さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

ブリューゲル「バベルの搭」展〜ミクロの住民、マクロを観る〜

2017-05-20 15:25:53 | Wednesday 芸術・スポーツ

…その昔、言葉は一つだった。

 人々は「頂(いただき)が天に届く搭を建て(、名をあげ)よう」とした。

 神は人の驕りに怒り、彼らの言葉を混乱※させた。

 それゆえ、その町の名は「バベル」※と呼ばれた…

(旧約聖書・創世記11章から)





 先週末、友人らとともに、ブリューゲル「バベルの搭」展に行ってきた。

 ブリューゲルの描いた「バベルの搭」(The Tower of Babel)は2つあり、1つはウィーンに、もう1枚はオランダ・ボイマンス美術館にある。
今回、後者の「バベルの搭」(通称「小バベル」)が、24年ぶりに来日した。

 今回の作品展は89点と少なく、美術展に慣れていない人にもとっつきやすかったと思う。




(ヒエロニムス・ボス「放浪者(行商人)」1500年頃 油彩、 Rotterdam, the Netherlands。
 この「放浪者」は初来日。16世紀ネーデルランド画壇で一大旋風を巻き起こしたというボスの作風を、ブリューゲルも模倣していた…らしい)





 バベルの搭。

 様々な人々が描いたこの主題を、ブリューゲルが描いたのは、

グーテンベルグが活版印刷技術(1450)を発明した頃から約120年後、
レオナルド・ダ・ヴィンチが「最後の晩餐」(1498)を完成させたときから70年後、
ルターが「95カ条の提題」(1517)をつきつけたという年から約50年後の

1568年、

ブリューゲルが亡くなる1年前だった。



 今回の美術展では、3Gで、このブリューゲルの描いた「バベルの搭」を再現し、ミクロとマクロの視点を呈示してくれていたのが良かった。

 恐らく、この「小バベル」だけを観るならば、見逃していたであろう、
建築資材の瀝青?(漆喰、アスファルト、石灰など諸説あり)の白いあとや、その粉をかぶって真っ白になっている人々。
赤いレンガのあと。



一つひとつ、様式の異なる窓。
正確に描写された船舶、
当時の建築技法、

当時の農村の細かな描写が、

「バベルの搭」をモチーフに、そこに再現されていた一方、


人々が築き上げようとした円形の巨搭は、雲を突き抜け、
画面いっぱいに、
「天に届く」ように描かれていた。






にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ


◻ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの搭」展

会期   2017年4月18日〜7月2日(日)
会場   東京都美術館(上野)
開館時間 9:30―17:30(金曜のみ20時まで)、月曜休日

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 2017.05月上旬 ニュースメモ | トップ | Psalm 77:11-12 »
最近の画像もっと見る

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。