うなぎなう

あなたが笑ってくれると、オレはとても嬉しいです。
じっくり読んで、笑いましょう。

今日のこの日が、あの時の明日ではない。

2014年11月28日 | 作品
暑さの厳しい夏の日から、いちじ抜け出せたかのようなある日の夜。
オレたちは、岐阜公園へ出掛けて、涼をとって少し話す気になっていた。
オレが覚えている記憶の断片をつなぎ合わせて、ノンフィクションに仕上げてみた。

  (いま一歩、オレと彼女は、お互いの内側に踏み込めないでいた)

彼女「ダメですねぇ先輩。いったい今、いくつなんですかぁ? 」
   そういう彼女は当時18歳。まだ女子大生になったばかりだった。
   猫のような目が特徴的な、背の低いサークルの後輩だった。
オレ「歳? 何で今更そんなことを聞くのでしょう? もしかして、とうとうきみも、オレのホントの魅力に気がついたん? 」
彼女「そう言う訳でもないですけど……、いくつですか? はっきり教えて下さいよぁ」
   岐阜公園内には、簡単な動物園はあるものの、無料開放しており、狭い敷地に住宅が周りを囲んでいた。
オレ「こう見えて、とは言っても、夜だからあまりかっこいいかどうかも見えないだろうけど、何を隠そう21歳だ。ハタチを超越していまったのだ。どうだすごいだろう参ったか? 」
   はばかりながら、サークルの主将を大学3年生で任されていたオレは、アルバイトにサークルに、それなりに忙しい毎日だった。
彼女「先輩、それで恥ずかしくないんですか? 」
   そこでオレは、少し周りを気にした。
   この夜更けに、たとえ大声でなくても、周りの家の人たちにまる聞こえではないかと、少し気にした。
   彼女はここで、オレの何を知りたかったのか、あるいは、何かをたしかめたかったのかもしれない。
オレ「何をもって恥ずかしいのだ? オレはこう見えても、浪人は経験してないのだ。胸を張っての現役合格だ」
   オレは、2才年上なのに、年下でも通用するような、ふざけた話し方をしていた。
  「オレのモットーは、どうでもいい、それでもいい、なんでもいい」だと。

   何がどうでもいいのか。
   どうしてそれでもいいのか。
   なんでもいいとは何を指すのか。

   意味もないのに意味ありげな言い方をして、彼女がいぶかしげるのも無理はなかった。
   それでも他にもたくさん、オレと彼女は、話をした気がする。

   この公園トークは、公園沿いに住む住人に、わざとらしくビシャッと雨戸を閉められたのを合図に、未消化で切り上げた。

   涼しい風が、次に訪れる短い秋と、寒い冬の知らせを告げていた。

   聞いてくれ。
   ここでリクエストするのは、バックナンバー SMAPの『夜空ノムコウ』。

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