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米子強盗殺人事件 論告要旨(産経新聞)

2010-03-01 11:33:40 | 日記
 鳥取県米子市で2人が殺害された事件の裁判員裁判で、強盗殺人罪などに問われた影山博司被告(55)に対する検察側の論告要旨は次の通り。

 ■事実関係

 (勤務先の)会計事務所の資金繰りが厳しい上、石谷英夫さん(被害者で勤務先の社長)が毎月180万円も持ち出すため、影山博司被告は自ら借金して資金を工面。借金は平成21年2月2日時点で840万円、借入可能残高は28万円となる中、石谷さんは自宅資金計2700万円を蓄財していた。一方、2月下旬以降に835万円の事務所の支払いが必要で、被告は当時、まとまった金が必要だった。

 被告は、石谷さんの多額の預金を認識しており、長年の恨みもあった。通帳や印鑑は、石谷さんと同居の大森政子さん(被害者)の2人の寝室に保管されており、これらを奪うには2人とも殺すしかなかった。

 ■情状関係

 ▽動機

 金銭的困窮を解決しようとした短絡的なもので、犯行の約3週間前に凶器の工具を(現場階下の)事務所に持参するなど計画的だ。一方、石谷さんは大金を持ち出し資金繰りを圧迫。被告ら従業員を怒鳴りつけて萎縮(いしゅく)させていたほか、被告を私的な雑務に使った。追いつめられて犯行に及んだ側面があり、同情の余地がある。

 ▽犯行の態様など

 2人の頭部を工具で殴打したり、土間に打ち付けたりした後に首を絞めた残忍な犯行。結果は極めて重大で、奪った現金も計1217万円と多額。

 ▽遺族の被害感情

 石谷さんの娘2人は積極的に死刑を望んではいないが「一生をかけて償うべき」とし、長男は事務所で働いた立場から同情する気持ちもあるが、許してはいない。大森さんの長男は「死刑にしてもらいたい」と峻烈な感情を述べている。

 ▽社会的影響

 影響は大きいが、通常の「誰でも被害者になり得る」という犯行とは異なり、特有の人間関係があった。

 ■求刑

 究極の刑である死刑を選択するかが問題となる事案。検察官は、いわゆる「永山事件判決」が検討するべきだとした情状を慎重に検討し、「刑事責任が極めて重大で、罪と罰の均衡や犯罪予防の観点からやむを得ない場合」かを判断した。その結果、短絡的な動機や殺害の態様など被告の罪は重大だが、動機形成には一定の同情の余地があった。

 検察官は、無期懲役を求刑する。なお、被告は2人もの命を奪った以上、真摯(しんし)に反省し、生涯その冥福(めいふく)を祈るべきだ。

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