トーキング・マイノリティ

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QUEEN FOREVER展

2011-12-12 21:11:08 | 展示会鑑賞

 先週12月7日、東京タワーで開催されたクイーン展「QUEEN FOREVER」を見に行った。出来れば土日に行きたかったが年末で予定もあり、何とか都合のついた平日の水曜、始発バスと新幹線で東京に行き、夕方仙台に戻った。展示品が期待よりも少なかったのは残念だが、それでもファンには概ね満足させられる内容だった。今年はバンド結成40周年とフレディ・マーキュリー没後20年目にあたる年であり、改めて歳月の流れる速さを感じさせられた。
 上記の画像は展示会のチラシにも使われた写真で、1975年4月クイーン初来日時、東京タワーを背景にしたお茶会でのもの。クイーン初期時代であり、メンバー全員若々しい。最年長のフレディ(1946年9月5日生まれ)はこの時28歳だったが、やはりロックスターは若い。



  会場の入り口にも東京タワーをバックにした写真が使われ、ブライアン・メイのメッセージが添えられていた。さらに入り口周辺にもメンバーやアルバムの写真を用いたディスプレイ、会場のBGMにはクイーンのメドレー、ムードを盛り上げている。
 水曜日の午前中ということもあり、客はさほど多くなかったが、会場に来ていたのは私同様中年世代の女性が殆どだった。夫なのか、男性同伴で来ていた女性もおり、彼女に帰りのバス停の場所を聞かれたのには苦笑した。私同様このおばさんファンも“お上りさん”らしい。ちなみに私はJR浜松町駅から歩いて会場に足を運んだ。方向オンチなので、バス停を探すよりも歩いた方が早いと思ったし、東京の街並みの風景も見たかったからだ。

 会場に展示されている写真は既に目にしたものが多かったが、既にこの展示会に行ってきた「電脳東京雑記」さんも記事で述べたように、「何度か目にした事のあるものでも、大きなパネルで観ると、また、色々な発見がありますので面白かった」。17歳の頃のブライアンの写真は初めて見たが、当時はカーリーヘアーではなかったため一瞬誰?と思った。
 フレディは少年時代にバンド「ヘクティクス」を結成しており、その時のメンバーとの写真は既に見ていたが、これも会場に展示されていた。フレディも含めメンバーはインド人らしく彫りの深い濃い顔立ちだが、彼の隣にいる少年だけは東洋風の風貌なのは、少し気にかかる。

   

 会場にはフレディやブライアンのステージ衣装がいくつも展示されており、それだけでも感動モノだが、残念ながらロジャー・テイラージョン・ディーコンのそれは全くない!やはりドラマーやベーシストは人気バンドでも不利なのか。
 会場で真っ先に展示されていたのがフレディの初期の衣装で、上の画像がそれ。心なしかフレディは初期でも、黒より白い衣装姿の方が多かったように見える。個性の強い人だし、黒髪黒目なので黒は映えるはずだが、白や派手な色を好んだのもパールシーゆえ?と勘ぐりたくなる (ゾロアスター教では白色を神聖視)。

 今回の特別展で、「It's A Hard Life」(邦題:永遠の誓い)のPVでのフレディの衣装やブライアンのギターが展示されるのを密かに期待したが、これらはやはりなかった。あの衣装はメンバーからも不評だったし、あれを発明したデザイナーはもちろん、着る者の神経もスゴイ。「人に印象付けるためには思い切ったことをしなければダメだ」とフレディは語っていたが、実行するのも彼らしい。
「It's A Hard Life」のPVはファンの間でも賛否両論だし、私もケバ過ぎると思うが、そんな中でどくろのギターを持ったブライアンの存在が救いだった。まさに死の使いそのものであり、思う存分快楽を享楽する人間に密かに死神が忍び寄るという、今にしてみれば何処か暗示的なものを感じてしまう。



 それにしても、クイーン初来日時のSS席は3,500円だったことには驚く。またブライアンとロジャーから東日本大震災へのメッセージも展示されていた。1976年4月2日、クイーンは仙台公演を行っており、ブライアンはメッセージでそれに触れていたのは仙台人として泣けた。確かブライアンは1993年のソロツアーでも来仙したはずだが、口惜しいことにどちらも私は見ていない。

 

 会場の出口近くにはフレディの履いたバレエ・シューズが展示され、来場者による書込みもあった。悪筆で絵も描けない私はファンの書込みを見ていただけだったが、実に面白かった。誕生日がフレディの命日である11月24日という人のものもあったし、クイーンへの熱い想いを綴る書込みには私も共感する。
 イラストもよかった。少女漫画タッチでメンバー全員を書いている絵があり、ロジャーだけにキラキラ星マークがついていることから、ロジャーファンか?フレディのイラストにも特徴をとらえたものがあり、上手だったが、自ら「ウマイ」と自画自賛を入れていたのは笑えた。まるでフレディの自信家ぶりが憑依したようだが、絵を公開するならば、それくらいの度胸があった方がよい。

