亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

過去3週間の金市場でのポジションの推移

2017年05月15日 21時21分26秒 | 金市場
NYコメックス金先物のロング(買い建て)が、先週末発表分で大きく減少した。もっとも、市場環境と日々の値動き、出来高、取組の推移から減少は読めたので、関心はどの程度減ったにあった。いずれもオプション取引を抜いた数字だが、5月9日までの1週間でネットで約4万枚(1枚=100オンス)、重量換算で123㌧の減少でこの時点でネットロング(買い越し量)は15万0006枚、466㌧となっている。昨年のBrexit決定直後の急騰相場の際には(2016年7月5日時点)、31万5964枚、982㌧だったので、その半分以下の水準にある。荷もたれ感は解消されており、ない。

5月9日までの1週間は、3日のFOMC(連邦公開市場委員会)と7日のフランス大統領選決選投票と2つのイベントを通過した週。FOMCは声明文を使って米1-3月期の経済の減速は、ソフトパッチ(一時的なもの)と指摘し、先行きに自信を示した。フランス大統領選の結果は、“想定外”は、そうそう起きないことを改めて認識させた。意は言外にあり、FRBは6月の利上げを暗示し、欧州の政治リスクはイタリアなど火種は残るものの、目先は一巡ということで落ち着くことになった。

買い方は、ロングの手仕舞いに向かい、NYコメックスの通常取引(フロア)終値ベースで金は、5月2日の1257.00ドルから9日の1216.10ドルまで1週間で40.90ドルの下げとなった。そして、この価格が先週の最安値となり、週末にかけて再び買い戻され1227.70ドルで終了。

ロングの手仕舞い売りということでは、すでに5月2日に至る1週間で34㌧の減少がみられていた。というのも4月23日のフランス大統領選第1回投票の結果に反応したもので、この時点でルペンは最終候補者となったものの、マクロンに次ぐ得票率だったこと。しかも得票率が支持率に沿ったものとなり、番狂わせを演出する元になると想定された“隠れルペン”の存在がそれほどでもないことが明らかになったことによる。4月24日以降に欧州政治リスクがらみのロングの手仕舞いの引き金が引かれ、FOMCでboost(加速)され、決選投票でこちらも“投げ”の決着を迎えることになった。

この間、注目すべきはグロスのショート(売り建て)に変化が見られなかったこと。つまり先物市場で動いていたのは、買い方(ロング)のみだった。売り方は、沈黙を守ったまま先週初めまで音なしの構え。先週後半のコミーFRB長官更迭や経済指標がらみで買戻しに入っているとみられる。今週末に発表されるデータでは、逆にショートの減少というところか。それでも、ショートの減り方は少ないと思われる。


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