亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドル建て金利とドル急騰で悲鳴をあげる中国

2016年12月20日 23時17分44秒 | 金融市場の話題

金市場も市場参加者が減り、名実ともにホリデーシーズン入りの様相。とは言え、そもそも売買執行主体がロボット(コンピュータ)に移行しており、ホリデーも何も突発事態には即応体制は出来ている。日本時間の深夜に起きたロシアの駐トルコ大使が首都アンカラで銃撃された事件では、金融市場では目立った動きには至らなかったが、金市場では一時的に買いが膨らんだ。ベルリンでは、フランスのニースで起きたものと類似の事件も起きている。地政学的リスクというと、以前は“そういうこともあるさ”的な頻度だったが、いまでは頻発し常に意識しておく必要が出てきた。この言葉自体が、イラク戦争終結以降に広がったように思われる。それは、米国の圧倒的な力に陰りが出たことと無関係ではなかろう。

オバマ政権2期目から、米国が軍事的プレゼンスを急速に落とし始めたイメージだが、トランプでどうなるか。閣僚の陣容をみると共和党右派勢力、元軍人が目立つので、流れの変化は大いにありそうだ。来年秋に5年に一度の共産党大会を控える中国にプレッシャーをかけるのではとの見方があるが、すでに金融面では十分にプレッシャーが掛っている。

リーマン以降、日米欧主要中銀が前代未聞のばら撒きを行ったことで、あふれたカネは新興国に回ったが、一番流れ込んだのが中国だった。つまり過去7年で一番ドル建ての債務を増やしたのは中国だった。急なドル金利とドルの上昇に悲鳴をあげるのが中国であって、それを世界に知らしめたのは、昨年8月の人民元の急な切り下げだった。その状況に外も慌てたが、もっとも慌てたのは内側つまり中国の企業、個人だった。企業は借金の返済を焦り、個人は資産を外に移動しようとした。人民元安に拍車がかかり、それを抑えるために年末にかけて買い支えのために外貨準備が目立って減ったのは記憶に新しい。それが今また起きている。

中国の外貨準備は、4兆ドル近くから11月には3兆ドルに接近し注目されているが、そもそも現金化しやすいのは、その内の1兆1000億ドル程度の米国債だけとされる。その他は、資源権益などの取得のため新興国に投資され、直ぐにどうなるものでもない(流動性の低い資産になっている)。そうした背景もあり、外貨準備の3兆ドル割れは、話題を集めそうだ。




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