。先月初めて河北に内田のコラムが掲載されましたが、地方紙の要請に応じたのではなく、東京新聞あたりのお下がりと思います。

 wikiにある内田の経歴に目を通したら、同じ東大卒でも池内氏とは正反対。学者の家に生まれ、真の学究の徒である後者とは対照的に学者になれなかったインテリ崩れに過ぎません。彼には数多くの著作がありますが、21世紀以降に集中している。要するにマスコミが過大評価で作り上げた“思想家”なのです。

「サヨク」が追い詰められているという見方に、私は懐疑的です。まだまだ連中にはパワーがあり、最大最強の支援者が何処なのか、想像はつくでしょう。欧州は中共と接近しており、日本には良くない雲行きです。

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