ミセスローゼンの道後日記

台風の雨を吸ひ込む山の土

ニック居ぬ間の模様替え。

山中湖に台風が吹き荒れた。夜におさまり、今朝は晴れ。やれやれと洗濯して、買い物に出て、帰るとまた暴風雨。洗濯物を取り込む間に、みるみる足元が池になる。竜巻かなと思うくらい、風が多方向からぐいぐい吹く。とりあえずパスポート貴重品と着替え、レオタード、ヴィオラ、犬の餌などを荷造りして玄関に置くと、ぴたりと風が止む。おまじないのようだ。雨が止むと、溜まった水がみるみる山に吸い込まれる。山は確かに生きている。
去年の台風シーズンに、野分いま我が家をそっと押して行き、という句を会に出したら、誇張されておられるのでしょうが、というコメントを頂いた。いや本当なんだって。いっぺん大草原の小さな家に住んでご覧なさい。野分が家をくいくいっと押しながら吹き過ぎるのがわかりますよ。
ニックといつも、「ほら谷崎の細雪の、東京のいとはんの家に台風が来る場面、思い出すねー。」と言い合うのだ。あの安普請の家では、台風が吹くたび天井と壁に隙間ができてはまたくっつき、を繰り返したのだから恐ろしい。(我らが借家は屈強だから、いくら揺れても平気だ。)細雪の神戸台風の場面はあまりに怖くて読めない。谷崎が阪神大震災まで生きていたら、絶対に書いただらう。
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