亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

日付が変わって31日になってしまった

2005年05月31日 00時30分31秒 | 金融市場の話題
(0;28)フランスのEU憲法批准を問う国民投票は報道されているように否決された。続く6月1日のオランダの投票もほぼ否決で市場の方は織り込みつつある。この状況を受けユーロは対ドルで1.25ドルを割れるところまで売られ7ヵ月ぶりの安値となっている。先行して売られていたのでショック安という状況ではないものの、じりじり値を崩す展開。そして金市場はというと、ここまでのところ、やはり連動はしていない。スポット価格は若干安いが通常の範囲内でユーロ安の影響とは言えない。欧米市場が休みなので日本時間の明晩の取引がどうなるか。考えてみれば、シラク大統領が反対派の声が大きくならない内にと投票日を早めたが、主要市場が休みというのも5月29日に投票日を設定した背景かもしれない。結果に対するパニック的な市場の反応を抑えるには、冷静に分析する時間が必要で、市場の取引が休みのこうした機会が好都合との進言があったのかもしれない。確かにフランスの反対は、EUの先行きを考える際に、想定された材料では無かった。ただ選挙が近づくにしたがい反対派の優勢が伝えられていたので、市場は織り込んでしまっている。ここ2日ほど中東地域からの金需要の高まりについて取り上げたが、これもユーロからの逃避資金が金に回っているという側面がありそうだ。つまりドルでもユーロでもない無国籍通貨ゴールドという選択である。

それにしても「EU(欧州連合)」という流れは、ヨーロッパが実施している壮大な金融経済また政治上の実験といえるが、思うにそれが西の大実験であるなら、東では「社会主義市場経済」という矛盾する要素を一緒にしようとの、これまた壮大な実験が進行中である。そしてこちらの方がEUよりも先行きは険しそうで、かなり綻(ほころ)びが目立ってきているようにも見える。下手をすると、こちらこそ分裂する可能性もある。もちろん中国の話である。
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