亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「米政治リスク」が「国際政治リスク(地政学要因)」に拡大する展開

2017年12月06日 23時11分57秒 | 金市場

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認める演説を行い、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転する方針を発表するという。もともと公約に掲げており政権がスタートした時にも確認されていたが、選挙を戦うために掲げた公約という側面はあれ、娘婿のジャレッド・クシュナー(現大統領上級顧問)を考えれば(敬虔なユダヤ教徒のユダヤ系米国人)タイミングを見ていずれそうした動きに出るものと思われた。

今がそのタイミングなのかというと、国際情勢上は中東ではサウジとイランの関係がサウジによる一方的な国交断絶宣言から2年近く経過しており、イエメンまたシリアを巡り両国間の緊張が高まっていること。ここにきてイランに政治的に近いということでカタールとの断交で40年近く続いて来た湾岸協力会議(GCC)が空中分解しそうな雲行きのときに、さらに混乱のタネを撒くような動きといえ火に油を注ぐがごとき方針といえる。

イスラムが割れているからこそ、この問題を持ち出したという側面もなくはないが、やはりフリン前補佐官がモラー(特別検察官)の軍門に落ち、捜査の手がクシュナーに迫る気配の中で、今のうちに親イスラエル的な既成事実を作っておこうということか。あるいは国民の目を外に転じさせようという、よくある政策手段ということか。

ところで、5日の取引では金のみならず銀やプラチナ、パラジウムなども軒並み下げ、産業用メタルの代表格で知られる銅もNY市場の取引で前日比3.5%の大幅安となった。WTI原油が上昇で取引を終了したにもかかわらず、代表的な商品指数であるロイター・コア・コモディティCRB指数が前日より低下し11月1日以来の187ポイント台まで下げており、コモディティ全般の下げがきつかったという印象。

金市場を押し下げることになったのは、週明け4日に米下院が(2日に上院が税制改革法案を可決したことを受け)先に可決している下院案との相違を調整する両院協議会の設置を賛成多数で決定したこと。上院も今週中に同様の採決をする見込みで、懸念されていた年内の改革実現に向け前進しているとの期待感が高まっている。ただし、こうした状況の中でNY株式市場も主要3指数は軒並み小幅安で取引を終了しており、税制改革に対する期待といっても一巡感があるのは否めない。全体を勘案するに貴金属市場の下げについては、利上げが確実視されている来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした、ファンドのポジション整理の売りを映したものと思われる。

このところの経済指標の良さから好調持続を読む週末の米雇用統計。さらに米国財政をめぐる議会の議論も波乱なしを読む市場。利上げが確定的な来週のFOMC。今週から来週初めにかけて金は安値を出しやすい環境にあると見られる。もちろん、それゆえ何かが予想を違える結果となると、金のみならず市場は波乱含みに。

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Unknown (fairlane)
2017-12-08 14:49:52
ネタニヤフ首相が演説で、エルサレムは3000年の昔からイスラエルの首都であり。。と言っているのを聞いてびっくりです サウル→ダビデ→ソロモンの三代王朝のときにソロモンが首都をエルサレムに移して、初代エルサレム神殿を作ったのがBC1000年くらい そこから勘定して3000年と 旧約聖書の世界ですもんね。。 
イエスの磔がAC30くらい 聖墳墓教会がAC300位の建築
岩のドームの建築がAC800~900でしょうか 
そうなるとイスラエルの言い分が強くなるのですが、3宗教とも聖地故譲りはしないでしょうから、今の高度なバランスは守るでしょうね アメリカだけの行動で終わりそうです

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