亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMC議事録が示す見解の相違。ファンドの手仕舞い売りは一巡。

2016年10月13日 16時24分18秒 | 金市場

さて日本時間の本日早朝に公開された9月のFOMC議事録要旨の内容には、サプライズはなく、年内の利上げを示唆した声明文やイエレン議長の記者会見の内容と整合的なものだった。その後も連日のように続いている地区連銀総裁などの発言とも符合するものだった。ただし、追加利上げの見送りを支持したうちの数人が「ぎりぎりの判断だった」としていることが判明した。FOMC委員の数名は「経済情勢が予想通りに展開すれば、比較的近い将来に利上げが適切になる」との見方を示した。一方で、物価がさらに目標に近づくまで待った方が良いとの意見も数人いた。このあたりは誰がどちらに属するかおおむね検討はつきそうだ。

雇用市場には若干の“緩み”が残っているとの指摘があり、慎重な対応を求める意見もある。
この点は12日にNY州の経済団体が開催した会合でのNY連銀のダドリー総裁の発言がわかりやすいだろう。同総裁は、米雇用市場は「まだ完全には引き締まってはおらず、労働力が十分に活用されていない」とした。この内容を、議事録は“slack (緩み)”が残っているとしている。10月7日に発表された9月の雇用統計では、失業率が前月の4.9%から5.0%に上昇していたが、それは一時は職探しをあきらめていた人が、労働市場に明るさが出たとして職探しに復帰した結果押し上げられたもので(労働参加率の上昇)、むしろ明るい傾向とイエレン議長などは捉えているとみられる。つまり、そうしたいい流れに水を差すような利上げは見送った方がよい、というのが慎重派(ハト派)の言い分というところ。

いずれにしてもFOMCは、利上げに向けた意思はまとまっているものの、出来れば12月に上げたいということであって、その要件の細目については意見が割れているということになる。労働市場が過熱しており早晩賃上げが現出し、インフレ傾向が高まるとあわてて利上げしなければならず、その際には0.25%(25ベーシス)では済まない。よって利上げすべしという数名と、いやいやまだまだ“slack (緩み)”が残っているという数名のせめぎ合いとなっている。

12月利上げの可能性は高いが、必ずということでもないというのが実態と思われる。金市場が1250ドルでサポートされている背景と思われる。9月の米雇用統計の発表を前に活発化し、その後の指標の良さに加速したファンドの手仕舞い売りは、すでに一巡しており、足元で内部要因からの売り圧力は後退している。週末の米小売売上高など、個別の指標への反応が大統領選まで続くことになる。



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