うなぎなう

あなたが笑ってくれると、オレはとても嬉しいです。
じっくり読んで、笑いましょう。

お残しは許しません。

2017年03月27日 | 
『テンプレート式 超ショート小説の書き方 高橋フミアキ 総合科学出版 1400+税』に書いてある、葛藤1のテンプレートを使って、自分なりの「ショートショート(≠超ショート小説)」を書いてみました。
おもしろいかどうかはともかく、ショート小説の形にはなっていると思うので、小品ではありますが、ここで発表することにしました。
食べすぎて「死ぬ」という状況を、ぼんやり設定してから発想していったら、こんな感じになりました。それではみなさん、読んで研究するよろし!


本当なら、働かず、どこか真夏のビーチで、見知らぬかわいい女の子をナンパしたい。
しかし、それはできない。
なぜならば、思うように昇級できないこんな安月給で暮らしていくには、休みを返上してでも働かなければ生きてゆけぬからだ。
時間は刻々とすぎていく。
ワタシはどうすればいいんだ。
年老いた両親、優しく美しい妻、生まれたばかりの子ども。
すべて、今のワタシの働きで養っている。

周囲が騒ぎはじめた。
「さぁ仕事だ。まずは何から始める!?」
ワタシは椅子に腰掛けて、目の前を、右から左へと流れていく、ベルトコンベアを見つめた。
ワタシが座り、目を向けたその先には、今まさに横切ろうとする「誰かが食べ残したピザ」があった。
チーズが少々干からびていたが、この程度なら、それほど問題でない。

ここは、仏領マルセイユ、地中海に望むかつての商港に近いカフェレストランの地下。
ここには、地下食糧品最終処分場がある。
そこでワタシは、「飲食官」を勤めている。
「おいレイノル。このピザ2切れは、後ろの電子レンジで温めておいてくれ。ワタシはその間に、コイツを平らげるから」
レイノルと呼ばれた5歳ぐらいの少年は、小学生のワタシと少ししか年齢は違わないが、ここでワタシの助手をやらせている。
利発そうなその助手は、頷くと皿ごとピザを電子レンジに入れた。
ワタシは、そのピザ2切れの次に流れてきた、食べかけの肉団子とフライドポテトを重ねてからフォークに突き刺すと、口に運ぶことに決めた。
もちろん食べるためにだ。
ここでは、食糧は残してはいけない。
食べることができる者は、幸せなのだ。
ありがたく命をいただく。
食べ物への感謝の気持ちと、命の成仏を祈るために、手を合わせて拝むのだと、近所の僧侶が言うのを聞いたことがある。
「いやはや、今度は揚げ物か。こいつは手強い」
後ろで、電子レンジが設定指示分だけまわった、場違いに明るい合図の音がする。

チン!

レイノルが、すかさず電子レンジの扉を開けて、先程のピザを取り出す。
そして、ワタシが置いた揚げ物の皿の横に、取り出した皿を置く。
「そうきたか。揚げ物にピザ。いわば鬼に金棒、ブスにカネボウ」

それらの皿の食べ物を食べる間に、食べかけのパスタが皿に乗って流れてきた。
食べ残しの料理を口にするのは、気分的に下がりこそすれ上がるものではない。
しかし、我々は、秘薬の「卓上スパイス」をかけて消毒するので、何も心配することはない。
食べ残しの料理。
オーライ、それらすべては、我々にとってご馳走(ごちそう)だった。

ここは未来都市。
生命力の弱くなった人間は、食糧から生命エネルギーを得るのに、食べることはしなくなりつつある。
食べ物は、相変わらず、貴重で大切だったが、人類は「食べる」という行為を捨てようとしていた。
食べ物から、エネルギーを摂取し代謝できない、多数派の「赤ん坊」しか生まれないのだ。
それら短命な「赤ん坊」たち。
「食べる」ことをほとんど捨てた人々は、みな、小学生にもなれぬうちに死んでいくのであった。
生物は、そもそも、生きていくには食べねばならない。
食べてゆかねばならぬのだ。
レイノルは、数少ないワタシの「飲食官」の後継者でもある。
縦より横に厚いワタシやレイノルの体。
食べ物を摂取しようがしまいが、我々未来人の体は、充分にエネルギーを代謝できないせいか、一様に太っていた。

「あーもう食べられない」

異様に突き出たお腹をなでて、そんな日は、いつもよりグッスリ、眠れる気がする。

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男と女のLoveゲーム。

2017年03月20日 | 作品
異性と仲良くなりたいとき、キミならどんなふうに話しかけるだろう? 
女性は男性と比べて、最初、印象が固いというのが一般的な常識だ。
比較的、男の扱いに慣れているはずの風俗嬢でも、やっぱり初対面の印象は固い。

