亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

下げない金

2017年12月21日 21時57分06秒 | 金市場
懸案の米税制改革法案は現地時間20日未明に上院で可決され、午後には下院にて再可決された。下院では19日に可決したものの、手続き上の不備があったとされ20日にあらためて採決された。過去いろいろ起きてきた土壇場での反乱劇は起きなかったのは、やはり来年の中間選挙をにらんでのものだろう。対有権者ということもあるが、有力支持層(政治献金)の意向を反映したものといえる。後は大統領の署名を待つのみで、トランプ政権が目標とした年内成立にメドがたつことになった。にもかかわらず、政治的事情からすぐにサラサラ署名とは行かないらしい。

成立した大型減税は(机の上では)経済成長を加速させ、金利の上昇につながる要素となる(良い金利上昇)。一方、財政赤字の拡大も予想されることから、国債の増発(赤字の拡大)を通じた金利上昇の可能性もある(悪い金利上昇)。どちらにしても、当面の米国景気には追い風になるもので、ドル金利上昇の可能性を高めるものといえる。

にもかかわらず12日の金市場は、1260ドル台半ばから後半の水準を安定的に推移した。欧州時間には、前日同様ドイツ国債が売られ金利は上昇。先週初めには0.2%台まで下がっていたドイツの長期金利は、12日は一時0.42%台まで上昇、0.403%で終了した。この流れの中でユーロが買われ、12月1日以来の1.1902ドルに上昇。反対側で起きるドルの軟化が、金をサポートした。

米長期金利の引けは2.497%となった。これは今年3月17日以来9ヵ月ぶりの水準。ここにきての急ピッチの上昇は、経済の大きな流れに沿った金利上昇ではなく、年末に向けたファンドの債券持ち高(ポジション)の調整売りがホリデーシーズンの取引の薄い中で誇張されているのではという解釈されている。金利急騰に一般的にネガティブナ反応を示すことの多い金が逆行高となっているのも、そうした文脈でとらえられている。

そういえば、英テレグラフ紙が米国が北朝鮮に対して、先制攻撃の準備をしていると報じている。 急な話ではなく、この数カ月で軍事的解決に向けて準備してきたというもので、そうした動きがあってたとしても不思議はないという内容。攻撃の標的として、新たなミサイル実験の前に、ミサイルの発射台や軍事備蓄品の倉庫への攻撃を考えているとされる。かかる状況の中で、最終的な選択肢として、準備していても何ら不思議はないと思われる。実行した場合は短期決戦が前提だが、実戦は何が起きるかわからないゆえに難しい。想定される事態の軽重を客観的かつ繊細に判断する必要がある。

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