飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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中将姫説話コレクション2:「中将姫草子・下巻」(絵巻)

2009年10月01日 | 中将姫伝説を訪ねて

「下巻巻頭:しかるへき所に、しはのいほりむすひ、我とし比の、さいし、よひこし、ともに、このみをひろはせて、さとに出て物をこゐ、きの路にこえては、くま野たうしやに、物をこひ、よし野さんけゐの、たうしや、あはれみをこひて、ひめ君を、やしなひまいらせける程に。
ひめ君、十四さひに成給ふ、春のころ、かの物のふ、ちうひやうをうけて、七日と申に、はかなく成にけり、ひめ君なけき給へとも、かひそなき、いほりのかたはらに、けうやう、したまひけり。・・・」
(要約:柴の庵を結び、自分の妻を呼び寄せ、木の実を拾わせたり里へ物乞いに出たり、紀伊路で熊野道者に物乞いし、吉野参詣の道者に憐れみを乞い、姫を養い続けた。姫十四歳になった春の頃、武士は病気になり、とうとう亡くなってしまった。姫君は大変嘆かれ悲しまれたが、そのかいがあって生き返るわけでもなく、庵のそばに供養なさった。・・・)


(第8図:姫14歳、武士女房に里に出て料紙を求めさせ、称讃浄土経千巻を書き写す。)


(第9図:姫15歳、都から父豊成が狩りに来て、偶然に姫と再会する。)


(第10図:姫が父豊成に出家して尼になりたいことを話す。)


(第11図:姫が当麻寺に来て、出家を申し出、剃髪剃刀され、名をせんに比丘とされた。)


(第12図:せんに比丘は当麻寺に籠り、大誓願を起こし祈念する。)


(第13図:化尼が現われ、蓮の茎を百駄ほど届け、寺の北に染の井を掘り、蓮の糸を染める。)


(第14図:天女が現われ、寺の南西の隅に機織り機を置き、曼荼羅を織りはじめた。)


(第15図:西方から阿弥陀仏が現われ、せんに比丘に十三年後に迎えに来ることを告げる。)


「ここに、せんに、たましい、こつせんとして、思、せうせんたり、せんよふ、さりて返らす、たた思ひを、さひはうの、れん大の、夕へのくもによす。
せんに、そののち、十三ねんをへて、くわう人天わうのきよふに、六年、きのへう、六月二十三日、やくそくのことくいきやうくんし、おんかくきこへ、わうしやうの、そくわひを、とけ給ふ。」
(要約:せんに比丘はたちまちに思いを西方の空にお寄せになった。その後、せんに比丘は十三年を経て、宝亀六年(775)六月二十三日に、異香が草庵にかおり、音楽が響き、往生の素懐を遂げることができたのである。)


(第16図:十三年後、二十五菩薩が来迎し、中将姫を迎えにきて、往生を果たす場面。)

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<拡大図>
 
(第10図拡大:姫君)           (第12図拡大:姫君当麻寺へ)

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