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電子同人雑誌の可能性 81

2016-10-29 23:55:27 | 日本文学の革命
ネット上にまともで有益な「読み物」が存在していない。本のネットへの移植もまだ成功していない。かつて「読み物」を成していた観もあったホームページも全滅してしまった。ネットには短文、もしくはせいぜいブログ程度の文章しか生息できないのだろうか。このような「読み物」を拒否するネット環境の中で、電子同人雑誌は一つの「読み物」足り得るのだろうか。

答えはイエスである。「読み物」足り得るのである。
情報とは異なる「読み物」の特徴として、読み手に与える情動的効果がある。それを読んだ人がその「読み物」から感動や感銘、共感や共鳴を得ることである。そのような効果を電子同人雑誌は発揮することができるのである。電子同人雑誌のベースにあるもの、あるいは本質を成すものは「心の交流」や「魂の共感」である。雑誌が掲げる趣味や志ざし―それはそれ自体が雑誌の作り手たちの心の表現であり魂の表れであり、雑誌全体がそれをベースにして作られていて、当然それはそれを読む人々にも伝わるのである。

また「読み物」の特徴として、「読み物」はそれ自体が一つの「世界」を持っているのである。物語にしろ小説にしろ評論にしろ、あるいはカントやマックス・ウェーバーのような学術的著作にしろ、「読み物」が共通して持っているのがそれぞれの「世界」であり、それを読む者はその「世界」の中に入り込むのであり、その中でその「世界」を形成しているもの―作者の世界観やその魂やその叡智を全人格的に味わうのである。電子同人雑誌も同じように一つの「世界」を持っている。それは雑誌が掲げる趣味や志ざし、理念や目標であり、電子同人雑誌はそれをベースに作られていて、すべてのページ、すべての構成はその上に築かれていて、全体として読み手が入り込むことができる一つの「世界」を形成し、その中で読み手に全人格的な感銘や共鳴を呼び起こし得るのである。

また「読み物」は創作されたものであり、一つの文芸作品という面も持っている。だからこそ一つの「魂の世界」が生じるのであり、それを通じて人々に感動や共感を呼び起こすことができるのである。電子同人雑誌も一つの創作品であり、創造活動によって生み出されたものである。ただ文芸作品のように最高度の結晶化を遂げたものではないが(そのような最高度の結晶化は通常個人の内部で行われる)、やはり創意工夫が施された創作活動であり、一つの共感できる「世界」を持ち得るのである。もっといえば電子同人雑誌は、本や芸術作品などの文芸作品とコミュニケーションとの中間的存在だと言うことができるだろう。どんな雑誌にも言えることだが、一つの雑誌を作るとは、いろんな人々が創作を持ち寄り、記事を持ち寄り、イラストやデザインを持ち寄り、様々に協力し合いコミュニケーションし合うことによって成り立つものである。一人一人が雑誌の一部で何らかの創作を行い、同時に一人一人が雑誌空間の中で一つに調和し一種のコミュニティー関係を形成しているのである。電子同人雑誌も同じように創作とコミュニケーションの中間的存在であり、読み手との間にもリアルな交流関係に入ることができるので、読み手に対してより一層大きな共感力を発揮できるのである。

読み手との間のこの心の交流・魂の共感をベースにして、有益な情報の提示、読み応えのある内容の提供を行うこともできる。電子同人雑誌の作り手は、その雑誌の掲げる内容に関しては専門家であり事情通なのである。彼らはその専門知識によって読み手に対し、精錬化された有益な情報を提供することができるのだ。混乱し混沌とし何が何だか分からない情報ではなく、有益で読み応えのある内容を読ませることができるのである。

「読み物」を台無しにするものに無責任な文章・デタラメな内容の垂れ流しがある。こういうものばかりあるとバカらしくてまともに読む気が失われてしまうのである。個人だけでしかも匿名で書いているときは、このような無責任でデタラメな垂れ流しもしがちである。しかし電子同人雑誌のように複数人で作る場合は、このような個人の匿名的垂れ流しはできないし、また書いたものが通常のネットの文章のように泡のように消えるものではなく、一つの雑誌として社会に対して発売される公共的なものであり、またうまくいけば巨額の報酬も得ることができるとあれば、書き手も真面目に懸命にいいものを書こうとするだろう。自然と無責任でデタラメな垂れ流しも影をひそめてゆくだろう。

このように電子同人雑誌は、一つの有益な「読み物」として、インターネット上で活躍できる存在なのである。
(続く)
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