「私は、あなたのことが知りたい」

大切なのは異性に、このメッセージを会話の端々で立ち上らせることである。
そして、「オレはいい男、きみはいい女(映画「スパイダーマン」より)」という結論まで伝えることが出来たなら、じゃじゃ馬で名の知れた風俗嬢であっても、その心はすでにキミのものだ。

ひげの濃い男性は、女性と会うことになったら、出来うる限りひげを剃ることを勧める。
ひげ面は、女性に嫌われる。
密着したときチクチクするからだ。

そう言うオレは、そろそろ更年期か。
オレにとって、風俗の話は、もう「タイムカプセル」扱いであるようだ。
だって、欲をかいて「赤まむしドリンク」なんて飲んだせいか、朝立ちもしなくなってきた。
性欲減退な男なんて、男のくせに「アルマジロ」じゃなくて「あるまじき」形容。

とうとうオレも、セックスレスの小径(こみち)に迷い込んじまったぜ…。

こんな事を言うと嫌われそうだけど、オレはもう、性風俗の店には行かないと思う。

(かつてオレが高校生だったころ、オレは友達に「オナニーなんてしたことがない」って豪語していた。ふざけてでもなくマジメに。モテるからというわけではなくウブ面で。その方が異常なのに…。内省的に問題のある青年でした。――こんなエピソードって、かっこ悪いし言いたくない。でも「言ってくれ」って言われた、幻聴に。オレは、どこまでが純粋に自分の文章能力なのか、自分でも計りかねている。)

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メモ様、神様、仏様。

2017年03月13日 | 日記
以前、オレは毎年、日記帳・メモ帳代わりに、小型の手帳を携帯(電話のことではない。所持しているという意味で)していると言った。
だが、人生のビギナーであるキミたちは、どのようにしてその手帳を活用していけば良いのやら、はたと困るかもしれないと想像する。
そこで、春うららうら若き女性のみ、スキン湿布(=スキンシップ)して教えるのが好きなこのうなぎが、もう少し、「えいやぁっっ」とばかり一肌脱ぎやしょぉぅっ!

例として使用するのは、ダイゴーの手帳 E1020である。

まず、適当なところで開いて左側は、1週間分ずつの空欄。
オレの場合、2017.12.14の欄には、ローソンクリスマスチキン予約、TVブロス350円、と書いてある。
ここでは、簡単にその日一日の特筆すべき出来事などを箇条書きにすることにしている。
あとから見て思い出せるように、たくさんその日したことをキーワード化して書いてもいい。

開いて右側の、広い罫線欄には、例えば「レビュー、カテゴリー、シナリオ(脚本)」とあったりする。
言おうと思っても、すぐに出てこぬ情けないカタカナ言葉をメモした。
他に、「復古創新(ふっこそうしん)」と電子辞書に載ってない四文字熟語が書いてあったり、店員の対応要確認「お待たせしました。こちら○○になります」というような記述もある。
これは、自分がもし飲食店でアル「バイトするなら、タウンワークって言っちゃえよ…(松本人志のタウンワークのCMより)」ではなくて、ウェイターはどのように食べ物を給仕するのかと疑問に思ったためにそういう書き込みをした。

情景描写や、発作的アイデアなど、この右側の欄は自由に自分で利用されることをおすすめしたい。

後になってから、そのメモの断片をつなげると小説なんかになったりすることもあるのだっ。
元々、忘却の機能を備えたヒトの脳に対抗するための、ありがたいメモの効能である。

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詩Vol.7 Fighting 東北。

2017年03月06日 | テレビ
昔、僕が住んでた家は、今はない。
昔、僕が遊んでいた空き地も、今はない。
あの日の、寒くて凍えそうな夜を、僕は忘れない。

家を流され、僕はブルブルと震えていた。
家族も、友人も、ペットも、流木と同じように流された。

津波から逃れることができた僕でも、
それ以上は歩くこともできなかった。
真っ暗な闇の中では、かがり火のような炎だけが、揺らめいていた。

うつむいてうずくまる僕は、ショックで心を潰された。
愛を――奪われた。
みんな、みんな、みんな。

でも、
声は失ってない。詩を紡げる。小説が書ける。

生きていく。誰よりも生きていく。

胸を占めた哀愁と向き合って、
生きていく。生きていく。

必死に、がむしゃらに、生きていく。

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