◆関連記事:「Made In Heaven/フレディ没後20年目

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4 コメント

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我は、永遠の命を、望むものなり (Mars)
2011-12-13 22:54:40
こんばんは、mugiさん。

某天邪鬼ブロガーさんも東京の大地に立ち、女王様展を楽しまれたのですか、、、。展示品が若干、少ないように感じられたそうですが、私もそう思いました(写真パネルで、それを補っているように思えましたね)。

「It's A Hard Life」ですが、フレ様に限らず、生を受けた者にとっては、常に死神が忍び寄っていますよね。でも、人というのは、昨日、一昨日と同じように明日、明後日、、、と生きられると勘違いする生き物なのかもしれませんが、、、。ま、これは逆説的なものかもしれませんが、いつまでも生きられるとか、死というものを最期の最期に感じるのは、何も人間だけではないのかもしれませんが。

ちなみに、女王様ファン暦、ん十年の某天邪鬼ブロガーさんでしたら、何か新しい発見や感動はあったのでしょうか??
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RE:我は、永遠の命を、望むものなり (mugi)
2011-12-14 22:10:18
>こんばんは、Marsさん。

 やはり貴方も、今回の展示会は出展品の少なさをパネルで補っていると感じましたか。当日券も1,800円と映画料金並でしたね。同日に行った西洋美術館のゴヤ展など、当日券1,500円でしたよ。女王ファンはこうしてボラれ続けられます。

 フレ様が少年時代を過ごした国の聖典に、「生まれた者に死は必定であり、死んだ者には生は必定であるから」(ギーター:2-27)の言葉があります。犬猫が死の直前に何を思うのか、動物学者ではないため不明ですが、死を恐れない生き物はいないのでしょうね。

 女王様ファン暦15年になる私ですが、会場では女王様テストがありましたね。私は2問はずれましたが、そのひとつがフレ様ソロアルバム『Mr.バッド・ガイ』の“バッド・ガイ”とは、世界中の愛猫家に捧げていたこと。これは予想外でした。彼は戌年生まれです(パールシーに干支は無関係ですが、、、)。

 ついでに某軍艦フェチブロガーさんが記事で紹介された茨城の振興イベントは終了らしく、一杯100円のアンコウ鍋は頂けませんでした。茨城はもちろん、他のイベントも見かけず残念。実は会場に歩いて行ったのも、この種のイベントの食べ物目当てもありました(汗)。
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素敵~!! (KV62)
2011-12-23 07:27:11
遅ればせながらのコメント、お許し下さい。
東京で…『Queen展』が、開催されてるとは、知りませんでした。大阪でも、開催しないかなぁ…。(大阪では、只今…『Michael Jackson展』してます)
現代は、1970年代からのQueenのライブツアーDVDをも、販売してるのは当時を詳しくしらない私は、嬉しい!!
PVも素晴らしいけど…彼らのコンサートでのパフォーマンスの姿!!魂を掴まれる、フレディーの声!!色褪せず、時代を越え魅入られます。
お店でヘビーにライブDVDをガンガン流し、Queenの素晴らしさを反芻してます!!(お客様には、マッチョ好きと思われてます…)

mugi様のQueenへの想いが伝わる記事に、遅ればせながら、コメントしたく、なりました。失礼しました。
ブログ記事、いつも、楽しみにしています。
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RE:素敵~!! (mugi)
2011-12-23 21:09:32
>KV62 様、

 大阪では『Michael Jackson展』が開催されていたのですか!こちらも見たいですが、大阪は遠すぎる。『Queen展』が東京でよかった(笑)。もし、『Queen展』が大阪だけのイベントだったとしても、飛行機を使って見に行ったかもしれません。

 私もフレディの死後5年目にファンになったため、QueenのライブはDVDでしか見れません。それでもサイコーですね!唯一直に見たのが、1998年11月のブライアンの来日コンサートでした。場所は渋谷公会堂で、この日も新幹線で上京してライブを鑑賞しました。Queenではなく、ブライアン・メイバンドだったのは少し残念でしたが、Queen時代の曲が多く演奏されました。
 実際に目にしたブライアン、本当に背が高かったですね。公式発表は183㎝ですが、それ以上はありそうな…とにかく脚が長い。

 この駄ブログの記事を何時も読まれて頂き、有難うございます!QueenのドキュメンタリーDVD「Days Of Our Lives」が発売されましたので、来年にでも書く予定です。
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