トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

新聞、ТVに出ている人だから… その①

2017-06-12 21:10:11 | マスコミ、ネット

 かつて新聞、ТVに寄稿・登場する人々は、一般庶民にとって絶対的な存在だった。彼ら彼女らは当代一流の有識者や文化人であり、その論説は権威あるもの、と殆ど文句なしに思われていた。ひと頃前なら新聞、ТVに出るだけでハクが付いたものだった。
 今やそれが崩れ、新聞、ТVに出ている人々が疑わしく見られるようになったのは、やはりネットの影響だろう。今では新聞、ТVに登場する輩、特に頻繁に出る者ほど、如何わしいと見るようになってきたのは私だけではないはず。

 他の地方紙も同様だろうが、河北新報もここ連日のように載せているのは、“共謀罪”反対キャンペーンといわゆる加計学園問題。心底ウンザリしている読者も少なくないだろが、“共謀罪”への支持者、文部科学省前事務次官の前川喜平を「正義の告発者」と思わない人々の声は一切載せない。
 報道の公平中立性など、とうに期待していないが、ここまで露骨な反政府姿勢は、2年前の安保法案騒動時と全く同じパターンなのだ。参考に河北の記事から引用したい。

 例えば5月24日の第4面には、「「共謀罪」衆院通過」の見出しで、中央でのスクリーントーン付の見出しにはこうある。「一般人も対象か/乱用の恐れは/対象犯罪の基準は」。
 新聞記事を丁寧に読む読者は意外に少なく、見出しだけで判断する人も多い。見出しだけ見ていれば、見事に「共謀罪」への警戒心と不安を煽られる。ネット上でマスコミは印象操作という批難を散々されているが、常日頃の言動から、既に悪質・姑息な印象操作が十八番と思われるようになったのだ。

 さらに権威付けとして河北のような地方紙では、東京のセンセイ方や外国人の声を盛んに載せている。ほら、他国の偉い専門家の方々もこう仰っているのだ、とダメ押しの印象操作。
 同日の第3面には内田樹のコラムが掲載され、タイトルは「立憲主義廃絶への一本道」。タイトル名で検索したら、東京新聞や信濃毎日新聞にも同じものが載ったらしく、信濃毎日新聞から全文を引用したサイトもあった。思想家と紹介しているにも拘らず、実に酷い内容だったが、次の箇所だけで支離滅裂。

私が特に興味を持つのは、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪を経由してやがて改憲に至る文脈である。これは間違いなく立憲デモクラシーの廃絶と一党独裁をめざす一本道なのだが、なぜか「国民主権を廃絶すると明言している政党に半分以上の有権者が賛成し続けている。その理由は誰も説明してくれない…

 なぜ改憲に至ることが「間違いなく立憲デモクラシーの廃絶と一党独裁をめざす一本道」になるのか、全く説明がされていない。内田の専門はフランス現代思想でもあるそうだが、「「国民主権を廃絶する」と明言している政党」というのは屁理屈にもなっていない言いがかりだ。“共謀罪”がない国の方が全くの少数派であり、内田の肩入れする現代フランスをはじめ欧米諸国の大半も“共謀罪”があるのだが。
 末尾の「日本の統治者のさらに上には米国がいる」というのは、何を今さらと感じるが、大上段ぶる結びの文章こそ、反知性主義そのものではないか。
統治者の適否の判断において「米国は決して間違えない」という信ぴょうは多くの日本人に深く身体化している。それがおのれの基本的人権の放棄に同意する人たちが最後にすがりついている「合理的」根拠なのである

「米国は決して間違えない」という信憑性を、果たして多くの日本人は有しているか?今どき重度の親米派でも、ここまで米国に心酔する者がいるのか?日本人クリスチャンには確かにその傾向が強いが、信徒数は人口の1%代の現状。
「戦後生まれの日本人は生まれてから一度も「主権者」であったことがない」というのも極論だが、この論法ならば地球上に国民が「主権者」である国は存在するのか?米国さえ真の「主権者」は多国籍企業であり、政治家やメディアは操り人形同然の代弁者と化している。

 教会支配の長かった欧州も、「家庭でも、学校でも、部活でも、就職先でも、社会改革を目指す組織においてさえ、常に上意下達の非民主的組織の中にいた」ことには目を瞑るようだ。かなり世俗化が進んだといえ、教会による政治介入はザラだし、概して宗教勢力には無知という日本の有識者の特徴を内田は自ら証明しているらしい。
その②に続く

◆関連記事:「大本営発表
 「マスコミの御用映画人

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