犯罪者はみんな在日？

どーもご無沙汰です。最近すっかり放置気味にしてしまいました。
その間にいろんな事件があったみたいです。

アメリカで韓国人学生が銃を乱射したり、長崎の現職市長が暴漢に射殺されたりね。
ほんと物騒な世の中ですわ。

んで、長崎の銃撃事件が起きた後でさっそく出ましたね。
「犯人の城尾哲弥は本名・白正哲という在日である」という噂が！

これもびっくりするほどすごいスピードで広まりましたね。
さっきヤフーで検索したら31900件もヒットしました。
そういえば故沖田浩之も歌っておりました。
「そうさぁ噂はぁ光の速さより速いよ♪」ってね。知らないか？

いや、私は彼の国籍がどこかは知りませんけどね。
だってどこにも「日本国籍」って書いてはいませんから。
もちろん同じように「韓国籍」とか「朝鮮籍」とかも書いてませんけどね。
警察発表では国籍についてなにも触れていませんが、まぁいつものように「何かの圧力で事実が闇に葬られた」と主張している人がいっぱいいるようです。

それにしても「正哲」って…。
偉大なる将軍さまの後継者と同じ名前だねぇ（笑）。
もうちょっと凝った名前にできなかったものでしょうかね？
本名なら仕方ないけどね（笑）

ちなみにオウムの麻原も在日という噂が定着しているようですね。
麻原の事件があった頃、私は現役の社会部記者でしたのでかなりオウムにかかわった取材をしたのですが、当時はそんな話は全く出ませんでした。

これまた「誰かが隠しているのだ」なんて陰謀説もよく聞きますが、国籍を隠せるなら村井刺殺犯の徐裕行も隠しておくべきだったんじゃないかなって気はします。はい。

 

しかし、最近は重大事件がおきると「あいつは在日だ！」って噂が流れますね。
「在日認定」っていうんでしょうか？
おそらくほとんどがデマもしくは根拠の無い作り話であるようです。

なぜそのような流言が出ちゃうのでしょう？
ちょっと考えてみましょう。

なにかがあった時にその原因がどこにあるのかを原因帰属と言います。
で、原因がその当事者にある物を内的原因、外部の要因の場合を外的原因と言います。

人の心ってのはとても弱いものである上に常に「心地よい物」を求めるから、自分（側）が上手くいかないのは「外的原因」のせいで、きらいなヤツが上手くいかないのは「内的原因」のせいだと考えたがる。

また、自分（側）が上手くいったのは「内的原因」のおかげであり、きらいなヤツが上手くいったのは「外的原因」のおかげだとも考えたがります。

自分側の失敗は理由があり、相手の失敗はそいつが悪い。
自分の成功は自分の実力、相手の成功は他人の力や偶然の産物。
そう、安心したいんですね。

02年のＷ杯で韓国が4位に入ったのは
韓国人は「実力」（内的原因）と思っているのに対し嫌韓は「審判を買収したから」（外的原因）だと考えています。

それと同じく日本がＷＢＣ初代チャンピオンになったのを
日本人は「実力」（内的原因）と思っているのに対し日本嫌いな韓国人は「くじ運が良かっただけ」（外的原因）と思っているでしょう。

このような事項は第三者からみれば「50歩51歩」って感じなのかな？
そして「外的原因」は正論の場合もありますが、決して「内的原因」を上回るような物ではない場合の方が多い。
つまりは妬みや僻みからくる「いちゃもん」や「いいがかり」が多いって事だ。

でね、何が言いたいかといいますと、
人が犯罪者が在日コリアンであるって噂を流したり信用しちゃったりする背景には「そんな悪い事するヤツは在日コリアンだ」と考えてしまう「内的原因」が背景にあるのでしょう。
それによって「自分が所属するコミュニティつまり日本人には悪人が少ない。悪いのはみんな他の国のやつらなのだ」という錯覚に自ら陥り、脳内モルヒネを分泌して妄想の快楽に浸りたいからですね。

ですからこのテの噂を流す人や信じる人は日本人の犯罪をみても「最近の日本人はひどい事をするな」とは微塵も考えません。

でね、これらは「相関の錯覚」によるものなのですね。

「相関の錯覚」とは実際にはない関係が、あるように見えてしまうことで、全く関係のない２つのものを、あたかも相関関係があるように考えてしまう「判断の誤り」です。

特にマイノリティである外集団に対してはこの錯覚が起き易い。

例えば「新聞報道などをみても在日は犯罪者だらけだ！」なんて主張している人がいるとしましょう。
多いですねこういう人。「俺は先月だけで3人も在日を確認したぞ」なんてね。

まぁ確かに在日コリアンの犯罪者ってのは実際にけっこう多いわけではありますが、それをマスコミの情報だけで確認して認識いるとすればそれは大きな間違いです。

在日コリアンは日本に数多く居住しているわけですから犯罪を起こして新聞に名前が出ちゃうのは当たり前と言えば当たり前です。

だから、「先月だけで3人の在日コリアンの名前をマスコミ報道で確認した」というのであれば、「先月に報道された日本に居住する犯罪者の総数は◎◎◎人である」という事も理解していなければならないはずですね。
それをしないで知ったふりになるのが「相関の錯覚」という事です。

 

厨くんが犯罪者を在日認定する一方で、在日コリアンの方も有名人を在日認定しちゃうクセがあるようですね。
確かに芸能人やスポーツ選手、文化人に在日コリアンの割合は多いですから、こちらも全部が全部デタラメというわけではない。
でも、それが嘘だったら少なくとも本人には失礼な話だ。

でも、それとこれを同じレベルで考えちゃいけませんね。

「自分の嫁さんがブス」という男が「うちの嫁さんは美人なんだ」と言いふらすのと、見たこともないくせに他人の嫁さんを「あいつの嫁はブスだ」って言いふらすのではどちらが性質が悪いかは一目瞭然ですよね。

 

「男はつらいよ」の寅さんは在日コリアンがモデルだったという話がある。
山田監督が永六輔氏との対談でそう語ったそうだ。

これに対して「いーや寅さんは断じて日本人である。海外に行った時の旅券が日本の物だった」とか「監督がいうのだから他の誰が何と言おうと在日コリアンなのだ」なんて言い合うのは野暮の骨頂ではございますが、まぁ罪がなくてよろしいかとも思います。それ以上エスカレートしなければね。

だって誰の迷惑にもなりませんもんね。想像の人物だから。

でもそんな事言っていると、寅さんに「国がどうとか国籍がどうとかそんなことどうでもいいじゃねぇか。ようは個人の問題よ」なんて怒られちゃうかも知れませんね。

野暮だ野暮だ…。