亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

サルコジとギリシャのデフォルト

2012年02月20日 14時51分22秒 | 国際情勢

本日220日月曜日は、プレジデンツ・デー(大統領の日)でNY市場は休み。したがって週末のNY市場の金価格は連休前のファンドの手仕舞い売りが終盤に掛けて出たと見られる。終わってみれば週足で0.6ドルの上昇と横バイ。

 

そのNYが休みの本日は、延期されたユーロ圏財務相会合が開かれる。ギリシャ問題に関しては、この週末にドイツなどから支援合意に前向きの発言が流れており、株式市場などを中心に楽観的な見方が台頭している。その一方で、支援決定が先送りされた理由となる「ギリシャの政策実行力に対する疑念払拭」、さらに削減項目から除かれた年金減額分の32500万ユーロ(約340億円)の代替削減対象を探る動きがギリシャ国内で続いている模様。財務相会合は、ブリュッセルで現地時間20日午後3時半(日本時間同午後11時半)に始まる予定となっている。

 

まとまった国債の償還が320日だが、政治的な視点でモノを申せば、選挙戦が本格化しているフランスのサルコジ陣営にとって、このタイミングでの無秩序なデフォルトは絶対的に避けたいだろう。ギリシャに限らず値下がりした域内の国債保有で傷んでいると名前が最初に挙がったのが、BNPパリバやソシエテ・ジェネラルなどだった。選挙前に混乱は避けたいところ。さらに対立する社会党オランド候補に支持率で水を空けられているサルコジにとって、選挙までには一定の成果を出しておきたいのは言うまでもない。オランド候補は、足元のドイツが主導する緊縮策を軸にしたやり方には反対を唱え、一定の成長策をとるべしとしていることは、対応策のここまでの流れを変えて不安定要因を入れたくないドイツなどにとっても避けたいところだろう。つまりユーロ圏内でもフランスの政権交代で波風を立てたくないわけだ。

 

これは不透明要因を嫌う金融市場とて同じではないか。先週は、パリでの英仏会談ではキャメロン英首相がサルコジ支持を表明との話もあった。まぁ、選挙は水物ゆえに結果はどうなるかわからない。こうした環境を考えても、本格支援にしてもつなぎ融資にしても320日のギリシャ問題は無難に通過させる方向に傾いているように見える。


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1 コメント

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Unknown (fairlane)
2012-02-20 18:25:52
サルコジ大統領は選挙となるとかなり荒っぽいことをするのに定評があるので、さて有権者はどうみるのでしょう。。。 ドビルパンさんをハメた事件はかなり報道されたし。 

フランスに限らず、各国国民が、ユーロ圏は同胞と考えて投票行動するか.ですよね

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