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デングワクチン [dengue vaccine]

2017-03-30 | Vaccine 各論

 

サノフィパスツールによる最初のデングワクチン CYD-TDV

  • サノフィパスツールのデングワクチンDengvaxia®は、初めてのデングワクチンで2015年12月9日以降、11か国で承認を受けている(2016年10月時点)。
  • 黄熱ウイルスをベースとした4価キメラ(遺伝子組み換え)ウイルス(premembraneとE genesを含む)の弱毒化生ワクチン
  • 6ヶ月以上の間隔を置いて3回接種が必要
  • ワクチンの効果は、過去のデング感染による予防接種前の抗体保有、血清型、重症度、年齢によってまちまち
  • 2~8歳よりも、9~16歳での予防効果が高く、2~5歳で接種3年目に入院を要するデング感染のリスクが上昇
  • 9歳以上で接種が可能

 

第2世代デングワクチン

武田薬品によるTDV

  • 2型デングウイルスをベースとした4価キメラデングウイルス(デングウイルス1、3、4型のpremembraneとE genesを含む)の生ワクチン
  • 2型デングウイルスのnon-structural proteinsを含むため、液性免疫に加えて、T細胞免疫(細胞性免疫)の誘導
  • インターフェロンγや腫瘍壊死因子αを産生する、キラーT細胞(CD8陽性T細胞)を誘導
  • 接種によって、2型、1型、3型、4型の順に高いGMTを誘導
  • 4価の抗体陽転率は80%以上、3価以上の抗体陽転率は96%
  • CYD-TDV同様に事前に抗体陰性の場合は予防接種後の反応が弱くGMTが漸減する
  • 予防接種前に抗体陰性者の予防接種6ヶ月後のGMTは、接種回数が1回でも2回でも3型、4型を除いて違いが見られない
  • 抗体陽転率についても同様だが、2回接種の方が、予防接種6ヵ月後の3型と4型の陽転率が高い

Reference: 

  1. Moving forward with Takeda’s live chimeric tetravalent dengue vaccine

 

関連記事:

メキシコで世界初のデング熱ワクチンが承認 2015-12-12

デングワクチン(CYD-TDV)の第三相試験の結果 2015-08-01 

サノフィパスツールによるデングワクチンの臨床三相試験結果 2015-01-11

デング熱のNS-1 2011-12-10

 

 

 

 

 


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