亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金市場の面白さ(興味深さ)

2018年02月22日 00時07分03秒 | 金市場
金市場の話で、2017年の中国とインドの需要がプラスになったというデータ。大手の貴金属調査会社トムソン・ロイターGFMSが発表する需給統計、さらに後発のMetals Focusのデータ、それらを利用し独自情報で加工したワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータともに、2017年のインド、中国の金需要はプラスという結果となっている。

年前半が過ぎ、夏から秋口までは確か、全般的にパッとしないという印象だった。それぞれの国内要因から、金需要は低迷しているという受け止め方をしていた。したがって、手のひらを返したかのような2017年の結果は、サプライズといっていいだろう。年の後半に阻害要因が徐々に後退し、特に10-12月期の需要の伸びが顕著だったということになる。

金市場が株や債券さらにFX市場と異なる点は、現物需要に代表される個人の買い“実需”の裾野の広さだろう。新興国の個人による金および金製品の買いは、派手さはないものの、まとまると時に相場の下支え要因として力を発揮することがある。

たとえば金需要で中国と首位争いを演じているインド。金需要の塊は農村部での現物買いにある。光り輝くものに特別な意味があるヒンズーの教えもあって、人々は金を求める。将来の値上り期待というよりも金現物自体を保有する、身に着けること自体に意味がある。当然ながら、今夜あと数時間後に発表されるFOMCの議事録など、存在すら知らないし興味もない。一方で、その内容次第ではまとまった買いあるいは売りを出そうと、スタンバイしているプロの投資家がいる。

何を言いたいのかというと、金融知識や売買手法などの点でまったくの素人もバリバリのプロの投資家も、同じ土俵の上に乗っているのが“金市場”だということ。時に素人軍団がまとまり、プロを蹴散らすことがあるのが金の金たるところであり、面白いところでもある。


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