盤上の悪魔

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「量子コンピュータが人工知能を加速する」感想

2017年04月05日 21時35分22秒 | 人類
「量子コンピュータが人工知能を加速する」西森秀稔、大関貞之著 読了

近年実用化された、量子アニーリング(やきなまし)方式による量子コンピュータについて、量子アニーリングの提唱者自身が解説している。

このタイプの量子コンピュータの原理を、普通の焼きなまし方と量子トンネル効果だけで説明して、分かったような気にさせてくれる。(量子コンピュータ絡みの本で、分かったような気になったのはこれが初めてだ)


量子アニーリング方式の量子コンピュータが解けるのは組み合わせ最適化問題だけのようだが、この種の最適化問題はあらゆる分野に存在する。

また、AIの学習にも応用でき、AIの能力を飛躍的に高める可能性があるという。



これまで実験室レベルの非実用的な形でしか存在していなかった量子コンピュータが、実用レベルに達してすでに現実に社会で使用されているというのは衝撃的だろう。

これまでのコンピュータは本質的には人間の脳と大差ない仕組みで機能していた。

その情報処理能力はある程度生物の脳と比較可能であり、ニューロンが行っている情報処理量をどうとらえるかによって多少違いがあるものの、最近になって、ようやく人間の脳の情報処理量をコンピュータが超えた程度である。


しかし、量子コンピュータは生物の脳の情報処理とは全く異質であり、ある種の課題については、脳に比べて、10倍、20倍どころか、10の何十乗倍といったレベルの処理能力の高さを示す。

その情報処理能力を効果的に応用できるようになれば、これまでのコンピュータ、人工知能の進歩の歴史から予想されるレベルを遥かに超えた能力を発揮する人工知能が誕生する可能性もある。



人間の脳がこれまで成し遂げてきた成果を考えれば、それをある面で遥かに凌駕する知能が何を成し遂げうるのか、空恐ろしい。
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