エリートと貧民のキメラブログ

今はエリート、出自は貧民、思ったことをつらつらと

人は生きているのではなく生かされている、ということ

2017-07-30 23:21:48 | 生死
私には、2つ年下の弟がいました。

享年26歳。自殺でした。
弟が死んだと、連絡を受けた瞬間、足元が崩れ落ちるような感覚を覚えました。
その瞬間からの数日間の出来事は、今でもはっきりと覚えています。

忘れることはできません。


私には、弟が死なねばならない理由がわかりませんでした。

今でもわかりません。

遺書には、借金があります、とありました。100万円ほどでした。

私は、あの優しい弟が、これしきの借金で家族に悲しい思いをさせる選択をするはずがない、
何か他に理由があるはずだ、と思い、弟の携帯を徹底的に調べて、理由を探しました。

仕事が大変だったこととか、お金に困っていたこととか、友人や同僚とうまくいっていなかったこととか、色々わかりました。でもどれも、弟が死なねばならぬほどの理由とは思えませんでした。

なぜ、なぜ、と、弟がこの世からいなくなったことを中々受け入れられず、本当につらい日々を過ごしました。弟がいなくなった悲しみと、誰かが弟が死に追いやったかもしれないという猜疑心と、やり場のない怒りとで、私は少し変な精神状態でした。


「大丈夫、あなたには、私と息子がいる」


妻のこの一言に、私は、少し正気を取り戻しました。
生き続ける気力をもらいました。そして、生きる責任を感じました。
私は、妻と息子に生かされているのだと強く思いました。
そして、私は、はじめて、人は生きているのではなく、生かされているのだという言葉の意味がわかった気がしました。

そして、それと同時に、私は弟を生かしてやれなかったのだと思いました。

きっと、あいつは元気にうまくやっている。
そう思って連絡をろくにとっていませんでした。
弟が困っていることがある可能性など、まともに考えませんでした。

弟は、自分が死んでも私があまり悲しまないかもしれない、借金で私に迷惑をかけるくらいなら死んだほうがいいかもしれない、そう思ったのかもしれません。

私は、弟のことが大好きでした。今も大好きです。
いなくなったら困る存在でした。

今ごろ文字にしても遅いのです。涙が出るほど、自分を愚かだと思います。私は、弟を大事に思っていることを、本人にきちんと伝えていなかったことを、本当に後悔しています。



もし、自殺したくなったとき、あなたの周りに、あなたを大事に思っている人はいないですか。もしかしたら、その人は、あなたが思っているより、あなたのことを大事に思っているかもしれません。

もし、あなたが思いを伝えることが苦手だと、あなたは私のように後悔するかもしれません。大事な人には、常日頃、あなたが大事に思っている事実を伝えたほうがいいと思います。あなたの言葉が大事な人を生かし、その大事な人が自分を生かすと思うのです。



もうすぐ、弟の一周忌になります。
これまで、弟に、なんで言葉をかけていいかわからなかったのですが、
手を合わせて、大好きだと、何度も何度も伝えようと思います。

そして、私は、私を生かしてくれた妻と子に、大好きだと、きちんと言葉で伝え続けようと思います。


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