・Shinichiro Izuta, Masaaki Ueki, Masaki Ueno, Kahoru Nishina, Shunichi Shiozawa, Nobuhiro Maekawa. T-5224, a selective inhibitor of c-Fos/activator protein-1, attenuates lipopolysaccharide-induced liver injury in mice. Biotechnol Lett. DOI 10.1007/s10529-012-1022-4.
これは、我々のsave sepsis project関連の論文です。On line firstで出ています。
敗血症の治療では、Toll like receptor 4へのLPSの結合を阻害する物質や産生された各種の炎症性サイトカインの中和抗体などが、動物実験で報告されていますが、臨床trialではうまくいきません。
臨床では、グラム陰性・陽性混合感染もあり、また単一のサイトカインの阻害してもうまくいかないのが現状です。
私たちはこの転写因子c-Fos/activator protein-1阻害剤が敗血症性肝障害でのTNFなどのサイトカイン・ケモカインを抑制するが、抗炎症性サイトカインであるIL-10産生に影響を与えず、予後を改善することを報告しました。
この物質は各種の炎症性サイトカインの産生を誘導する転写因子の一つである、activator protein-1が各種炎症性サイトカインのDNAのpromotor 領域に結合するのを阻害する物質です。
この物質が開発され、慢性関節リウマチに有効であるとの報告は、共同研究者である塩沢教授がnature biotechnologyに報告しています。
Treatment of arthritis with a selective inhibitor of c-Fos/activator protein-1. Nat Biotechnol. 26: 817-23, 2008.
save sepsis project関連の論文はこれからいろいろ出てきますが、敗血症で亡くなる患者さんが少しでも減少するように、探索医療研究を続けたいと思います。