Photographer, Producer T A K E N O Kimihiko

徒然なるままに…。撮影&写真・カメラ情報、撮影テクニック・写真講座、お祭り&イベント情報、ライブ企画… 等を綴ります。

「唐津くんち」を撮る <ベストな曳山写真の撮り方>

2010-11-25 01:20:36 | 日記
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撮影テクニックガイド ①

<ベストな曳山写真の撮り方> 唐津曳山をカッコ良く撮る 

はじめに
 唐津くんち最大の呼びものは、曳き子たちが曳き廻るいずれも勇壮華麗な曳山14台が登場する曳山巡行である。
この14台の曳山は、それぞれ獅子頭や龍、鯱、鯛、亀、兜、屋形船など、和紙を張り重ね漆を塗った一閑張りの方法で作られている。曳山の幅は、2~3㍍、高さは最大のもので約6、7㍍、重さは推定で1,5~4,0㌧ほどある。すべてが車のついた台に乗せて、2本の大きな綱で曳くようになっている。赤、青、金など極彩色に美しく化粧された曳山を揃いの法被姿の曳き子たち数百人が「エンヤ、エンヤ」「オイサ、オイサ」の掛け声も勇ましく威勢よく町を曳き廻すさまは圧巻である。唐津っ子にとって「唐津くんち」の思い出は故郷そのものだ。他郷にあってもそれが近づくと胸がワクワクしてくるものだ。私の家は、唐津城東側の城内(町)だったので、曳山ひきには直接関われなかったが、曳山に魅せられ、その写真を撮りつづけている。

     <関連Webサイト> 画像をクリックするとホームページにリンクします。
   
●「唐津くんちガイド」http://www.karatsu-kunchi.jpn.com

●「唐津くんち・唐津曳山」http://www.唐津くんち.jp

●「唐津くんち・曳山巡行」http://www.gallery.karatsu-kunchi.jpn.com


<それぞれの曳山は特徴を異にして、そのキャラクターは多彩。>

祭りの写真は、ベストポジション(場所)+ベストアングル(位置)を確保できれば、ほぼ目的に近づけるが、「唐津くんち」の14台の曳山には、それぞれの顔(アングル)がありベストポジションは一定しない。
例えば、5番山「鯛」(魚屋町)は、鯛の姿をかたどった物で全国でも珍しく、前面から眺めをよくするために肉付けを厚くした胴体のほか、胸びれは開閉し、尾びれは後屈上下するなど技巧を凝らし、単純な魚が見事に造形されている。そのキャラクターには人気があるが、雰囲気だけにとらわれて正面からフォーカスしていると、鯛は金魚になり、鮒になりかねない。また、「赤獅子」、「青獅子」、「金獅子」などの獅子頭は、低い位置からだと、物真似芸人の「コロッケ」が演じてる演歌歌手のごとく、鼻の穴だけを強調してしまう。広角(レンズ)をつけているときはヘタすると目玉のない獅子頭となる。結局のところメダカ(目高)のアングルからではベストショットは望めない。
13番山「鯱」(水主町/カコマチ)は、屋根の上に置かれた「しゃちほこ」の形で決めたいのだが、正面からでは「おこぜ」に撮れたりする。「しゃち」という呼び名を知らない者が、その色や形から判断して「おこぜ」と呼んでいたというのも頷けたりするものだ。7番山「飛龍」(新町)の本体は、上下左右に自由に大きく揺れるように工夫されている。空を飛翔する龍をイメージして揺れるその瞬間を決定的なショットとしたいのだが、時には赤い蝙蝠(コウモリ)に変貌してしまう。
3番山「亀と浦島太郎」(材木町)のやや左向きの亀の顔は、その位置より上か下かのアングルで、笑っているようにも、怒っているようにも表情が変化するから面白い。ガァーッと開いた口も右方向から撮ると、犬がだらしなく舌を垂らしているような表情で迫力がない。
12番山「珠取獅子」(京町)は青獅子が珠玉にしっかり爪を食い込ませて乗っている。珠をつかんで耳を張り、キリット見据える正面からの勇姿もさることながら、横から眺めると、力強く踏ん張った足に深緑の本体と金箔の輝く渦巻き模様のコントラストが美しい。
11番山「酒呑童子と源頼光の兜」(米屋町)は、切られた酒呑童子の首が頼光の兜の鉢にかみついたという伝説を具象化したもの。迫力の高さは6,2㍍。酒呑童子の血走った眼を表現したい。兜山では、龍頭と鍬形が兜の正面で威厳を示す4番山「源義経の兜」(呉服町)が造りの忠実な精巧さで代表される。10番山「上杉謙信の兜」(平野町)とともに、「エンヤ、エンヤ」の掛け声で勢い塩をまき散らす。9番山「武田信玄の兜」(木綿町)は塩をまかないことも知っておきたい。
船形では、首部に鳳凰を造る6番山「鳳凰丸」(大石町)と龍頭の14番山「七宝丸」(江川町)の2台がある。重さはそれぞれ4㌧と3㌧。中国の古記をもとに製作されたとする龍頭鶏首の対屋形船である。屋形自体が左右に自在に動くように工夫され、前舵が備え付けられている鳳凰丸の、カーブでの舵取りがシャッターチャンスともなる。
それぞれの曳山は特徴を異にして、そのキャラクターは多彩である。単なる絵葉書写真に終わらせない為には、それらを良く掴んで、撮影のベストポジションを決め、ベストアングルを定めたい。曳山の緩急自在のリズムにシャッターレリーズをあわせることも大切・・・・・。曳山写真を楽しもう! 文:竹野公彦

Taken all TAKENO Kimihiko professional photographer.
Uploaded on April 4, 2009.
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