盤上の悪魔

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終末論法の問題点リスト

2017年06月10日 21時31分57秒 | 人間原理
人類が、滅亡せずに宇宙に広がる可能性がある程度あるなら、宇宙に広がる前の時代に生きる人間は非常に少なく、自分が宇宙に広がる前の時代に生まれる可能性も非常に低い。

しかし自分が見ている世界は、人類が宇宙に広がる前の世界である。

従って人類が滅亡せずに宇宙に広がる可能性は低い。


この終末論法の論理にはそれなりの説得力はあるが、使っている方法が通常の統計的な手法とはかなり異なっており、その特殊な手法になにか問題や限界がないかは検討する必要がある


まず、サンプルを選択する過程が存在しない。

通常の統計ではサンプルを選択する手法は、統計の精度に大きく影響する重要な要素だが、終末論法の場合は、終末論法を知った、あるいは思いついた段階で、その知った本人が自動的にサンプルになり、またサンプルとして自分を選択しない、ということもできない。

いわば、自発的、自動的なサンプル化であり、通常の選択されたサンプルとは異なるわけだ。

この差がなにか問題を引き起こさないか検討は必要だろう。


また、サンプルが決まってから、母集団を決めるため、母集団を恣意的に選べば、サンプルを外れ値にすることも可能だ。

例えば、自分の身長が170㎝、体重65㎏なら、身長170㎝、体重65㎏以下の人間、という母集団を作れば、自分が最も背が高く、もっとも体重が重い特殊なサンプルだ、ということにできる。

母集団の決め方に結果を歪める点がないかは検討が必要だろう。


さらには観測選択効果の影響も検討する必要がある。

たとえば、バナッハタルスキーの定理を使って問題を解いている人間がいたら、その人は20世紀以降に生まれており、ほぼ確実に数学者か物理学者か、そのたぐいの人間だ、とわかる。

バナッハタルスキーの定理ほどではないにせよ、終末論法は普通に思いつく手法ではないため、その論法を使って問題を検討している人間も限られている。

この終末論法を使うことによる観測選択効果が働くため、終末論法の効果が弱められる可能性がある。


他には、母集団の取り方にどのような制限があるのか、という問題もある。

特に重要なのが、AIも母集団に含めることが可能かどうかだ。

これにより、終末論法の意味が大幅に変わる可能性がある。

この問題にも観測選択効果は大きくかかわってくるだろう。


ジャンル:
科学
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